第4話 謎の類人猿の巻(脚本)
〇山並み
ニュースキャスター「こちら、◯◯県◯◯市にある猿人山という場所なんですが・・・」
ニュースキャスター「なんとこちらで、謎の類人猿の目撃情報が多発しているそうです!」
ニュースキャスター「現地の方に話を伺ってみましょう!」
ニュースキャスター「すみません、最近こちらで謎の類人猿の目撃情報が多発しているそうなのですが、なにかご存知でしょうか・・・?」
現地の人「ええ・・・実はね、私も見たんですよ・・・ 類人猿」
ニュースキャスター「本当ですか!? いつ、どのあたりで?」
現地の人「そうですねぇ・・・ あれは確か、先週の日曜の昼ごろだったかと・・・」
現地の人「ちょっとこの辺りを散歩していたのですが、藪の方からガサガサって物音がしましてね・・・」
現地の人「怖いな〜・・・怖いな〜と思いながら見てみるとそこには・・・」
ニュースキャスター「い、今・・・物音がしました! これはもしや・・・」
現地の人「あ!あそこに・・・!」
類人猿?「・・・・・・!!」
ニュースキャスター「類人猿です! 類人猿が森の中へ走っていきました!」
現地の人「あれですよ! 私が見た類人猿は!」
ニュースキャスター「さっそくですが、類人猿の後を追ってみましょう!」
現地の人「え?私も行くんですか?」
ニュースキャスター「何言ってるんですか!? ここまで来たら一連托生ですよ!!!」
ニュースキャスター「さあ、一緒に行きましょう!!!」
現地の人「は、はぁ・・・」
〇けもの道
類人猿?「ハァ・・・ハァ・・・ ここまで来たらあいつらも追ってこないだろ・・・」
???「ウヒャヒャヒャ・・・ 見つけたダスよ・・・ かわいい類人猿ちゃん・・・」
類人猿?「な、なんだぁ!?」
土蜘蛛「ウヒャヒャヒャーー!!! アチシは土蜘蛛っちゅうもんダスー!」
類人猿?「つ・・・土蜘蛛ぉ?? クモが何の用なんだよ!?」
土蜘蛛「玉藻様はアンタみたいな新しい妖怪に興味津々でねぇ・・・ 是非とも戦力に加えたいそうダスよ〜?」
類人猿?「戦力って・・・まさか・・・!」
土蜘蛛「さぁ!つべこべ言わずについて来るダスー!!」
類人猿?「い、嫌だぁぁぁ!!!」
土蜘蛛「ん・・・? この手触り・・・もしや・・・!」
ケンジ「うわぁぁぁーーーー!!!! なに勝手に脱がしてんだ!!!」
土蜘蛛「に、人間だったダスか・・・」
土蜘蛛「人間だったらしょうがない・・・」
土蜘蛛「お前には死んでもらうダス!!!」
ケンジ「や、やめてくれーーー!!!」
???「待ちなさい!」
イナバニー「類人猿調査員 イナバニー参上!」
イナバニー「・・・ってあれ? あなたは河童にさらわれそうになってたパリピさん・・・?」
ケンジ「は、はは・・・どうも・・・」
土蜘蛛「出たダスね〜!イナバニー! これまでやられてきた同胞たちの仇、今ここで取ってやるダス!!!」
イナバニー「あ、ここは危険だからパリピさんは下がってて!」
ケンジ「え、ああハイ・・・」
イナバニー「さぁ土蜘蛛!かかってきなさい!」
土蜘蛛「言われなくともッ!!!」
イナバニー「くぅっ・・・!」
土蜘蛛「ウヒャヒャヒャ・・・ 今のは口裂け女の分ダス・・・」
土蜘蛛「そしてこれが河童の分!!!」
イナバニー「うぐァ・・・ッ」
土蜘蛛「そしてさらに・・・ジャージー・デビルの分ダスーーーー!!!!!」
イナバニー「うっ・・・」
土蜘蛛「や、やったダス・・・!」
土蜘蛛「とうとうイナバニーをやっつけたダス〜〜!!!!!! ウヒャヒャヒャヒャヒャヒャーーーーー!!!!!」
土蜘蛛「これは早く帰って玉藻様に報告せねば・・・!」
???「へぇ・・・? 誰がやられたって?」
土蜘蛛「むっ・・・! この声は・・・イナバニー!?」
土蜘蛛「そんなハズはないダス! イナバニーの死体はここに・・・」
土蜘蛛「に・・・人形!?」
イナバニー「そう、これは私特製のダミー人形」
イナバニー「この人形は一定時間私そっくりの姿に変身する能力があるの アンタはそれにまんまと騙されたってわけ」
土蜘蛛「お、おのれ〜! 今度こそ地獄に落としてやるダス〜〜〜!!! くらえーー!!!」
イナバニー「そうはさせない!」
イナバニー「必殺!イナバニーソード!!!!!」
土蜘蛛「ダス〜〜〜〜!!!!!」
イナバニー「・・・さて もう出てきてもいいよ、パリピさん」
ケンジ「あの・・・俺ケンジです」
イナバニー「ケンジさん・・・ あなた、なんであんな着ぐるみをきてこんなところにいたの?」
ケンジ「俺・・・あの後マリコと別れちゃって・・・それで・・・」
イナバニー「それで・・・?」
ケンジ「マリコにフラれたのが悔しくて・・・ その鬱憤を晴らすためにこんな事をして、みんなを驚かせて、ストレスを発散してたんです!」
イナバニー「・・・はい?」
ニュースキャスター「ようやく追いついた・・・! あのっ・・・ここで類人猿を見かけませんでしたか!?」
イナバニー「あ、このパリピのお兄さんが全部話してくれると思うのでこの事は彼に聞いてみてくださ〜い」
ケンジ「ええ!?ちょっと!! イナバニーさん!?」
こうして、猿人山の類人猿騒動は幕を閉じたのであった──
これまでとは異なる導入、そして胡散臭い「怖いな~」の方、新章かと思ったところでのケンジさん再登場、イナバニーの安定の戦い、楽しいです!ケンジさんのキャラ、1回きりでは惜しい濃ゆさですよねww