断罪対象である妹を助けたら百合と薔薇が咲いたっぽい

隍沸喰(隍沸かゆ/おかゆ喰)

28話 急に増えると焦る(脚本)

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〇貴族の応接間
エレエレ・テンテンポム「・・・」
エレエレ・テンテンポム「ルゥラッハさま、ワヌゥレン卿、もう朝ですよ」
ワヌゥレン・シィゼルヴェン「おはよう、エレエレ」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「・・・おはよう、エレエレ。あれ? アゥルペロは?」
エレエレ・テンテンポム「お嬢さまはもう朝食を取っています 何度起こしても無理だったからと、私にお願いされました」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「・・・そう?」
ワヌゥレン・シィゼルヴェン「寝癖ついてる」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「ありがとう」
エレエレ・テンテンポム「お嬢さまの指示でお土産も全て運びました。もう寝てくださいとあれほど言ったのに。学校、行かれますよね・・・?」
  めっちゃ怒ってる・・・!
ルゥラッハ・オル・レバノスタン(昨日はアゥルペロたちとお土産を開けたり、テルヌンドの話をしたりしてて仕事できてなかったから──)
  たぶん全部エレエレがしてくれたんだ・・・!!
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「行く! 学校に行ってくるから! エレエレ、帰ってきたら仕事もするから今日は休んでてくれ」
エレエレ・テンテンポム「そう言うわけにはいきません」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「助かるけど仕事はほどほどにな。ちゃんと休憩を挟むんだぞ?」
エレエレ・テンテンポム「急にどうしたんです? いいからはやく支度をしてください」
ワヌゥレン・シィゼルヴェン「い、行こうぜ ルゥラッハ」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「着替えるから、先にアゥルペロと朝食を取っててくれ」
ワヌゥレン・シィゼルヴェン「わかった、はやく来いよ」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「エレエレ」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「ワヌゥレンも一緒に行くことになったことを父上に伝えておいてくれるか?」
エレエレ・テンテンポム「・・・わかりました」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「大丈夫か? 帰ってきたばかりなのに、引っ越しのことも進めてくれたんだろ? 疲れてないか?」
エレエレ・テンテンポム「大丈夫です。ただ、あの方のことが気になっていまして・・・」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「あの方?」
エレエレ・テンテンポム「ワヌゥレン卿です あの方は貴方といるためにテルヌンドへ行くんです。地位と家と、家族と故郷を捨てるんです」
エレエレ・テンテンポム「そんな覚悟を必要とすることを簡単に決めてしまったのは、貴方のそばにいるためです」
エレエレ・テンテンポム「私は貴方につかえると決まった頃から、ずっと貴方のおそばにいる覚悟ができています」
エレエレ・テンテンポム「でもあの方は違う、ただ一緒にいるだけではダメだと言うことも知らないんです。覚悟を決めていた私でさえ、思い知らされたんです」
エレエレ・テンテンポム「だから、心配です」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「エレエレ、言ってることがわからない・・・」
エレエレ・テンテンポム「つまり・・・ライバルが多いから覚悟しておいてください、とお伝えください」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「ライバル?」
エレエレ・テンテンポム「お気になさらずに。お伝えしてくだされば結構ですので・・・あ、そう言えば──」
エレエレ・テンテンポム「公爵令嬢がルゥラッハさまの行方を調べていたようです。例の情報ギルドに追い詰められていたそうなのですが──」
エレエレ・テンテンポム「路地裏で会ったあの情報屋が偽物の情報を情報ギルドに売ったことで、我々がテルヌンドにいたことはバレずに済んだようです」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「警戒していて正解だったか。情報ギルドは厄介だな・・・」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「その情報屋は俺たちの居場所を知ってたってことだよな? そして情報ギルドも掴みかけていると知って、それを阻止した」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「・・・なんで?」
エレエレ・テンテンポム「さあ? 本人に聞いてみますか?」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「帰りに俺が寄る。何か情報がないかついでに確認してくる」
エレエレ・テンテンポム「一人で大丈夫ですか?」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「大丈夫だ、何かあったらすぐ、対応できるようにするから」
エレエレ・テンテンポム「わかりました」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「じゃあ、行ってくる。ちゃんと休むんだぞ!」
エレエレ・テンテンポム「いってらっしゃいませ」

次のエピソード:29話 前の情報ギルド長

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