29話 前の情報ギルド長(脚本)
〇ファンタジーの学園
魔法学校
──昼休み
ルゥラッハ・オル・レバノスタン(久しぶりの魔法学校でわくわくしてたけど、二度目だと授業の内容も知ってるし──)
ルゥラッハ・オル・レバノスタン(どんな人なのかもわかってるから出会いもない。酷くつまらなく感じてしまう 一度目の記憶を思い出す前は楽しかったのにな)
ルゥラッハ・オル・レバノスタン(・・・テルヌンドは楽しかったな)
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「あれは・・・」
公爵令嬢か? スーツだから目立つな。人気のないところへ向かっている?
エウレット・ヘヌシアン「リン、いる?」
リン──エンシェン・リンか。情報ギルドのギルド長。彼女がここに来ているのか?
エンシェン・リン「お久しぶり、お嬢さま」
エウレット・ヘヌシアン「わざわざ来てもらって悪いわね。最新の情報はあるかしら?」
エンシェン・リン「・・・ごめんなさい、お役に立てそうにないわ。以前より情報が集めにくくなってしまったのよ」
エウレット・ヘヌシアン「集めにくくなった? 何でそんなことになってるの?」
エンシェン・リン「あの人が情報を売ったって言う噂が流れてるの それが原因でお客さまが減って、ギルドから脱退する人がたくさんいるのよ」
”あの人”とは、前のギルド長のことだろう。原作でも彼女は前のギルド長のことをそう呼んでいた
エンシェン・リン「・・・お客さまがいないと儲けがないから、仕方がないわね。今情報ギルドは人手不足なの・・・情報がなかなか集められないわ」
エンシェン・リン「なんとか引き止めて、残ってくれた人たちと情報を集めているけど・・・」
エンシェン・リン「お客さまが戻ってきてくれなかったら、情報ギルドはやっていけないかもしれないわ」
情報ギルドは公爵令嬢の味方だから敵だし、かなり厄介な存在だ。そのまま潰れてくれても構わない
エウレット・ヘヌシアン「それは困るわ!」
エンシェン・リン「あの人一人現れただけで、情報ギルドは用済みみたい・・・あの人の影響力ってすごいわね」
エウレット・ヘヌシアン「お金なら私が払うわ 貴方たちがいないと困るの。人員が戻るまで支援するから、安心して情報を集めてちょうだい」
まあそうくるか・・・
エンシェン・リン「お嬢さま・・・」
エンシェン・リン「本当にありがとう・・・私たちを信じてくれて、とても嬉しいわ」
エウレット・ヘヌシアン「今まで貴方は私の欲しい情報をちゃんと集めてくれたわ。だから、私は貴方を信頼してるのよ」
エンシェン・リン「ありがとう。あの人も単発でやっていることだから、お客さまはすぐに戻るだろうって言ってくれたわ」
エンシェン・リン「お嬢さまが協力してくれて、情報ギルドも大きくなったわ。お嬢さまのためにも、すぐに取り戻してみせるわ」
エウレット・ヘヌシアン「これからもよろしくね、リン」
エンシェン・リン「いつもより気合を入れて情報を集めるわ、と言うことで私は戻るわね! すぐにいい情報を持ってくるから!」
エウレット・ヘヌシアン「待ってるわ」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン(情報ギルドが元の状態に戻って、また勢いがつくと厄介だ。弱っている今、叩くしかない)
ルゥラッハ・オル・レバノスタン(あの単発屋はゲルホウスの居場所を簡単に見つけ出した。予定通りに前のギルド長の居場所を探してもら得ないか交渉してみよう)
ルゥラッハ・オル・レバノスタン(そんなことより──)
アゥルペロが待ってるんだったぁあ・・・!
急がないと──!!