悪魔のアリス

YO-SUKE

第18話 『二人だけの戦い』(脚本)

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〇シックなリビング
佐川アリス「なぜ・・・どうしてこんなことを」
  言ったろ。俺には時間がないって
佐川アリス「時間・・・?」
  ともかく、これで残りのターゲットは金井五郎、金城アキラ、竹岡純一郎だ
佐川アリス「綾子は・・・綾子まで殺す必要はなかったはずです」
  現場を見られて、顔に引っ掻き傷まで残された
  爪に付着した血痕で、DNA鑑定でもされたら厄介だからね
佐川アリス「それで右腕を持ち帰ったんですね」
  君に知られるならともかく、警察全部を敵に回したくはないからね
佐川アリス「・・・・・・」
  それにアーちゃんも、警察に言うことはできないはずだ
  これは俺とアーちゃん、二人だけの戦いだ
佐川アリス「須藤さんは、あたしが捕まえます」
  ・・・・・・
佐川アリス「他の誰にも譲りません。あたしの手で必ず」
  ・・・そうこなくちゃ
  そう言い残して、須藤は通話を切った。
佐川アリス「たとえ、あたしがあたしの全てを失ったとしても」

〇大会議室
武田静香「理由は?」
佐川アリス「一身上の都合です」
武田静香「・・・わかった」
佐川アリス「・・・・・・」
武田静香「とりあえず、これは預かっておきます」
武田静香「何もいますぐ辞職することないでしょう。 休職扱いにしとくわよ。いいわね?」
佐川アリス「・・・失礼します」

〇警察署の入口
犬伏徹「本当に辞めるんですか?」
佐川アリス「・・・・・・」
犬伏徹「佐藤さんを守れなかった原因は僕にもあります」
犬伏徹「アリスさんが──」
佐川アリス「すまん。後は頼む」
犬伏徹「・・・なぜですか? あとちょっとじゃないですか」
犬伏徹「犯人は目と鼻の先にいる。 なんで今なんですか?」
佐川アリス「・・・・・・」
犬伏徹「このままじゃ、あれほどアリスさんを慕っていた綾子が浮かばれません」
佐川アリス「・・・・・・」
犬伏徹「アリスさん!」
佐川アリス「黙れ! いちいちお前に話すようなことはない!」
犬伏徹「一緒に来るなら付いてこいって言ってくれたのは、アリスさんです!」
佐川アリス「・・・・・・」
犬伏徹「綾子はどんな時にも弱さを見せないあなたに憧れていた」
犬伏徹「だから、だから僕だって──」
佐川アリス「・・・・・・」
  アリスは黙って犬伏にスッと手を差し出す。
犬伏徹「!」
  犬伏はアリスの手を強く握り返した。
犬伏徹「今度こそ、奴を捕まえましょう!」
佐川アリス「・・・今まで迷惑かけたな」
犬伏徹「!?」
犬伏徹「待ってください!」
佐川アリス「・・・・・・」
犬伏徹「俺が何を言っても無駄なんですね?」
佐川アリス「・・・ああ」
犬伏徹「なら、せめて麻薬の件を説明していただけませんか?」
佐川アリス「・・・・・・」
犬伏徹「もちろん、まだ誰にも言っていません」
犬伏徹「アリスさん、あれ須藤さんにもらったって言ってましたよね?」
犬伏徹「どういうことですか?」
犬伏徹「須藤さんがずっと休みを取っていることと、何か関係があるんですか?」
佐川アリス「・・・すまん」
犬伏徹「アリスさん・・・!」

〇高級マンションの一室
佐川アリス「何度目の記録か忘れた」
佐川アリス「だが退路を断った今、これが最後の記録になるかもしれない」
佐川アリス「金井五郎、金城アキラ、竹岡純一郎・・・須藤さんが次に狙うのは──」
佐川アリス「金井・・・はないだろう。奴は臆病だ」
佐川アリス「金にものを言わせてボディーガードを雇っているという」
佐川アリス「自宅のセキュリティも一筋縄ではいかない」
佐川アリス「金城か竹岡・・・あたしだったら──」

〇車内
犬伏徹「・・・何かある」

〇警察署の入口
佐川アリス「・・・今まで迷惑かけたな」

〇車内
犬伏徹「アリスさんのあの顔は、何かを諦めた時の顔じゃない・・・!」

〇二階建てアパート
  ドン、ドン!
犬伏徹「須藤さん。いるんですよね? 犬伏です。出てきてください」
中年女性「あの・・・どうかされましたか?」

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