プロローグ(脚本)
〇地図
これはとある世界の、とある“勇者”の物語・・・
突如として現れた“魔王”により、
世界は滅びの危機にみまわれた・・・
強大な魔力、そして“魔王”の配下により
人々は苦しめられていったのだ
けれど、人々は決して諦めなかった
──“魔王”を倒す、”勇者”が現れたから。
人々は、希望を持ち続けられたのである──
〇森の中
アレン「86、87、88・・・」
アレン「94、95、96・・・」
アレン「・・・100!」
アレン「・・・ふぅ」
「やっぱりここにいたのね、アレン」
アレン「!」
シャルル「今日も剣の素振りをしていたの?」
アレン「あぁ」
彼女はシャルル。
物心つく頃からの幼馴染みだ。
占い師としての素質があるらしく、
数年前から修行をしているのだ。
アレン「なんだか最近落ち着かなくて・・・」
シャルル「アレンは昔から頑張りやさんだものね」
シャルル「けど、頑張りすぎは体に毒よ? ほどほどにしなきゃ」
シャルル「もうすぐ日が暮れるのだって 気付いてなかったでしょう?」
アレン「うわ、本当だ」
シャルル「そろそろ村に戻りましょう? みんな夕飯の支度をしていたわ」
アレン「そうだな、帰ろう」
〇寂れた村
トファス村
シャルル「じゃあ、私はお師匠様のとこに寄るから」
シャルル「また明日ね」
アレン「あぁ、また明日」
シャルル「えぇ」
アレン「さて、と・・・」
家に帰って、夕食を食べて、寝て・・・
毎日それの繰り返し。
ここ最近、どうにも落ち着けず
近くの森で素振りをしている。
・・・田舎の村とはいえ、“魔王”の話は
ここまで届いている
だから、気休めでも何かしていたいのかもしれない。
アレン「・・・」
アレン「早く帰るか」
─この時の俺は、想像もできなかった。
日常は簡単に崩れ落ち、それまでとは違う生き方をすることになるなんて、と─
嵐の前の静けさ、といった雰囲気がいいですね。ストイックなアレンと占いを学ぶミステリアスなシャルルのコンビがどんな活躍をするのか、早く続きが読みたいです。
話のつなぎ方がとても自然だし、設定もスっと頭に入ってくる。
かつ、続きを楽しみにしてしまうような構成、とても素敵です。
続き待ってますね、頑張ってください。