犯罪者の半座さんは今日も独りで罪を犯す

ぶらっく

エピソード2(脚本)

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〇コンビニの雑誌コーナー
  俺は、木島拓也。28歳。独身。
  少し小さな街のコンビニで働くただのおっさんだ。(自分で言うとなんだか悲しくなってくるな)
  そんなおっさんだが、働き始めて5年目の今日、初めて万引きを見つけた。
  相手の女子高生?くらいの女の子には申し訳ないが、達成感と誇らしさで心が満たされる。
  俺ってすごい。
木島 拓也「じゃあ、スタッフルームで話をするから、ついてきなさい」
  女子高生?はポカーンと口を開けて不思議そうに俺を見てくる。
  ふん。とぼけようとしても無駄だ。今すぐ俺が化けの皮はいてやる。

〇警察署の食堂
木島 拓也「じゃあ、トートバックの中、見せて」
  予想通り、トートバックの中には本が一冊と、ミルクティーが一個入っていた。
  さすが俺。
木島 拓也「じゃあ、まず、名前と学校名、年齢言って」
半座 衣流「・・・・・・・・・・・・・・・半座・・・・・・・・・・・・衣流(いる)・・・・・・・・・・・・・・・17歳・・・・・・・」
半座 衣流「・・・・・・・・・・・・・・・・・・学校は、行ってないい・・・・・・・・・・・・・・・・です」
  ・・・・・・・・・声、ちっっっっっっさ!!!
  いや、ギリ聞こえるけども、聞こえるけどもだよ!
  まぁ、万引きするくらいだし、なんかあるんだとは思うが・・・・・・。
  それにしても小さすぎる!聞き取れないわこんなん。
店長「おい、どうした、木島。そんな騒いで」
木島 拓也「あっ!店長!聞いてくださいよー。この子、万引きして・・・」
店長「・・・?お前、誰のこと言ってるんだ?」
木島 拓也「・・・・・・・・・・・・は?」
  え?いや、いやいやいやいやいやいや、普通にいるでしょ、ここに!
木島 拓也「て、店長、なに言ってるんですか!?いるじゃないですか、ここに」
店長「なに言ってるのかはこっちのセリフだよ。幽霊ごっこでもしてるつもりか?」
店長「そんなことやってる暇あったら、さっさと商品棚でも整理するんだな」
木島 拓也「え、ちょ、待ってくださいよ!てんちょ・・・・・・・・・バタン・・・・・・・・・行っちまった・・・・・・」
  て、そんな場合じゃない!!!
  この子、何者だ・・・・・・!?
  お、俺はずっと幽霊と喋ってたのか!?
半座 衣流「幽霊じゃない・・・・・・・・・」
木島 拓也「うわァッ!!やっぱ幽霊じゃねーか!!!なんで俺の考えてることわかるんだよ!!」
半座 衣流「いや・・・あの・・・普通に・・・・・・声に、出てた・・・・・・」
木島 拓也「え?あ、そ、そうか・・・・・・」
  って!そうじゃなくて!
木島 拓也「お前、な、なんで俺には見えて、店長には見えないんだよ!!!」
半座 衣流「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・私、気配、無い・・・・・・・・・・・・・・」
半座 衣流「なんでかは、わかんない・・・・・・・・・・・・・・・気づいたら、そうなってた・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
  気配が・・・・・・ない?初めて聞いたぞ。気配ない人なんて。影が薄い人ならまぁ聞いたことあるが・・・
木島 拓也「あ、じゃあつまり、盗むの、今回が初めてじゃないってことだよな?」
半座 衣流「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・うん・・・・・・・・・・・・・・・・えーと・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
半座 衣流「(360×約8だから・・・)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・約、3000か」
木島 拓也「3000!!??」
半座 衣流「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・うん」
  まぁ、確かに、品数あわないときとかまぁまぁあったけど、まさか、盗まれていたとは・・・・・・
  ん?まてよ、このまま放っておけば、いつかこの店、きっと赤字になるに違いない・・・・・・。なら、
木島 拓也「お前、一人暮らしか?」
半座 衣流「え?・・・・・・・・・・・・・・・う、うん」
木島 拓也「よし、では、これから毎日、1日1回、お前の家を訪ねる!!」
木島 拓也「・・・・・・いや、そういうことじゃねぇよ!勘違いすんな!警察呼ぼうとしてんじゃねぇよ!」
木島 拓也「と、とにかく!これからお前が盗まないよう、きっちり管理するからな!」
半座 衣流「ガーン!!」
半座 衣流「・・・・・・・・・・・・・・・そ、そんな・・・・・・・・・・・・・・・ヒドイ・・・・・・・・・・・・・・・・・・!」
半座 衣流「うぅっ・・・・・・・・・グスッ・・・・・・・・・!」
木島 拓也「なっ!被害者ズラすんな!万引きされると困るのはこっちなんだよ!」
木島 拓也「ていうか、少し笑ってんじゃねぇか!バレバレだぞ!」
  この子、最初は死んだ魚のような目してたけど、本当は明るい子なのかもしれないな・・・・・・

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