ゴーストデザイナーズ!【フルボイス】

TapNovel公式【フルボイス】

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〇黒背景
サーヤ「最初は、気のせいだと思ったの」
サーヤ「初めての寮生活だし」
サーヤ「過敏になってるのかな、って」
サーヤ「でもね」
サーヤ「毎日なの」
サーヤ「毎日、夜になると」
サーヤ「部屋の隅から」
サーヤ「にゃあ」
サーヤ「にゃあ、って」
サーヤ「猫の鳴き声がするの」
サーヤ「うん、それだけ」
サーヤ「でも、でもね」
サーヤ「私、本当に怖くて」
サーヤ「気にしちゃダメだと思うほど 色々、妄想しちゃうし」
サーヤ「で、友達に相談したらね」
サーヤ「後輩に専門家が居る、って教えてくれて」

〇ファミリーレストランの店内
モナ「それで、私に相談を?」
サーヤ「そう」
サーヤ「率直に、どう思う?」
モナ「えっと」
モナ「無害な霊、だと思います」
サーヤ「だ」
サーヤ「だよね!」
サーヤ「よかったぁ」
サーヤ「なら安心だね」
サーヤ「うん、安心」
モナ「あの」
サーヤ「ん?」
モナ「この後、予定ありますか?」
サーヤ「ううん、特には」
モナ「もし良ければ、ですけど」
モナ「今から私が除霊を──」
サーヤ「本当!?」
モナ「は、はい」
サーヤ「ぜひ!」
モナ「あ、じゃあ」
モナ「こ、このモナ・グスタートにお任せください」

〇住宅地の坂道
サーヤ「モナさん」
モナ「ひゃい!」
サーヤ「寮はこっち」
モナ「あ、はい!」
サーヤ「なんか、ごめんね」
サーヤ「急にこんなお願い、迷惑だったよね」
モナ「いえ!」
モナ「人助けは退魔絵師の責務ですから」
サーヤ「たいまえし?」
モナ「はい!」
サーヤ「って何?」
モナ「あ、えっと」
モナ「霊の絵を描くんです」
モナ「それで、霊を実体化させて」
モナ「バキッ!」
モナ「っと、やっつけるという」
サーヤ「・・・そうやって除霊するってこと?」
モナ「はい!」
モナ「うちは先祖代々、退魔絵師で」
サーヤ「へー」
サーヤ「なんかすごいね」
モナ「あ、いえ」
モナ「すみません」
サーヤ「なんで謝るの?」
モナ「すみま、あっ」

〇マンションの共用廊下

〇女の子の部屋(グッズ無し)
サーヤ「どう?」
モナ「なるほど」
サーヤ「居る?」
モナ「はい」
モナ「気配は微弱ですけど」
サーヤ「除霊、できる?」
モナ「あの、実は」
サーヤ「ん?」
モナ「その」
モナ「いえ」
モナ「頑張ります!」
サーヤ「よ、よろしくね?」
モナ「はい!」
モナ「少々お待ちください!」

〇女の子の部屋(グッズ無し)
モナ「でき、ました」
サーヤ「見せて見せて」
サーヤ「怖っ!」
サーヤ「でも上手!」
モナ「ど、どうも」
サーヤ「これが霊の正体?」
モナ「いえ、えっと」
モナ「そういうことにするんです」
モナ「弱い霊は、自我が希薄なので」
モナ「この絵がお前だ、って納得させるというか」
サーヤ「ほー?」
モナ「み、見ててください」
モナ「此は鏡」
モナ「鏡に映るは」
モナ「汝の真像」
モナ「えい!」
モナ「あの」
モナ「失敗、しました」
モナ「すみません、描き直してもいいですか?」
サーヤ「え、うん」
サーヤ「もちろんいいけど」

〇女の子の部屋(グッズ無し)
モナ「えい!」
モナ「すみません、もう一度──」

〇女の子の部屋(グッズ無し)
モナ「ぅえい!」
モナ「つ、次こそ!」

〇女の子の部屋(グッズ無し)
モナ「う、ぐぅ」
サーヤ「大丈夫?」
サーヤ「ダメそうなら無理しないでも」
モナ「あと、一回だけ、」
モナ「あ」
サーヤ「おわっ」
モナ「す、すみません、お茶が!」
サーヤ「平気平気」
サーヤ「片付けとくから気にしないで」
モナ「すみません!」
サーヤ「平気だってば」
サーヤ(あれ)
サーヤ(スケッチブック?)

〇美しい草原

〇女の子の部屋(グッズ無し)
サーヤ「わぁ」

〇学校の廊下

〇女の子の部屋(グッズ無し)
サーヤ「かわいい」
モナ「え?」
モナ「あ!」
モナ「あの、それ、私の!」
サーヤ「あ」
サーヤ「勝手に見ちゃった、ごめんね」
モナ「い、いい、んですけど」
サーヤ「こんな絵も描くんだね」
サーヤ「これも除霊関係?」
モナ「いえ、あの」
モナ「私、かわいいものが好きなんです」
モナ「漫画のキャラとかモデルさんとかを、ですね」
モナ「参考にして絵を描くのが、その、趣味で」
サーヤ「へぇえ」
サーヤ「いい趣味じゃん!」
モナ「うう」
サーヤ「私、霊の絵よりこっちの方が好きだよ」
モナ「っ!」
サーヤ「あ」
サーヤ「違う違う!」
サーヤ「霊の絵が下手ってわけじゃなくてね!?」
モナ「いえ、いいんです」
モナ「私の霊の絵、ダメですよね」
サーヤ「そんなことないって」
モナ「ダメなんです!」
モナ「実は、ですね」
モナ「私、へへ、落ちこぼれなんです」
モナ「霊の絵、全然うまく描けなくて」
モナ「家では怒られてばかりだし」
モナ「誰にも頼られたこと、なくて」
サーヤ「そう、なんだ」
モナ「だから今日の相談、すごく嬉しかったんです」
モナ「私、今日こそちゃんと除霊するぞ、って」
モナ「退魔絵師として、しっかりやりきるぞ、って」
モナ「そう、思って」
モナ「思ってたのに」
モナ「私、やっぱり、役立たずで」
モナ「何もできなくて」
モナ「ごめんなさい!」
サーヤ「や、私は助かったよ?」
モナ「え?」
サーヤ「ほら、なんていうかさ」
サーヤ「今どき、霊の話なんて 誰も真面目に聞いてくれないんだよね」
サーヤ「それで私、孤独感? みたいなの、感じてたから」
サーヤ「真剣に話聞いてもらった上に、 ここまでしてくれた時点でさ」
サーヤ「かなり救われてるんだよ」
サーヤ「だからね」
サーヤ「モナちゃんは、役立たずなんかじゃない」
モナ「っ」
モナ「でも──」
サーヤ「はい、この話終わり! あーもう、恥っず!」
モナ「う」
サーヤ「それでもまだ気が済まない、っていうならさ」
サーヤ「趣味の絵、ちゃんと見せてよ」
サーヤ「私も、かわいいものには 結構うるさいんだよ?」
モナ「は、はい、じゃあ──」
サーヤ「あ!」

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コメント

  • お話もイラストも声も、肩の力の抜け方が素敵!
    和みました♪

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