呪われ勇者

jloo(ジロー)

【第五話】天か地か(脚本)

呪われ勇者

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〇荒廃した街
天使ミア「私の、所為です」
勇者マーキス「どういう・・・・・・ことだ・・・・・・」
天使ミア「実は私、天界からの特使だったんです」
天使ミア「城に招待されて、王様と会合を行うはずでした」
天使ミア「でも、道に迷ってしまって・・・・・・気づいたら、足を滑らせて大穴に落ちていました」
勇者マーキス「特使が行方を眩ませたとなれば、天界は地上の人間を疑うだろうな」
天使ミア「はい、だから私の所為なんです」
勇者マーキス「これが、天罰と言うやつか」
天使ミア「私がうっかりしていなければ、こんなことには・・・・・・」
高橋 美穂「勇者・・・・・・ミアちゃんを、責めないであげて」
勇者マーキス「分かっているさ、これは誰の責任でもない」
勇者マーキス「だからこそ、心が痛いんだ」
天使ミア「勇者さん・・・・・・」
勇者マーキス「今度は、何だ」
高橋 美穂「あっちの方から、聞こえたよ! 行ってみよう」

〇荒廃した教会
街人「誰か、助けてください!!」
勇者マーキス「下がっていろ」
街人「貴方たちは・・・・・・」
高橋 美穂「どうすんのよ、あんた弱いんでしょ? 勝ち目は、あるの」
勇者マーキス「ある。勝機の芽は、ここに」
高橋 美穂「剣が、光りだした・・・・・・」
勇者マーキス「以前の教室では人も居た、剣を振るう広さも無かった」
勇者マーキス「だが、ここならば存分に力を振るうことが出来そうだ」
高橋 美穂「あんた、力を隠していたのね」
勇者マーキス「さあ、低級モンスターよ。狩りの時間だ」
  一閃。それ以上は、必要無かった。
  何故なら、既にモンスターの姿は粉々に散ってしまったのだから。
高橋 美穂「嘘・・・・・・想像以上だわ」
街人「勇者様!! 貴方は、勇者マーキス様でいらっしゃいますよね」
勇者マーキス「よく、分かったな」
街人「その太刀筋、見紛う筈もありません。貴方こそが、私の幼き日からの正義の象徴の光」
街人「どうか、貴方様の力でこの街を救ってください」
街人「・・・・・・どうか!!」
勇者マーキス「他の街人も、居るのだな。良かろう、我が剣が人々の助けになるのならば」

〇荒廃した街
  無尽蔵に湧き上がるのは、モンスターの群れ。
  だがその速度をはるかに凌駕する太刀筋は、瞬く間に街のモンスターを一掃したのだった。
勇者マーキス「これで、全部か」
高橋 美穂「ねえ、いつの間にかミアちゃんが居なくなっている」
勇者マーキス「何だって」
  先程まで、共に戦っていたはずのミアの姿が影も形も無い。
  周囲を見渡し、気づく。その、痕跡に。
勇者マーキス「地面に落ちている、石を辿るぞ。その先に、ミアが居る筈だ」
高橋 美穂「え、何で石?」
勇者マーキス「良いから、付いて来い」

〇戦場
  戦地から少し離れたところ、そこにミアは居た。
  傷だらけの羽が、痛々しい。彼女の周りには、多くの石が散乱していた。
高橋 美穂「ミア、一体何があったの!?」
  答えは無い。だがその静寂が尚更、直前まで響いていた筈の怒号を想像させる。
勇者マーキス「街人に、襲われたんだろう」
高橋 美穂「そんな・・・・・・!! 彼らは、ミアに守ってもらっていたはずでしょう? どうして」
勇者マーキス「だが、この街を襲ったのも天界に居る天使だ。その怒りの矛先が、ミアに向かうのも無理は無い」
高橋 美穂「そんな・・・・・・」
  憎しみは、終わらない。
  だが、それを断つのも勇者である俺の役目なのだろう。
  剣を強く握りしめ、俺は天を睨んだ。

次のエピソード:【第六話】しばしの別れ

コメント

  • ……良かった!勇者さん強かったぁ!😆💦
    とか、言ってる場合じゃない感じですね……!

    それにしても美穂ちゃん強い……(笑)。
    まさか、穴の先まで一緒に来てくれるとは……!

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