先生、死んでる場合じゃありません!

大河内 りさ

P14・お疲れさまです!(脚本)

先生、死んでる場合じゃありません!

大河内 りさ

今すぐ読む

先生、死んでる場合じゃありません!
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇異世界のオフィス
ユカリチャン「トーイ、次はドコを塗ったらイーい?」
刀威「指示がないから、しばらく待機だ」
ユカリチャン「トーイの原稿、手伝う!」
刀威「やめろっ、これはいい! お前は背景描けないだろう!」
刀威「リディア嬢が探しに行ったが・・・」
刀威「自ら戻って来るとは感心だ」
クロエ「おじいさん・・・」
「え?」
クロエ「おじいさんがいましたっ!」
ユカリチャン「おジィさん・・・?」
刀威「例の行商人、爺だったのか?」
クロエ「ではなくて、 おじいさんに似ていたんです!」
刀威「どこの爺さんだ」
リディア「大変ですわっ!」
リディア「って、クロエ! 戻っていらしたのね!」
クロエ「リア・・・」
リディア「聞きましたわよ! 人族の行商人、クロエの最推しにそっくりなのですって!?」
クロエ「最推し?」
リディア「いったいどんなお姿ですの? 描いてみてくださいませ!」
クロエ「え、ええと・・・」
クロエ「こんな感じ・・・です」
リディア「こっ、これは──」
刀威「サイン入りの直筆イラスト!!」
ユカリチャン「ドコ塗るー?」
刀威「待て、ユカリチャン! これは塗らなくていい!!」
リディア「こちらは額に入れて応接室に飾りましょう」
クロエ「だめですよっ!」
リディア「・・・たしかに、 人族の肖像を飾るのは違いますわね」
刀威「しかし、本当にこんな顔だったのか? 爺ではないではないか」
クロエ「おじいさんというのは、その・・・」
リディア「クロエの前世の旦那様のことですわね」
クロエ「ええ・・・」
刀威「行商人の顔が、元旦那に似ていたのか」
クロエ「はい。光太朗さんにそっくりの ハンサムな方で驚きました」
クロエ「艶やかな黒髪に知的な眼差し。 眼鏡もよくお似合いで・・・」
クロエ「格好良かったわぁ~」
刀威「お、おう。そうか・・・」
リディア「こんなクロエ、初めて見ました」
クロエ「さ、さあっ! 原稿の続きに取りかかりましょうっ!」
ユカリチャン「はーい!」
刀威「このページを確認してくれ──」
リディア(これはなかなか手強そうですわよ、 レイヴィダス様・・・!)

〇異世界のオフィス

〇城の廊下

〇魔王城の部屋
リディア「集まっていただいたのは 他でもありません!」
リディア「クロエとレイヴィダス様の 今後について作戦会議をするためです!!」
ストラスール「そんなことで夜中に呼び出すのではない」
リディア「そんなことではありませんわ、お父様!」
リディア「クロエがヒースリングとかいう人族の行商人に取られてしまったらどうなさるおつもり!?」
ストラスール「それはないだろう」
ストラスール「昔のご夫君に似ていたから 懐かしがっておられただけなのでは?」
刀威「それがそうでもなさそうでな」
ストラスール「どういうことです」
刀威「謁見の間から戻ってからのクロエ嬢は ずっと心ここにあらずという感じだった」
リディア「ヒースリングさん、 次はいつ来られるのかしら・・・」
リディア「──なんて言っていたのですよ!!」
刀威「このままでは原稿も落ちるぞ」
ストラスール「それはいけません」
ストラスール「3日後には入稿しなくては」
アルフォル「3日後にヒースに会わせるって言えば、クロエちゃん意地でも原稿仕上げんじゃね?」
リディア「それはレイヴィダス様が可哀想ではない?」
リディア「でもまぁ、背に腹は代えられませんわね」
ストラスール「やはり、レイヴィダス様は クロエ様のことを・・・?」
リディア「ええ。滝松黒江先生だから という理由だけではなく」
リディア「クロエそのものを好ましく 思っておいでのようですわ」
ストラスール「そうか・・・」
刀威「クロエ嬢がレイヴィダスのことをどう思っているかは分からないが、彼女はホムンクルスだろう?」
刀威「・・・大丈夫なのか?」
ストラスール「大丈夫とは?」
リディア「生殖機能のことですか?」
リディア「それならご安心くださいませ」
リディア「クロエの身体はエルフの肉体を使用して 創っているので子作りもでき──」
リディア「むぐっ」
ストラスール「口を慎みなさい」
ストラスール「刀威殿もリディアに 変なこと聞かないでください!!」
刀威「俺が言おうとしたのは 立場や身分のことだ!」
刀威「魔王の相手がホムンクルスでは、 貴族たちは納得するまい」
アルフォル「・・・ってかさー」
アルフォル「レイって婚約者いなかったっけ?」
「・・・あ"っ!!」

〇黒背景

〇異世界のオフィス
クロエ「終わっ・・・たー!!」
レイヴィダス「お疲れさまでした、先生!」
レイヴィダス「原稿、たしかにお預かりしました」
レイヴィダス「次も楽しみにしております!」
クロエ「脱稿したばかりで 言わないでくださいな」
レイヴィダス「ははっ」
レイヴィダス「それでは、失礼いたします」
レイヴィダス「このあと、 ヒースリングと会うんですよね?」
クロエ「ええ、ご挨拶させていただく予定です」
クロエ「本日いらっしゃると伺ったので、 急いで原稿を仕上げました!」
レイヴィダス「そ、う・・・ですか」
クロエ「レイさんはお会いにならないの?」
レイヴィダス「商談はストラスールに任せていますので」
レイヴィダス「・・・その」
クロエ「何でしょう?」
レイヴィダス「・・・っ」
レイヴィダス「いえ、何でもありません。 彼によろしくお伝えください」
レイヴィダス「それでは・・・」
クロエ「レイさん、どうしたのかしら・・・」
クロエ「いけない、早く着替えないと!」

〇黒背景

〇貴族の応接間
???「・・・・・・」
リディア「あらっ、もう来ていたのね。 ルミリエ!」
ルミリエ「呼び出しておいて待たせるなんて いい度胸ね」
ルミリエ「まぁいいわ」
ルミリエ「今日こそ、ユリ×シオかシオ×ユリか 決着をつけましょう!!」
リディア「今日は『わたアル』談義がしたくて 呼んだんじゃないの」
ルミリエ「えっ?」
リディア「あのね──」
リディア「レイヴィダス様との婚約、 解消してくださらない?」
ルミリエ「はああああっ!?」

次のエピソード:P15・聞いてません!

コメント

  • 久々のコメントです🩷
    このところ自分の長編コンテスト用の
    あの呪いがあると言う有名な陣中旗の本物写真と睨めっこしながら
    スチル作ってて夏至からずっと腹下/してたもんで(注、原因はウィスキーだったw)
    後回しになってすいません💦
    いやー面白かった🩷旦那の凄い似顔絵笑わせて頂きました🩷
    ユカリチャーン🩷💕また読みますね💕

  • おお…クリエーターキャラ!世界が広がる感じがします。
    オタクとしての意見はバチバチに合わないものの、リディアとはなんだかんだ仲良しのような気がしますね。
    けど攻撃力も魔力も強そう…レイの魔力に惹かれていたとすれば、彼女ひょっとしたら…。続きが楽しみです。

  • 新キャラにしてレイヴィダス様の婚約者であるルミリエさん、彼女もまた『わたアル』の愛好者でしたか……しかもリア寄りの楽しみ方を……。そんなリアさん、クロエさんの亡夫・光太朗さんを「最推し」呼ばわり、このワードチョイスってww
    クロエ先生のサイン入り直筆イラスト、最高です!

成分キーワード

ページTOPへ