前編(脚本)
〇謁見の間
王子「セレスティーヌ!!」
王子「おまえとの婚約は破棄させてもらう!!」
王子「私の隣にふさわしいのは彼女だ!!」
エリアーヌ「アレクったら・・・♡」
セレスティーヌ「・・・・・・」
このパターンはもう見飽きたよ・・・
どうせこっちが本物の聖女とか
言うんだろ・・・
・・・って見飽きた?
佐熊「・・・え?ここは?」
セレスティーヌ「気がついたみたいね」
佐熊「その声・・・ その顔・・・」
佐熊「雛田さん!?」
セレスティーヌ「ははっ」
セレスティーヌ「鏡を見て佐熊くん」
フェリシア「は・・・っ!?」
セレスティーヌ「君はフェリシアン公爵 私はセレスティーヌ嬢」
セレスティーヌ「私たち異世界転移しちゃったみたいね」
フェリシア「はぁ!?」
セレスティーヌ「さっき天の声が聞こえて来たの」
フェリシア「あぁ、うん・・・?」
天の声「元の世界に帰りたくば ここが何の世界か当ててみよ」
セレスティーヌ「てさ」
フェリシア「勝手なやつだな」
セレスティーヌ「でしょ? こんなとこさっさと脱出して帰ろう!」
セレスティーヌ「私、重要な話の途中だったのに」
フェリシア(そういえば・・・)
フェリシア(斉藤、雛田さんタイプだって言ってたな・・・)
フェリシア(告白されたのか・・・?)
フェリシア「・・・・・・」
フェリシア(正直嫌だが・・・)
フェリシア(雛田さんは早く告白の返事をしたいはず)
フェリシア(ここは友人なら協力するべきだよな・・・)
フェリシア「そうだな!帰ろう!!」
フェリシア「一緒に元の世界に戻ろうな!」
セレスティーヌ「フェリシア・・・」
フェリシア「案外、普通の『異世界アニメ』の 世界かも知れないしな」
セレスティーヌ「・・・違うみたいね」
セレスティーヌ「『普通』って曖昧よね」
セレスティーヌ「もっと具体的にしなきゃいけないのかもね」
フェリシア「例えば?」
セレスティーヌ「うーん・・・そうね 違和感を探すのよ」
フェリシア「違和感・・・」
フェリシア「何もないな・・・」
セレスティーヌ「いやあるでしょうよここに」
フェリシア「え?」
セレスティーヌ「あの人、どう見ても鳥頭の獣人にしか 見えないじゃない」
フェリシア「そうかな?」
セレスティーヌ「いい?ああいう人は化けるの」
セレスティーヌ「呪いがかけられて獣の姿になっているのよ」
セレスティーヌ「運命の相手と結ばれたらおそらく──」
フェリシア「都合良すぎだろ」
セレスティーヌ「この世界はイケメンしか メインキャラを張れないの!!」
フェリシア(なんかあやしいな・・・)
フェリシア(面白いし黙っててやるか)
〇謁見の間
フェリシア(少女漫画の世界だろうし)
エリアーヌ「あぁっ、ごめんなさい 私ったら」
エリアーヌ「お姉さまのドレスを汚してしまいましたわ」
セレスティーヌ「よくある 『舞踏会でのワイングラスぶっかけ』ね」
フェリシア「なんか言った?」
セレスティーヌ「いえ、何も」
セレスティーヌ(シミを作って恥をかかせるか)
セレスティーヌ(媚薬が入ってたりするのよね)
セレスティーヌ(こういうのは潔く バルコニーに捌けなくちゃ)
フェリシア「ちょっ・・・ セレス!!」
エリアーヌ「まぁ美しい殿方ですこと」
エリアーヌ「お姉さまよりエリアーヌとお話しましょ♡」
フェリシア「ええ!? いや俺は・・・」
フェリシア(『仲の悪すぎる姉妹』)
フェリシア(『やけに猫なで声の妹』)
フェリシア(分かってきたぞ)
フェリシア(なんだ簡単じゃないか)
王子様は金の髪
騎士は赤い髪
フェリシア(俺みたいな魔法使いは銀の髪)
フェリシア(間違いない)
今やってるアニメ
『異世界で悪役令嬢になりましたが塔の魔法使いとスローライフ送ります!』の世界だ!!
フェリシア(俺は見たことはないが・・・)
フェリシア(悪くないポジションだな)
フェリシア「もう少ししらばっくれるか」
〇洋館のバルコニー
フェリシア「そろそろダンスが始まるよ」
フェリシア「せっかくだから踊らない?」
「ええ、そうね」
セレスティーヌ「変・・・かな」
フェリシア「いや・・・そんなことは」
フェリシア(びっくりした・・・)
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こちらも凄く面白いですね!
異世界転生してキャラがあるあるを解説してくれる!
そしてその全てがわかる😂👍
天の声?が何者なのか、後半が気になりますね
せっかく異世界転生したのに、設定を冷ややかに見ている2人が面白いです。
この設定、楽しいですねー!
ベッタベタな異世界テンプレに対しチクチクとツッコミを入れながら、進んでいく2人の恋物語!絶妙ですね!