〇道場
レイ・トランクィリ「よし、こうだな！」
サティ・メソエル「そう！それで、強化したい部分を思い浮かべて！」
レイ・トランクィリ「よし！・・・・・・えっと・・・・・・」
レイ・トランクィリ（ダメだ・・・・・・腹減った）
　　グウウゥゥゥゥ〜!!!!
サティ・メソエル「わっ、な、なんの音!?」
レイ・トランクィリ「あたしの腹だ！いつもより食えそうな気がするぜ！」
サティ・メソエル「ああっ！床食べちゃだめだよ!!」
レイ・トランクィリ「いくらでも食える気がするぜ！」
レイ・トランクィリ「それに、今なら緑色のまずい奴も余裕で食えそうだ！」
レイ・トランクィリ「ありがとな!!」
サティ・メソエル「え、あ、うん・・・・・・」
レイ・トランクィリ「よし、あたしはゾンビ狩りに行ってくるぜ！」
サティ・メソエル「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
サティ・メソエル（ありがとうって・・・・・・言われた・・・・・・）
サティ・メソエル「えへ・・・・・・えへへ・・・・・・」
リアーナ・エーコ「あら、レイさんは？」
サティ・メソエル「え、あ、出掛けちゃいました・・・・・・！」
リアーナ・エーコ「はぁ、全く・・・・・・」

〇荒廃した街
ルモル・フローリー「はぁっ!!」
上位ゾンビ「ぐぁぁ・・・・・・!!」
ルモル・フローリー「っ・・・・・・!!」
ルモル・フローリー「このゾンビ・・・・手強い・・・・・・」
レイの子分「い、一旦引きやすか？」
サズ「いや・・・・・・それでは一般人に被害が・・・・・・」
ルモル・フローリー「私が増援を呼ぶ・・・・・・みんな手一杯かもしれないけど・・・・・・」
上位ゾンビ「グワァァァ!!!」
サズ「ぐっ・・・・・・!!」
ルモル・フローリー（このままじゃ増援を呼ぶ前に二人が・・・・）
ルモル・フローリー「私が引きつける！二人は体勢を立て直して！」
ルモル・フローリー「うぐっ・・・・・・!!」
ルモル・フローリー「かはっ・・・・・・」
上位ゾンビ「グワァァァ!!」
ルモル・フローリー（まずい・・・・・・噛まれっ・・・・・・）
サズ「がはっ・・・・・・」
レイの子分「サズ!!!」
サズ「早く・・・・・・あいつを・・・・・・！」
ルモル・フローリー「はあっ・・・・・・!!」
　　隙の出来たゾンビへ、無数の斬撃を放つ。
上位ゾンビ「ぐぁぁ・・・・・・！」
　　肉を大きく削がれ、回復しなければ不利と悟ったゾンビはこの場を離れていく。
ルモル・フローリー「ど、どうして・・・・・・」
ルモル・フローリー「私を庇って・・・・・・」
サズ「うぐっ・・・・・・っ・・・・・・」
レイの子分「サズ!!しっかりしろ!!」
サズ「何が・・・・・・が・・・・・・」
サズ「俺の・・・・・・中に・・・・・・」
　　サズの噛まれた首元が、腐り始めていた。
ルモル・フローリー「ま、まさか・・・・・・ゾンビに・・・・」
サズ「こ・・・・・・・殺してくれ・・・・」
ルモル・フローリー「そ・・・・・・そんなこと・・・・・・」
　　見る見るうちに、体の腐敗は進行していく。
サズ「ひと・・・・・・の・・・・・・まま・・・・・・」
サズ「しな・・・・せ・・・・て・・・・・・くれ・・・・・・」
ルモル・フローリー「な、何か手は・・・・・・」
ルモル・フローリー（彼の言う通り・・・・・・人のまま死なせるべき・・・・・・？）
ルモル・フローリー（でも・・・・・・なにか・・・・・・！）
ルモル・フローリー（そうだ・・・・治癒魔法なら・・・・・・）
サズ「ぐぁぁ・・・・・・」
ルモル・フローリー「もっと近ければ治せるはず・・・・・・」
　　ルモルは、サズの体に手を伸ばす。
レイの子分「危ねぇ!!!」
ルモル・フローリー「がはっ・・・・・・!!」
　　ルモルの脇腹は大きく切り裂かれ、鮮血が溢れ出す。
サズ「ぐぁぁ・・・・・・」
ルモル・フローリー「ぐっ・・・・・・」
ルモル・フローリー（た、立てない・・・・・・）
サズ「ぐあぁ・・・・・・!!」
　　サズの牙が、ルモルに迫る。
ルモル・フローリー「っ・・・・・・!!」
ルモル・フローリー（このままじゃ・・・・全滅・・・・・・）
サズ「ぐぁ・・・・・・!!」
レイの子分「お、おい!!」
ルモル・フローリー「っ・・・・・・ごめんなさい」
　　ルモルは、サズの首と腰を斬った。
サズ「ぐぁ・・・・・・」
　　サズは数秒間身をよじらせたのちに、完全に動きが止まった。
レイの子分「お・・・・お前・・・・・・」
レイの子分「サズを・・・・・・」
ルモル・フローリー「仕方なかったの、彼はもう助からなかった」
レイの子分「でもよ・・・・！」
ルモル・フローリー（これで正しかったの・・・・？）
ルモル・フローリー（これしか無かった・・・・・・）
ルモル・フローリー（こうしなければ二人共死んでた・・・・）
ルモル・フローリー（あの時だって・・・・・・）

〇霧の立ち込める森
　　騎士団入団試験、実技科目
ルモル・フローリー「ルクレア、行ける？」
ルクレア「うん！任せて！」
「はあぁぁっっ!!!」
河童「グワッ!!」
ルモル・フローリー（よし・・・・あと一息・・・・・・！）
ルモル・フローリー（コイツを倒せば・・・・騎士に・・・・!!）
河童「ガワァァッ!!」
　　一歩踏み込んだルモルに、河童が飛び掛かる。
ルクレア「あ、危ない!!」
ルモル・フローリー（よ、避け──）
ルクレア「うっ・・・・・・!!」
　　ルモルを庇ったルクレアの背中に、河童の爪が突き刺さる。
ルクレア「かはっ・・・・・・！」
ルモル・フローリー「ルクレア!!」
　　河童は、ルクレアを掴み自らの前に持ってくる。
河童「グワッッ!!」
ルクレア「っ・・・・・・!!」
ルモル・フローリー「人質・・・・・・まずい」
ルクレア「はっ!!」
ルクレア「うぐっっ!!」
ルモル・フローリー（早く何とかしないと・・・・・・）
ルモル・フローリー（どうにかしてルクレアを助ける・・・・？いや・・・・・・）
ルモル・フローリー（私のすべきことはこいつを倒すこと）
ルモル・フローリー「はぁっっ!!」
ルクレア「ひぃっっ!!!」
河童「グァァッッ!!」
ルクレア「がはっ・・・!!」
　　河童はルクレアに爪を突き立てたものの
　　その直後、力無く崩れ落ちた。
ルクレア「っ・・・・・・ぁ・・・・・・」
ルモル・フローリー「大丈夫？」
ルモル・フローリー「ルクレア・・・・・・？」
ルクレア「・・・・・・・・・・・・」