前科少女、冒険者になる

レモネード!

最終話 前科少女の最終決戦(脚本)

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〇空
レイ・トランクィリ「なんだこの服?」
リアーナ・エーコ「戦闘服ですわ〜」
リアーナ・エーコ「とても良くお似合いですわ!」
レイ・トランクィリ「はっ、そーかよ」
リアーナ・エーコ「今、騎士や軍隊はゾンビや魔物の対処に追われていますわ」
リアーナ・エーコ「それに、いざという時フィアデスにダメージを通せるよう、今は絶対に攻撃しない」
リアーナ・エーコ「レイさん一人で勝つ算段はありますの?」
レイ・トランクィリ「知るか、お前がやれっつったんだろうが」
レイ・トランクィリ「まあ心配すんな!あたしは喧嘩には負けたことがねーからな!」
リアーナ・エーコ「期待していますわ!」
レイ・トランクィリ(あたしが負けたら、ルモルもサティも死んじまうかもな・・・・・・)
リアーナ・エーコ「・・・・・・そろそろ着きますわ」
リアーナ・エーコ「ゾンビ化の霧は私が魔法で払いますわ」
リアーナ・エーコ「レイさん、頼みますわ」
レイ・トランクィリ「おうよ!!」
リアーナ・エーコ「フィアデス、私からの餞別ですわ〜」
  リアーナは、操縦席のスイッチを押した。

〇荒野
フィアデス「あの飛行物体は・・・・・・」
フィアデス「ぐおっ・・・・・・!!」

〇荒野
「ぐおっ・・・・・・!!」
レイ・トランクィリ「オラァァァッ!!!!」
フィアデス「ぐぁぁっっ!!」
リアーナ・エーコ「あとは任せましたわ〜」
レイ・トランクィリ「おうよ!」
レイ・トランクィリ「ったく・・・・・・想像以上にデケェな」
  レイは、見上げる程大きな怪物を睨みながら呟く。
フィアデス「何だ、貴様は・・・・・・!!」
レイ・トランクィリ「あたしはレイだ!!」
レイ・トランクィリ「っ・・・・・・!!」
フィアデス「貴様が今の勇者か・・・・・・」
レイ・トランクィリ「勇者?なんだそれ」
フィアデス「我は過去に二度・・・・・・忌々しき勇者の手により封印された」
フィアデス「だが・・・・・・誰も我を討伐するには至らなかった・・・・・・!」
レイ・トランクィリ「ならあたしが討伐してやるぜ!」
フィアデス「フハハ・・・・・・我は不死身、討伐など不可能なことよ」
フィアデス「グオッ・・・・・・!!」
レイ・トランクィリ「っ・・・・・・!!アッチィな!!」
レイ・トランクィリ「ぐっ・・・・・・!!!」
レイ・トランクィリ「おらっ!!!」
フィアデス「っ・・・・・・無駄なことよ」
  フィアデスの外傷は、みるみるうちに再生する。
フィアデス「貴様の打撃程度、すぐに回復出来る」
レイ・トランクィリ「はっ、そーかよ」
フィアデス「そうだ、故に──」
レイ・トランクィリ「だったら奥の手を見せてやるぜ!」
レイ・トランクィリ「喰らえーっっ!!!」
フィアデス「ぐああぁぁぁぁっっ!!!」
レイ・トランクィリ「よし!このまま───」

〇荒野
レイ・トランクィリ「ぐ・・・・・・ぁ・・・・・・」
レイ・トランクィリ「まだ・・・・・・あたしは・・・・・・!」
レイ・トランクィリ「がはっ・・・・・・!!!」
  レイは、力無く倒れ伏した。
フィアデス「はっ、口程にも無い勇者だ」
  フィアデスは、レイの背中を踏みつける。
レイ・トランクィリ「ぐっ・・・・・・!!」
フィアデス「我はかつて、愚かな人間共に封印された」
フィアデス「一度目は魔法使い、二度目は剣士」
フィアデス「人間共は戦法を変え続けることで、我と渡り合ってきた」
フィアデス「だが・・・・・・もう人間の策は尽きたようだな」
フィアデス「貴様程度の奴しかいないとは、失望したぞ」
レイ・トランクィリ「前の勇者とやらは・・・・どうやってお前に勝ったんだ・・・・・・?」
フィアデス「ほう、この状況を打開する為に我の弱点が知りたいのか」
レイ・トランクィリ「そんなんじゃねぇ・・・・・・」
レイ・トランクィリ「ただ・・・・・・あたしは喧嘩に負けたことが無かったからよ」
フィアデス「ふはは、自分がどれだけ自惚れていたか理解したということか」
レイ・トランクィリ「ちょっとちげぇな・・・・・・」
レイ・トランクィリ「自惚れしてたって思ったのは、捕まった時だ」
レイ・トランクィリ「会話なんかせずにぶちのめせば良かったって思ったぜ」
レイ・トランクィリ「会話ってのは・・・・・・最強の武器なんだって・・・・・・」
レイ・トランクィリ「初めて負けたって気づいたんだよ」
フィアデス「何の話──」
フィアデス「ぐっ・・・・・・!!」
レイ・トランクィリ「へっ、クセー肉だな」
レイ・トランクィリ「だけど力が湧いてくるぜ!」
フィアデス「き、貴様・・・・・・!!」
フィアデス「無駄な抵抗だ!すぐに我の体が貴様の中で暴れ出す!!」
レイ・トランクィリ「そうだろうな、だから対策してきたぜ」
  レイは自己強化魔法を使い、フィアデスの肉を一瞬で消化してみせた。
レイ・トランクィリ「これでいくらでも食えるぜ!」
レイ・トランクィリ「っ・・・・・・!!」
レイ・トランクィリ「効かねぇぜ」
  レイに付けられた傷は、みるみるうちに再生する。
レイ・トランクィリ「流石は不死の化物だぜ、この程度の傷なら一瞬だな!」
フィアデス「な、なにが・・・・・・」
レイ・トランクィリ「あたしはお前と戦うって知ってから、ずっと考えてたんだ」
レイ・トランクィリ「死なねぇ相手をどうやって倒すか」
  足を食べられたフィアデスはバランスを崩し、膝をつく。
フィアデス「なぜ・・・・・・・・・・・」
フィアデス「再生出来ない・・・・・・?」
レイ・トランクィリ「さあな、その足はもうあたしの肉体だからじゃねぇか?」
レイ・トランクィリ「不死だろうが全部食っちまえばいいっていうあたしの考えは正解だったな!」
フィアデス「調子に乗るなァァァ!!!」
フィアデス「ぜはっ・・・・・・ぜはっ・・・・・・」
レイ・トランクィリ「痛ってぇ・・・・・・けど」
レイ・トランクィリ「もうすぐ半分だな」
フィアデス「我が・・・・・・貴様の意識を乗っ取って・・・・・・」
レイ・トランクィリ「させるかよ」
レイ・トランクィリ「強え癖して、敵に食われてから意識を乗っ取るしか考えられねーような奴に乗っ取られてたまるかよ」
レイ・トランクィリ「そもそもメシに意識乗っ取られるバカがいるかって話だけどな!」
フィアデス「やめろォォォ!!!」
フィアデス「キィィィサァァァァマァァァァ!!!!」

〇荒野
リアーナ・エーコ「レイさん?生きてますのー?」
リアーナ・エーコ「レイさん・・・・・・?」
レイ・トランクィリ「やっと迎えか!」
リアーナ・エーコ「フィアデスはどうでしたの?」
レイ・トランクィリ「美味かったぜ!」
リアーナ・エーコ「美味かった・・・・・・?」
リアーナ・エーコ「食べましたの・・・・・・?」
レイ・トランクィリ「おうよ!」
リアーナ・エーコ「引きますわ・・・・・・」
リアーナ・エーコ「まあ倒したのなら良いですわ」
リアーナ・エーコ「それにしても・・・・・・」
リアーナ・エーコ「フィアデスの完全な討伐を成し遂げて下さるとは」
リアーナ・エーコ「素晴らしいですわ!流石は私の見込んだ冒険者!」
レイ・トランクィリ「褒めてくれるのは嬉しいけどよ、少しいいか?」
レイ・トランクィリ「フィアデスが前に封印されたのって何年前だ?」
リアーナ・エーコ「一度目が5000年前、二度目が2500年前ですわ〜」
レイ・トランクィリ「お前、なんでフィアデスのことそんなに知ってんだ?」
リアーナ・エーコ「・・・・・・・・・・・・」
リアーナ・エーコ「先祖の文献ですわ」
レイ・トランクィリ「ムショで習ったんだがよ、最古の文献は1000年前らしいぜ」
レイ・トランクィリ「それに、まるで見たことあるみてぇな──」
  リアーナは、レイの口元に人差し指を当てる。
リアーナ・エーコ「レイさんが知る必要は無いことですわ」
レイ・トランクィリ「そう言われると気になるな!」
リアーナ・エーコ「詮索したら減給しますわ〜」
レイ・トランクィリ「じゃー調べねーよ!大して興味もねーしな!」

〇ゆるやかな坂道
  一週間後・・・・・・。
レティシア・コーラル「平和だね〜」
サティ・メソエル「レイさんとレティシア達のおかげだね・・・・・・」
レティシア・コーラル「サティは怖がっちゃったもんね」
レティシア・コーラル「でも大丈夫だよ、弱い魔物から慣れていこう!」
サティ・メソエル「レティシア・・・・・・わたしね」
サティ・メソエル「冒険者やめることにしたんだ」
レティシア・コーラル「やめる?」
サティ・メソエル「うん、大学っていうのがあるらしくてね」
サティ・メソエル「そこに行って勉強しようかなって」
レティシア・コーラル「冒険者になった時の契約書、見てないの?」
レティシア・コーラル「一度冒険者になったら、勝手にやめられない契約だけど」
サティ・メソエル「うん、だからもう許可は貰ったよ」
サティ・メソエル「フィアデス討伐補助のおかげで、特例で認めてもらえることになったの」
サティ・メソエル「レイさんには助けられてばかりだね」
サティ・メソエル「レティシアはどうするの?冒険者を続けたい?」
レティシア・コーラル「私はどうしようかな、目的も無いし・・・・・・」
レティシア・コーラル「しばらくは冒険者を続けようかな、私が冒険者で助かる子もいるから」
サティ・メソエル「そっか・・・・・・勿体ない気がしちゃうな」
レティシア・コーラル「サティも、身の丈に合わないことは大変だと思うけど頑張ってね!」
サティ・メソエル「うん、頑張るね」

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コメント

  • 完結おつかれさまでした!
    最終決戦、まさかの戦い方に驚きと納得でした!自己強化魔法を消化機能のために用いるとは!
    人との関わりによる成長とバトルの両軸のこのお話、キレイなラストにニッコリしました!

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