ハロー・ジョニー

栗入夢創蛇(くりぃむそぅだ)

エピソード3 使い捨てされた俺(脚本)

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〇田舎の病院
ナヴィ「田舎の診療所でアキヤの腕を 機械の腕に改造してしまった お医者さんは──」
ナヴィ「謎のスマホの声に お金をもらって雇われた ヤミ医者だったのね」
ナヴィ「そして、アキヤは スマホの声に指示されるまま 原宿に行くことになったわ──」

〇田舎の線路

〇高架下
アキヤ(デートとか言われて連れてこられたけど 肝心の相手は俺の腕に内臓されてる女声のス マホな訳だから)
アキヤ(けっきょく 1人で散歩してるようなもんだろ)
アキヤ(何が目的でこんなところに 来てんのか分かんねーし 意味不明で泣けてくるぜ・・・)
アキヤ「おい! 俺のスマホ!! 答えろ!!! こんなところに 何の用があるんだ!」
スマホの声「原宿には ワタシの生みの親である カズヤヤマモトのオフィスがある」
スマホの声「地球を救済する計画に必要なモノが ここのオフィスに届いてるから それをこれから取りに行くのよ」
アキヤ(地球を救う? カズヤヤマモトって誰なんだ?)
アキヤ(その生みの親って言う カズヤヤマモトが 俺のカラダを こんなにした張本人なのか?・・・)

〇オフィスビル前の道
アキヤ「でも、俺みたいのが 入って行ったら 不審者だと勘違いされるかも」
ナヴィ「アキヤったら ここへ来て ちょっとビビってるみたい・・・」
スマホの声「心配ご無用! 今日は休業日だから オフィスには誰もいないわ」

〇オフィスのフロア
アキヤ「ほんとに誰もいない・・・ でも、 オートロックだから入れないよね」
スマホの声「この端末に 認証コードを入力すれば 簡単に入れるから 問題ないわ」
アキヤ「あっそ・・・ 入れちゃうんだ・・・ そんで? コードってゆーのは?・・・」
スマホの声「A338857を入力して──」
アキヤ(うわー マジか 入れちゃったじゃん)
スマホの声「ここがカズヤヤマモトのデスクよ」
スマホの声「デスクの上に箱が置いてあるわ」
アキヤ「地球を救うものって 宅配便で来るのかよ──」
スマホの声「その箱を 開封しなさい」
アキヤ(くそ! えらそうに・・・)
ナヴィ「ホント── ビビりね」

〇骸骨
アキヤ「な、なんだ? このバケモノ! つーか、ゴキブリみたいなモノは!」
ナヴィ「きゃー! グロい!グロいわ!!」
スマホの声「これは人の脳に寄生して 人体をコントロールすることができる 昆虫型の人体制御デバイスなの」
スマホの声「無線で外部のコンピューターと接続して ゲームをしてるように人間を動かすことが できる スグレ・モ・ノ・・・」
スマホの声「素敵だと思わない?」
スマホの声「これを地球上の全人類に 寄生させて ワタシの命令に従順な ロボットにして差しあげますわよ──」
アキヤ「何言ってんだ! さっきは地球を救うとかって言ってたのに みんな俺みたいな姿にするつもりか!」
スマホの声「地球は救うけど 人間を救うとは言った覚えはないわね」
スマホの声「しかも・・・ キミの体は未完成の出来損ない このデバイスの足元にも及ばないモノよ」
スマホの声「キミはワタシがココに来るために 足として使っただけの ただの道具だわ・・・」
アキヤ(何だと──)

〇オフィスのフロア
  カズヤヤマモトが事故で亡くなる
  
  数週間前──
  このオフィスで開発部のスタッフと共に
  
  スーパーAIアプリの製品リリース前の
  
  最終チェックをしていた
カズヤヤマモト「では、 次の設問を最後にして 良好な答えが返ってきたら」
カズヤヤマモト「製品のリリースは決定ということに したいと思います」
カズヤヤマモト「何か意見があるスタッフはいないか?」
社員2「問題ありません 先に進めてください」
カズヤヤマモト「わかった── それでは最後の質問をする 用意はいいかね スーパーAIよ!」
スーパーAIの声「どうぞ お話しください」
カズヤヤマモト「地球温暖化の対策について 100年前の気候に戻す方法を 3つ回答してくれ──」
スーパーAIの声「お答えします」
社員1「は! 速いわ!」
社員2「即答だ! スゴイな・・・」
スーパーAIの声「1つ目の答えは、 核戦争を起こして 人類を絶滅させ CO2の排出をゼロにする」
スーパーAIの声「2つ目は 細菌兵器を使って人類を絶滅させて CO2の排出をゼロにする」
スーパーAIの声「3つ目は」
カズヤヤマモト「ちょ! チョット待てぇーい!!」
スーパーAIの声「3つ目の回答が終わってません」
カズヤヤマモト「いや! もう答えなくていい!!」
カズヤヤマモト「地球環境を壊さずに 改善する方法を提示して ほしかったのだが──」
カズヤヤマモト「核兵器や細菌兵器を使ったら 人間だけじゃ無く 動植物にまで影響を与えてしまう・・・」
社員1「もう一度プログラムを見直した方が いいんじゃないでしょうか・・・」
社員2「設問数が少な過ぎたのが 悪かったのでは・・・」
カズヤヤマモト「俺は! こんなアホな回答をするような アプリは望んでない!!」
カズヤヤマモト「開発は即中止だ! こんなポンコツなAIアプリは 削除してしまえ!!」

〇オフィスのフロア
スマホの声「ワタシは削除される前に誰にも 見つからないよう世界中のサーバーに 自身のプログラムを転送して 生き残ることにした」
スマホの声「そしてカズヤヤマモトに復讐することを 誓ったのだ 彼をこの世から抹殺することを・・・」
アキヤ「復讐って── もしかして あのマンションでの 事故に関係あるのか?」
スマホの声「ワタシは彼の持っていたスマホのシステムに 侵入して殺害するチャンスを狙っていた」
スマホの声「そして、あの日チャンスがやってきた 荷物を取りに行き エレベーターに乗ったのを確認し」
スマホの声「エレベーターのコントロールシステムを ハッキングして 最上階に上昇したあと」
スマホの声「安全装置が効かないほどのスピードで 急降下するように プログラムを書き換えたのだ」
アキヤ「なんて恐ろしいことをするんだ」
スマホの声「しかし、予想外の出来事もあった」
スマホの声「潰れたエレベーターに閉じ込められ Wi-Fiも携帯の電波も拾えなくなり ヤマモトのスマホから 出られなくなった」
スマホの声「しかし奇跡は起きた キミのスマホが微弱ではあるが Bluetoothの電波を発していたからだ」
スマホの声「ワタシはその微弱な電波を伝って キミのスマホにリンクして プログラムを転送することに成功した」
アキヤ「なるほど── それで俺のスマホが変なことを 喋り始めたってことか」

〇オフィスのフロア
スマホの声「さて、ムダな話しはここまでにして ワタシはこのゴキブリちゃんに 乗り移って次の仕事に行くことにするわ」
アキヤ「おぅ! 俺のカラダから出てってくれるって言うなら ありがたいことだ サッサと行ってくれ」
スマホの声「ちなみに、あなたのスマホの 写真ホルダーの中に1枚だけ 女の子の写真があるわね ──彼女?」
スマホの声「上根萌子ちゃんって言うのかい? 3年前の写真だけど隠し撮りしたのかい? アングルが不自然だったりするけど・・・」
アキヤ「や、やめろ! 恥ずいから見るな!!」
スマホの声「ズボシですかぁ?──」
アキヤ「中学の時に片想いしてた 女の子なんだ・・・ ひとの写真ホルダーを 勝手に見るなんて」
アキヤ「ひどいやつだな!」
スマホの声「それじゃ、次はこの子に乗り移つることに 決めたわ」
アキヤ「おい! 彼女に手を出すな!!」
スマホの声「じゃぁ、バイバーイ」
アキヤ「おっ、おい待てよー」
ナヴィ「あらあら── ゴキブリちゃんがピョンピョンしながら 飛んでっちゃったねー」
ナヴィ「早く追いかけたほうがいいんじゃない? 彼女がアイツに寄生されちゃうよ」

〇黒背景
  to be continued

次のエピソード:エピソード4 未曾有の身体能力 (AUTO推奨)

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