悪魔のアリス

YO-SUKE

第9話 『潜伏する狼』(脚本)

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〇警察署の入口
阿部美香子「スタジオの皆さん、こちらが噂の三子玉警察署です」
阿部美香子「留置所内の殺人という前代未聞の事態が起こってしまいました」
阿部美香子「果たして今話題の狼おじさんとの関連はあるのでしょうか」

〇警察署の廊下
犬伏徹「すみません。マスコミ規制をお願いします!」
犬伏徹「そっちに一人応援を送るので」
佐川アリス「何があった!?」
犬伏徹「留置所の津田沼が死にました」
佐川アリス「まさか昨日の傷が」
犬伏徹「いえアリスさんのせいではありません」
犬伏徹「毒殺です。食事に盛られたようです」
佐川アリス「毒殺!?」
犬伏徹「本庁の捜査員たちは我々所轄を疑っています」
犬伏徹「留置所の食事に毒を盛ることなど、外部の人間にはできやしないと」
佐川アリス「あたしらは全員、容疑者扱いってことか」
犬伏徹「僕も先ほど、散々事情聴取を受けました」
犬伏徹「言いにくいですが、おそらくアリスさんは・・・」
佐川アリス「わかってる」
佐川アリス「あたしが本庁の人間でも、真っ先にあたしを疑うだろうよ」
新井和樹「佐川アリスさん。次はあんたの番だと」

〇大会議室
刑事「ふざけんじゃねえぞ!」
佐川アリス「何か問題でも?」
刑事「お前は昨日、直接被害者に接触してるんだぞ?」
刑事「車の中で寝てただ? そんな言い訳通用するか!?」
佐川アリス「言い訳ではありません。事実です」
刑事「・・・!」
武田静香「やめなさい!」
武田静香「佐川アリスさん。 昨晩、あなたは津田沼と接触した」
武田静香「のみならず、馬乗りになって何度も殴打した」
武田静香「言っている意味、わかるわよね?」
佐川アリス「はい」
武田静香「もちろん、DVの被害者である妻を守るためだったんでしょうけど、それにしても行き過ぎた行動だったことは認めるのよね?」
佐川アリス「・・・はい」
武田静香「つまりあなたの昨晩の行動は、津田沼への殺害動機を証明しているようなものじゃないかしら?」
佐川アリス「あれは衝動的に──」
武田静香「おまけに、あなたは昨晩署内で一夜を過ごした」
武田静香「つまり犯行のチャンスはいくらでもあった。 違う?」
佐川アリス「・・・・・・」
武田静香「山小屋でのシリアルキラーとの接触といい、どうしてあなたの周りでばかり、こういうことが起こるのかしら」
佐川アリス「私は・・・やっていません」
武田静香「だったら証明して。 自分がやっていないってことを」
佐川アリス「・・・・・・」
武田静香「・・・ともかくあなたには今回の捜査から外れてもらう」
佐川アリス「ちょっと待ってください!」
武田静香「それと24時間体制で監視をつけさせてもらうから」
佐川アリス「津田沼を殺した相手は、例の狼おじさんかもしれないんです」
武田静香「今回は先の二つのように左腕が斬り取られていないじゃない?」
佐川アリス「それは・・・」
武田静香「狼おじさんとの関連は薄い、それが現状の我々の判断よ」
佐川アリス「ですが──」
武田静香「いい加減にしなさい」
武田静香「逮捕されないだけでも、ありがたく思うべきよ」
佐川アリス「・・・!」

〇警察署の食堂
亀井綾子「お疲れ様ですっ」
佐川アリス「おつかれ」
亀井綾子「まだいるんですかー、あいつ。 新井刑事でしたっけ?」
  少し離れた場所で、新井が怖い目をしてアリスを観察していた。
佐川アリス「監視されてんだからずっと一緒だよ」
亀井綾子「アリスさんのこと好きだったりして」

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