三択ロース(脚本)
〇宇宙空間
ホッホッホッ〜!
メリークリスマース!
〇女の子の一人部屋
・・・
カナ「・・・」
カナ「今年はいい子にしすぎたからサンタさんが3人も来ちゃったのね」
カナ「──ってそんなわけないでしょ!」
カナ「誰が本物のサンタさんなの??」
サンタA「そりゃあもちろん俺だよ!」
サンタB「いいえ、わたしが本物のサンタクロースです」
サンタC「わしがホンモノやいうとんねん!」
サンタA「いや、お前は違うだろ!関西弁のサンタがどこにいるんだよ!」
サンタB「ええ、あなただけはないですね」
サンタC「別にサンタが関西弁しゃべってもええやないか!」
カナ(うーん、どうしたら本物がわかるんだろう?)
サンタA「そんでお前酒臭いな!」
サンタC「そらサンタだって酒くらい飲むやろ」
サンタA「嫌だろ、酔っ払いサンタって。子どもの夢壊すなよ」
サンタC「酒飲んでソリ乗ったら夜風が気持ちええで〜」
サンタB「『道路交通法第2条第1項第11号』により、トナカイは軽車両となるのでそれはれっきとした飲酒運転になります」
サンタA「いや、詳しいな。法学部出身か」
カナ「わかったわ!プレゼント! 本物のサンタさんならプレゼント持ってるでしょ?」
サンタA「もちろんだよカナちん!はい、どうぞ!」
カナ「わぁ、ありがとう!」
カナ「・・・あれ、ちょっと待って」
カナ「いま「カナちん」って呼んだ?」
サンタA「はっ、しまった!」
カナ「さてはあなたは──」
カナ「やっぱり!パパだ!」
パパ「バレちゃったか・・・」
カナ「よし、これで2択に絞られたわね」
パパ「切り替えはやっ」
パパ(実質パパが本物のサンタクロースなんだけどな・・・)
パパ(でもカナちんはサンタさんが本当にいると思ってるし・・・)
パパ(て言うかマジでこの2人誰なんだ・・・?)
カナ「はい、じゃあ次は真ん中のサンタさん。 プレゼントをちょうだい!」
サンタB「うーん、そうですねぇ・・・」
パパ(なんだこいつ、あやしいぞ?)
パパ「おいっ!その袋を見せてみろ!」
サンタB「あっ」
パパ「これは・・・?」
サンタB「わたしは・・・」
パパ「・・・誰?」
ハジメ「泥棒です」
パパ「泥棒かよ!一番そういうのやらなそうな雰囲気出してたじゃん」
パパ「法律詳しいのとかなんだったんだよ」
ハジメ「自分が捕まったときにどれくらいの罪になるかわかるよう、一通りの法律は学んでいます」
パパ「なんだそれ。頭いいのか悪いのかわかんないな」
ハジメ「一応、弁護士の資格も取りました」
パパ「頼むからその頭脳を別のところに活かしてくれ」
カナ「じゃああなたは逮捕ってことでいいわね」
パパ「カナちんも冷静すぎ」
カナ「残ったのは、関西弁のサンタさん?」
サンタC「・・・」
パパ「寝てんじゃねぇか!」
パパ「ん?これはなんだ?」
パパ「三田大学の学生証?こいつ大学生か!」
パパ「どうやら悪酔いして人の家に入ってきちゃったみたいだな」
ハジメ「刑法第130条住居侵入罪ですね」
パパ「うるせぇわ。お前もだよ」
カナ「3人とも違ったってこと?」
カナ「え〜、じゃあ本物のサンタさんは〜?」
〇宇宙空間
──シャンシャンシャンシャン
ホッホッホッ〜!
メリークリスマース!
サンタD「さぁ、次はどこのお家に行こうかの」
サンタD「おや?あそこのお家はサンタクロースが3人も行っているじゃないか」
サンタD「それならわしは行かなくてよさそうじゃな」
サンタD「しかしどういうことじゃろうか?」
サンタD「今年いい子にし過ぎたのかのぅ?」
最後のオチで「サンタさ〜んきてあげて〜」と叫びたくなりました。それにしてもサンタさんが偶然3人もやってきて、ずっと忘れられそうにない不思議な想い出の残るクリスマスにはなったのではないでしょうか。
誰が本物なんだろうと思いつつ読み進めたら……。
最後の最後に出てきたw
お父さんはともかく……。
2人の偽物は本物のサンタクロースに謝りなさいw
オチが!クスッと笑ってしまいました(^^)
面白かったです!