発電所編パート7(脚本)
〇水中
〇コックピット
橘宏美「・・・こちらリクガニ一号。湖底に到着」
橘宏美「浸水なし、装甲の軋みなし、いたって正常です。どうぞ」
〇廃墟の倉庫
葛城乙葉「こちら地上こちら地上 通信、しっかり届いております」
ボブ「ダム湖内の図面も見つけました。今から現在地を互いに確認しつつ、タービンの場所を目指しましょう」
ボブ「南に・・・正面に進んでください、その先にタービンがあります」
橘宏美「了解了解!!」
〇水中
〇コックピット
橘宏美「ダム湖だからもっと濁ってると思ったけど、意外に綺麗だな・・・」
ボブ「このダム自体、作られてからあまり経ってませんからね」
橘宏美「まあ・・・濁ってないってワケじゃないですけどね、あまり遠くは見えませんし」
橘宏美「どの道、二人のオペレートが頼りってワケ・・・」
〇水中
〇コックピット
橘宏美「・・・・・・!!」
橘宏美「い、今端で何か動いたような・・・」
葛城乙葉「た、多分魚だと思います・・・」
橘宏美「魚?ダム湖に?」
葛城乙葉「釣り人か何かが、ここを釣りスポットにするために持ち込んだんでしょう・・・」
橘宏美「令和の時代に、身勝手な事するやつもいたもんだ・・・」
橘宏美「というか、ダム湖なんかで魚が生きていけるのか?」
ボブ「放置されてた期間に発生した虫なんかを食べてるんでしょう、山の中だからいくらでも沸きますし」
橘宏美「なるほど・・・」
橘宏美(・・・いや、俺が見たのは釣り人が狙うような魚とは・・・)
橘宏美(ブラックバスとかその辺よりはずっと大きく見えたような・・・・・)
橘宏美(・・・・・・・まあいいや、気の所為だろ)
〇水中
〇コックピット
橘宏美「よし、タービン発見!!これからどうしたらいいんだ?」
葛城乙葉「い、今から操作指示を出しますので、リクガニを使って詰まっている物を掻き出してください」
橘宏美「了解了か・・・」
橘宏美「・・・・・・!!!!」
葛城乙葉「・・・・・・・・・? どうしました?橘さん」
橘宏美「い、今カメラを向ける!!これ、これ見てくれ!!」
〇廃墟の倉庫
葛城乙葉「何って、タービン・・・」
葛城乙葉「・・・・・・・・・!!!!」
ボブ「これは・・・!!?」
〇骸骨
〇コックピット
橘宏美「・・・・・・・・・」
橘宏美「・・・・・・骨、だよね・・・」
橘宏美「人間の・・・・・・」
〇水中
〇コックピット
橘宏美「ぐおっ!?」
葛城乙葉「た、橘さん!?どうしたんですか!?橘さん!!」
橘宏美「く、組み付かれた!?これは・・・ッ!!」
ボブ「組み付かれたって何にです!?水中でしょう!!」
橘宏美「わかんないよ!!でも・・・!!」
橘宏美「離れろぉっ!!!!」
〇水中
〇廃墟の倉庫
葛城乙葉「こ、これって・・・サメ!?」
ボブ「なんて大きさだ・・・6m、いや、もっとあるか」
モブ「で、でもなんでダム湖にサメがいるんだ!?」
ボブ(・・・・・・私にはわかる)
ボブ(恐らくこいつも、ゾンビの研究で生まれた物の一つだ・・・!!)
〇コックピット
橘宏美「ゾンビの次は巨大サメって、ア○バトロスもびっくりだなこりゃ・・・!!」
橘宏美「そして噛み付いてきたって事は・・・殺る気だよなあ!?」
〇水中
〇コックピット
橘宏美「が・・・ッ!?」
〇水中
〇コックピット
橘宏美(拘束から逃げられた・・・!! 今度は、助走をつけて体当たりでもするつもりか)
橘宏美(リクガニの装甲なら耐えられるだろうが、このままじゃジリ貧だぞ・・・!!)
橘宏美「か、葛城さん!!お、応答願うっ・・・!!」
葛城乙葉「は──ザザッ──葛城、はい、──聞こえてます!!」
橘宏美(さっきの体当たりで通信機がやられたか?くそっ・・・!!)
橘宏美「リクガニ一号に何か武器は無いのか!?パンチだけじゃダメだ!!」
橘宏美「何か、何か決め手になりそうな・・・!!」
葛城乙葉「そ──それは・・・」
橘宏美(そらあるわけないよなぁ・・・所詮は作業機械だし・・・)
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