とある王国の異世界難民問題

ぽんたろう

第10話『初めての同人誌』(脚本)

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〇美しい草原
ジュノ・アリアス「みんな、上手いじゃないか」
北川「ありがとうございます!」
ジュノ・アリアス「だいぶ、剣を持つ姿が様になったと思うよ」
ジュノ・アリアス「じゃあ、他の人たちを見てくるから 鍛錬は続けてくれるかな」
「はい!」
いのうえ「ジュノさん、優しいな」
北川「ユーリさんは厳しいからな」

〇屋敷の牢屋
岩本「うおおおおおおお」
岩本「ペンが止まらねええ」
佐々木「岩本さんがもう丸3日 筆を走らせてる!」
石井「まさか岩本さんが SNSでイラスト投稿していたなんて 思いませんでしたよ」
石井「そう言う僕も特技はイラストですけど」
佐々木「実は俺も少しぐらいなら 絵心あるつもりなんだ」
岩本「僕、絵が好きで子供の頃から ずっと描いてたんだよ」
岩本「無職になったあともSNSで 少しだけ食い繋いでたんだ」
佐々木「凄いですね!」
岩本「それだけが誇りさ」
岩本「それで夢は同人誌を出すことだったんだよ」
岩本「まさか異世界で 夢が叶うなんて思わなかった」

〇荒廃した街
ユーリ・エルファール「あいつら、ここに来て1番輝いてるな」
シャルティア・グレーシア「場所が場所だから 反省文書かされてるように 見えるのが気の毒」

〇屋敷の牢屋
岩本「ついに」
石井「ついに」
佐々木「ついに」
「出来た!」
岩本「ありがとう!佐々木君!石井君!」
石井「こちらこそ」
佐々木「感慨深いですね」
岩本「社会から拒絶されたと思ってたのに」
石井「この世界は日本と 関係ないですからね」
佐々木「ある意味、人生リセットできるわけですね」
岩本「今日から僕たちの人生の再スタートだね」
「はい!」

〇英国風の部屋
ユーリ・エルファール「えっ? ついに完成した?」
岩本「みんなと三日三晩寝ずに 作り上げました」
佐々木「自信作です」
ユーリ・エルファール「ほう」
ユーリ・エルファール「では、その『どーじんし』を 見せてもらおうか」
岩本「どうぞ」
ユーリ・エルファール「何だこの見るからに不安な表紙は」
佐々木「とりあえず一読を」
ユーリ・エルファール「・・・・・・」
ユーリ・エルファール「これはいい!」
ユーリ・エルファール「まるで、小説と挿絵を 融合させたような作品じゃないか!」
ユーリ・エルファール「何なんだ!この躍動感と演出は!」
ユーリ・エルファール「読みやすいぞ!」
ユーリ・エルファール「最初は春画と勘違いしていたが 見れば男女の日常を描いた恋愛劇!」
岩本「面白いですか?」
ユーリ・エルファール「ああ、これが向こうの恋愛なのか」
ユーリ・エルファール「文化や言葉はよく分からんが 面白いのはわかった」
佐々木「そうです」
佐々木「これが日本の文化 『マンガ』です」
佐々木「マンガに国境いや異世界なんて 関係ないんです!」
ユーリ・エルファール「そうだな」
ユーリ・エルファール「これはこの世界でも売れるぞ!」
岩本「やったね!佐々木くん!」
佐々木「はい!岩本さん! こんな嬉しいのは人生で初めてですよ!」
ユーリ・エルファール「お前ら、あんだけ女の子苦手だったのに よくこんな話しかけたな!」
佐々木「岩本さん!!」
佐々木「何てことを言ったんですか!」
ユーリ・エルファール「いや、気になったからさ」
ユーリ・エルファール「だって、恋人いないと こんな話書けないだろ?」
ユーリ・エルファール「どうした!?2人とも!?」
石井「これは何事ですか!?」
ユーリ・エルファール「褒めたつもりだったんだが 何か知らんが気絶した」
石井「大方の予想はつきます」
石井「おそらく我々の琴線に触れることを 言ったんでしょう」
ユーリ・エルファール「だって、こんな恋愛ものなんて 経験がないから描けないだろ?」
石井「我々にそんな経験があるわけないでしょ!」
ユーリ・エルファール「あ、だから、学校内の描写だけで デートの描写とかなかったのか?」
石井「くうぅ、何とか耐えて見せましたよ」
石井「毎回なかなかの攻撃力だ」
ユーリ・エルファール「本当にお前らめんどくせえのは 変わらないんだな」
ユーリ・エルファール「とりあえず、この本は印刷するぞ」

〇兵舎
ジュノ・アリアス「シャル、この前の話は考えてくれたかい?」
シャルティア・グレーシア「だから、私はユーリと婚約してるの」
ジュノ・アリアス「それは正式なものじゃないだろ?」
ジュノ・アリアス「シャルが勝手に言っているだけだ」
シャルティア・グレーシア「そうだけど」
シャルティア・グレーシア「でも、お父様も認めてくださってる」
ジュノ・アリアス「それもただの口約束だ」
ジュノ・アリアス「私と婚約した方が 陛下も喜ばれるはずだ」
ジュノ・アリアス「それに名門騎士の家系と王族が婚姻すれば 国民も祝福してくれるだろ?」
シャルティア・グレーシア「そういうところだよ」
ジュノ・アリアス「えっ?」
シャルティア・グレーシア「ジュノ、あなたは良い人だって 幼馴染みだからよく知ってる」
シャルティア・グレーシア「でもね、ユーリと違って 欠けてるものがあるの」
ジュノ・アリアス「それは?」
シャルティア・グレーシア「自分で気付かないとダメだよ」
シャルティア・グレーシア「晩御飯作らないと」
シャルティア・グレーシア「またね」
ジュノ・アリアス「捨て子から騎士に成り上がった男と 俺にないものって何だ」

次のエピソード:第11話『多難』

コメント

  • まぢで琴線に触れて死ぬところがwwwめちゃくちゃ大爆発でwww私タップノベルやっててお腹抱えて笑ったの初めてですね

  • 遂に同人誌が完成!新たなるカルチャーがグレーシア王国に……春画はあったのですねww
    ユーリさんの無自覚の連続攻撃、私もその場に居たら岩本さんと一緒に倒れてますね←

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