囚われハッカーちゃん

東龍ほフク

2:フリフリとマニキュア(脚本)

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〇汚い一人部屋
  ──別日。
岡田(・・・)
岡田(3時間掃除して、やっとまだ マシな方になった・・・)
岡田「・・・」
岡田(生まれた頃から、こんな 劣悪な環境の子・・・か)
???「・・・おい!!」
若菜「クソが!!!!!!!!!」
若菜「なんだ!このヒラヒラはぁ!!!! 人が風呂入ってる間に いつものジャージはどこやりやがった!!!!」
岡田「・・・あぁ」
岡田「あの汚いジャージなら洗濯に出しましたよ」
岡田「・・・で、先日またも復元に成功した 君のPCの検索履歴を見てみたら」
岡田「・・・割と少女趣味のホームページの 閲覧履歴があって」
岡田「そこでやたら眺めていた 『白いワンピース』のプレゼントをば」
若菜「おめぇええ!!!! いい加減にしろよ!!!!!」
若菜「このアタシが削除したものを、 そう何度も復元しやがって・・・!」
若菜「・・・今まで、どんなヤリ手の研究員も ギブアップさせてきたのに・・・」
岡田「しかも、今回はたった15時間で復元しました」
岡田「褒めてください」
若菜「お前、自分の仕事しろよ!」
若菜「アタシは、こういうのを見て テヘデヘヌヘヌヘ愛でるのが好きなだけで あって・・・」
若菜「自分が着たいとか、そういうんじゃねぇんだよ」
岡田「いやいや、いつものデロデロジャージ姿よか いいと思いますよ」
岡田「素材はいいはずなのに勿体ない」
岡田「あとは、風呂にもっと入ってガニ股直して髪もうちょっと整えて眉間のシワをやめて・・・」
若菜「アタシ、全然駄目じゃねぇか・・・」
若菜「・・・知ったアタシの情報は何だ? パパにでもチクるのかよ、クソが!」
岡田「別にそんな事しませんよ」
岡田「君の検索履歴が見たいのは ただの好奇心ですよ」
若菜「・・・」
若菜「きんめぇ」
若菜「っつーか、まだひと仕事残ってんだよ。 失せろや」
若菜「滞在時間が長いぞ、てめぇ・・・」
岡田「あ」
岡田「爪を噛むの、よろしくないと思うよ」
若菜「腕を離せよ、クソが」
岡田「こんな爪じゃ痒いところを掻く時、 ガリッて痛いよ」
若菜「別に痛くねぇよ」
岡田「「ガリッ」って痛くない人間はいない」
若菜((変なところでムキになるなコイツ・・・))
岡田「そうだ」

〇黒
岡田「大人しくしててよ」
  ・・・・・・

〇汚い一人部屋
若菜「・・・」
岡田「ふ・・・ こんなキレイにデコられた爪は さすがに噛めないだろう・・・」
岡田「噛むな!!!!!」
若菜「こんっな、デコられてゴテゴテ重い爪で タイピングしろってかクソが!!!!!!」
若菜「ちょっと大人しく見とれてたら このザマかよ何しやがる・・・!」
岡田「確かに、若干重くてタイピングしづらい・・・」
岡田「君の業務に影響が出るかもしれない・・・」
若菜「全くだ、カス!!!!!」
岡田「でも・・・気分上がるでしょう?」
岡田「声色の若干の高音化、頬の紅潮・・・」
岡田「嬉しくなかったとは言わせないよ」
若菜「・・・」
若菜「・・・っつかお前・・・」
若菜「滞在時間ヤバくねぇ・・・?」
岡田「・・・」
岡田「・・・死んだ顔の同僚や無言の記号の羅列は 僕の足を動かすほどの魅力はない・・・」
若菜「妙に難解に言ってっけど、要するに サボりてぇって事か?」
若菜「帰れよクソが」

〇汚い一人部屋
若菜「・・・」
若菜「爪が重い・・・」
若菜「爪に色なんか不要じゃボケェ・・・ 目がチラつく・・・」

〇汚い一人部屋
岡田「・・・でも・・・」
岡田「気分、上がるでしょう?」

〇汚い一人部屋
若菜「・・・」

次のエピソード:3:誘い

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