断罪対象である妹を助けたら百合と薔薇が咲いたっぽい

隍沸喰(隍沸かゆ/おかゆ喰)

21話 曖昧な心当たり(脚本)

断罪対象である妹を助けたら百合と薔薇が咲いたっぽい

隍沸喰(隍沸かゆ/おかゆ喰)

今すぐ読む

断罪対象である妹を助けたら百合と薔薇が咲いたっぽい
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇要塞の回廊
フィガロ・パズテカ「終わったぞ。起きろ」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「うう・・・」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン(痛みには慣れてると思ってたけど・・・想像以上に苦しかった ぞわぞわとした気持ち悪い感覚がずっと体から抜けなくて──)
ルゥラッハ・オル・レバノスタン(今までそんなモノが俺の中にあったと考えたらゾッとする)
フィガロ・パズテカ「伝えておきたいことがある」
フィガロ・パズテカ「”神の心錠”の量に対して、”神杭”の量が以上に多かった 引き抜いている最中に調べてみたら、半分は新しく刺されたモノだった」
フィガロ・パズテカ「・・・心当たりは?」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「ん〜・・・ないな」
フィガロ・パズテカ「あれほどの力を”神の使い”は持たない お前に新しい神杭を刺した者は”神の子孫”だ」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「もしかして・・・」
フィガロ・パズテカ「心当たりがあったか?」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「あるかもしれない でも、確認のしようがない」
フィガロ・パズテカ「名前はわかるか? ”神の子孫”が我々の国以外にいる理由は、知ってるだろう?」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「・・・うん」
フィガロ・パズテカ「お前の言う通りだったな」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「え?」
フィガロ・パズテカ「例え、汚れたとしても、”神聖な力”を失ってはいない」
フィガロ・パズテカ「あれほどの穢れを浴びた俺も、力を失うことはなかった」
フィガロ・パズテカ「泣いてやることはまだできないが、お前のことを、少し理解できた気がする」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「そっか」
フィガロ・パズテカ「・・・俺は追放した者の名前を全て覚えている だから、確かめさせてくれ」
フィガロ・パズテカ「誰がこんなことをしたのか」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「俺は・・・アシュトゥロプ・エルナと言う女性じゃないかって、思うんだけど」
フィガロ・パズテカ「アシュトゥロプ・エルナ・・・405年前に追放した子どもの名前だ」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「そうか。じゃあやっぱりあの人が──」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「・・・・・・」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「・・・・・・」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「よん・・・ひゃく?」
フィガロ・パズテカ「テツナから聞いていないのか? 我々は神の子孫、他の国の人間と比べると長命だ」
  そ、そんなの聞いたことないぃい!!
ルゥラッハ・オル・レバノスタン(漫画は”悪役令嬢の転生後”から始まるから、悪役令嬢転生前の原作漫画の設定は詳しく語られることはなかった)
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「あ、あなたは一体何歳なんですか?」
フィガロ・パズテカ「俺が生まれてからあと少しで1000年が経つ」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「せ、せん・・・?」
  おとぎ話でも聞かされてるのか!?
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「あ、あれ? ってことはテツナさんも?」
フィガロ・パズテカ「あいつはこの間成人したばかりだ 去年100歳の誕生祭と成人の儀式を行った」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「成人・・・ってことは俺より年下?」
フィガロ・パズテカ「他国の人間の年齢で言うなら、あいつは今”24歳”だ」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「年上・・・なのか 計算の仕方がわかんない」
フィガロ・パズテカ「500年生きたら30歳、1000年生きたら35歳くらいだな」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「1500歳生きたら40歳?」
フィガロ・パズテカ「3000年生きたら40歳だ」
  急に飛ぶじゃんわかんねええええ・・・──!!
フィガロ・パズテカ「それぞれの見た目の成長による、今のは平均だ」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「不老だってことはわかった」
フィガロ・パズテカ「歳は取るが、老いはしないか」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン(今、笑った)
フィガロ・パズテカ「長く生きた者ほど、力の扱い方をわかっている」
フィガロ・パズテカ「アシュトゥロプ・エルナが、間違った力の使い方をしたのは、俺たちのせいかもしれないな」
フィガロ・パズテカ「長い間我々は、一族の者を追放するが正しいと考えてきた 追放した者たちのその後を知ろうとすることもない」
フィガロ・パズテカ「テツナにかわる前に、俺の代で少しずつ変えていくしかないな」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「テツナさんとかわる? 俺の代・・・?」
フィガロ・パズテカ「俺はテカの国王だ 力の強いテツナはすぐにでも俺の代わりに国王にならなければならないが、拒否して逃げ回っている」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「・・・・・・」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「こく・・・おう?」
フィガロ・パズテカ「あいつはまだ違う あいつに言うと怒るだろうから、教えたことは秘密にしてくれ」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「わかった」
フィガロ・パズテカ「テツナもそろそろ目が覚めただろう お前が来るのをいまかいまかと待っているはずだ、行ってこい」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「うん」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「ありがとう、えっと・・・」
フィガロ・パズテカ「フィガロ・パズテカだ」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「ありがとう、フィガロさま」
フィガロ・パズテカ「はやく行け」
フィガロ・パズテカ「ありがとう・・・か」
フィガロ・パズテカ「たまにはお礼を言われるのも悪くないな」

次のエピソード:22話 記憶の友だち

成分キーワード

ページTOPへ