断罪対象である妹を助けたら百合と薔薇が咲いたっぽい

隍沸喰(隍沸かゆ/おかゆ喰)

22話 記憶の友だち(脚本)

断罪対象である妹を助けたら百合と薔薇が咲いたっぽい

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〇要塞の廊下
テツナ・テカ「・・・・・・」
テツナ・テカ「・・・出てこない 大丈夫だよな?」
テツナ・テカ「・・・・・・」
テツナ・テカ「・・・もう待てない」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「テツナ!」
テツナ・テカ「大丈夫だったみたいだな」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「待っててくれてありがとう 長かっただろ?」
テツナ・テカ「気にすんなよ。普通に寝ちまってたし」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「じゃあ王さまのところに行こう」
テツナ・テカ「ビャラムならたぶん寝てるよ 寝ないって言ってもゲルホウスが許さないだろうからな」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「じゃあ部屋に戻るよ。エレエレは絶対に起きてるから きっと心配してる、安心させてあげないと」
テツナ・テカ「そうか」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「テツナはどうする? 一緒に来るか?」
テツナ・テカ「寝ないのか?」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「後半は気絶してたから、眠くない」
テツナ・テカ「ん〜・・・邪魔したら悪いから、いいや」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「邪魔?」
テツナ・テカ「昔慰めてくれた友だちって、あいつだろ?」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「違うけど。エレエレは友だちと言うより、家族・・・みたいな感じだから」
テツナ・テカ「そうなのか その友だちは元気か?」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン(テツナさんは兄弟も友だちも追放されたって言ってたな)
ルゥラッハ・オル・レバノスタン(この人は今、その人たちと重ねて俺の友だちのことを心配してくれてるんだ)
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「昔よく一緒に遊んでたんだけど、顔は覚えてないんだ。ふと思い出して、今どうしてるのかなって考えることはあるけど・・・」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「会えたら嬉しいけど」
テツナ・テカ「探さないのか?」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「さが・・・す?」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「────」

〇牢屋の扉(鍵無し)
  あの子は来ないのよ

〇要塞の廊下
テツナ・テカ「おーっい」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「ごめん、今、昔のことを思い出して──・・・」
テツナ・テカ「それはいいけど」
テツナ・テカ「ハア・・・あいつが見逃すなんて珍しいな」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「え?」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン(あったかい・・・)
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「今のって・・・」
テツナ・テカ「あいつが消しきれなかった”穢れ”がお前に戻ろうとしてたから、俺の力で消した」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「ありがとう」
テツナ・テカ「俺は部屋に戻るから、さっさと行けよ あの部下が待ってるんだろ?」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「うん、また後で」
テツナ・テカ「は〜っ・・・嫌なもん見そうだなぁ」

〇黒

〇王宮の入口
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「王さまとの話も終わったし、”神の心錠”も外せたし、あとは移住しない人たちの引っ越しを見届けるだけだな」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「・・・・・・エレエレ?」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「ま、まだ怒ってるのか?」
エレエレ・テンテンポム「”神の心錠”があなたの中にあったなんて聞いてません」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「俺がレバノスタン家の後継者になった時から俺に移動したんだよ。父上との秘密だから、言えなかったんだ」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「父上は”神の心錠”に苦しめられなくなっても、レバノスタン家の後継者を人質に取られながら生きていく」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「あの人は後継者になった時から俺が後継者になるまでの間、ずっと苦しみに耐えてきた」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「それなのに、俺が後継者になった時、ずっと俺に謝ってた」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「俺の自由のために謝った父上は、自由になれてないんだ。これから先も、きっと俺が死ぬまで皇帝の命令に従うしかなかった」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「”神の心錠”が外れたってことは、父上だけじゃなくて、レバノスタン家に関わる人たち全員が自由になれるってことなんだ」
エレエレ・テンテンポム「移住しない者たちの引っ越しを急ぐように言っておきます」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「めったに帰れなくなるんだぞ? のんびりさせてあげてくれ 俺たちは俺たちの準備を進めればいいから」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「そう言えば、アレの開発は順調なのか?」
エレエレ・テンテンポム「既に完成していて、当主と最終確認を行なっているそうです」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「アゥルペロはどうだ? 魔法学校では何もされてないか?」
エレエレ・テンテンポム「護衛も大丈夫だと言っていました。ドブが来たけど忠告を破ったら次はボコボコにするとも言っていましたよ」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「そうか。やはり護衛をつけて正解だったな」
エレエレ・テンテンポム「アゥルペロさまから昨晩連絡が来ました。心配している様子でしたから、今から帰ると伝えては?」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「そうする 帰りの準備をしててくれ、エレエレ」
エレエレ・テンテンポム「はい、手配しておきます」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン(急いでアゥルペロに連絡しよう)
ルゥラッハ・オル・レバノスタン(その後は・・・みんなにお別れを言っておいた方がいいよな 王さまには言えたから、テツナさんとフィガロさまを探そう)

次のエピソード:23話 エントリーは後日

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