第39話 さらばだ、愛天使③(脚本)
〇コンサート会場
愛天使たちの合体技が、ステージで歌うビーモンをめがけて放たれる。
エビーダ「ビーモン、避けろ!」
ビーモン「避けるなど、卑怯者のすること。フンッ!」
ビーモンは愛天使たちの攻撃を正面から受け止めた。
ビーモン「ウウウウッ! ハァッ!!」
両手から放った衝撃波で、愛天使の攻撃を弾き飛ばす。
その隙に、ステージの陰からアップルが飛び出した。
アップル「ハァア! レッドストリング・リボン!」
ビーモン「何!? 不意打ちか!」
リボンはビーモンを絡め取り、天井に向けて投げ飛ばす。
ビーモン「ぬぅっ、小癪な真似を・・・っ!」
アップル「ここから出て行きなさい! これ以上みんなを、惑わせないで!」
屋根を突き破ったビーモンを追いかけて、アップルも外に飛び出した。
ダーブラック「兄さん!?」
ホーディ「おいおいおい、邪魔するなって自分で言っておいて、何やってんだ!?」
〇コンサート会場
女性1「あれ? 私たち今まで何を・・・?」
女性2「変な歌が聞こえてきたところまでは覚えてるんだけど・・・」
RENTO「ん? 俺のコンサートは・・・?」
〇コンサート会場
ジュロー「ッチ、ビーモンを追うぞ!」
ダーブラック「この作戦には、兄さんの歌が絶対に必要なんだ!」
???「そうはさせない!」
悪神たちを稲妻のような攻撃が襲う。
エビーダ「!? なんだ!?」
エビーダが振り向くと、オーキッドが悪神を睨んで立っていた。
チェリー「ちょっとオーキッド! まずはRENTOを助けるって作戦でしょ!?」
オーキッド「うおぉ!」
オーキッドは目にもとまらぬ速さでジュローにパンチを繰り出す。
ジュロー「!? 愛天使め・・・っ!」
オーキッド「あんたたちを行かせるわけにはいかない!」
チェリー「もう! さっきから、一人で暴走しないでよ!」
カミーリア「私たちもいることを、忘れないでほしいですわ!」
ホーディ「いいぜ、売られた喧嘩は買ってやる!」
エビーダ「はぁあっ! 愛天使め、邪魔をするなっ!」
カミーリア「? その声・・・」
エビーダ「考え事をしている暇があるのか!?」
エビーダのキックがカミーリアの前髪をかすめる。
カミーリア「! くっ!」
チェリー「みんな、しっかり!」
オーキッド「アップル待ってろよ! すぐに助けに行く!」
〇森の中
ビーモン「もう小細工は終わりか? ・・・卑怯者め」
アップル「すごい威圧感・・・!」
ビーモン「ヴォォッ!!」
声の衝撃波が森の木々を大きく揺らしてアップルを襲う。
アップル「ううっ!? 声だけで!?」
瞬時に移動したビーモンが、アップルに殴りかかった。
ビーモン「フンッ、ハァッ!」
アップル「う・・・ッ、防ぐので精いっぱい」
絶え間なくパンチを繰り出すビーモン。
アップルは防御が間に合わずに、殴り飛ばされた。
アップル「ああぁっ!」
アップル「くっ! 私一人だけじゃ」
ビーモン「どうした。 俺の強さに、手も足も出ないか?」
〇コンサート会場
カミーリア「しつこいですわね!」
オーキッド「いつまでたっても、アップルのところへ行けない! 邪魔するなよ!」
ジュロー「それはこちらのセリフだ!」
ダーブラック「もう! 作戦がめちゃくちゃだよ!」
チェリー「コンサートをめちゃくちゃにしたのは、あんたたちでしょ!?」
ダーブラック「兄さんのために考えた、完璧な作戦なのに! 愛天使め~~っ!」
ダーブラックの体から光が放たれる。
ダーブラック「・・・全部、ぶっ飛ばしてやる」
チェリー「この光、何!?」
ホーディ「あのバカ! 俺たちもいるんだぞ!?」
エビーダ「落ち着け、ダーブラック! その力を使えば大爆発が・・・俺たちも巻き添えにするつもりか!?」
オーキッド「! ヤバいぞ、そいつから離れろチェリー!」
ダーブラック「うおぉおぉ!! 全部壊れろっ!!」
〇白
〇森の中
ビーモン「愛天使も、この程度だったか」
倒れたアップルの前でビーモンが呟く。
ドォォーーーン!!
アップル「!?」
爆発音と同時に、弾き飛ばされた愛天使と悪神たちが現れた。
チェリー「うううっ!」
カミーリア「ものすごい力ですわ・・・」
オーキッド「・・・くっ」
アップル「みんな・・・!?」
〇森の中
ダーブラック「兄さん、残りの愛天使をみんなぶっ飛ばしたよ!」
エビーダ「愛天使だけじゃないけどね」
ジュロー「あのバカ力め・・・!」
ビーモン「立て、ドームに戻るぞ。作戦の続きだ」
アップル「待ちなさい!」
ビーモン「・・・まだ何かあるのか? 立ち上がれば命はないぞ」
アップル「あなたたちが戻る場所はないわ」
ビーモン「・・・何だと?」
オーキッド「コンサートを乗っ取るって作戦は、もう失敗しただろ!」
チェリー「お客さんもRENTOも、私たちが助けちゃったもんね!」
カミーリア「今回は貴方たちの負け、ですわ!」
アップル「何度来たって、私たちがみんなを守る!」
ビーモン「・・・守るだと? 立つのでやっとの奴が何を言う」
アップル「私だけじゃ無理でも、みんなが一緒ならできるの!」
ビーモン「一人で何もできないことを誇るな! ・・・恥を知れ!!」
ビーモン「絶望への準備は整った」
ビーモンが空高く手を掲げると、森の上に巨大な暗雲が現れた。
アップル「!? あの雲は、コンサート会場で見た・・・!」
チェリー「大きくなってる!」
オーキッド「何をするつもりだ?」
ジュロー「ビーモン、君、アレをやるつもりか! クククッ、久しぶりだねえ!」
ビーモン「ウオォォオ!!」
アップル「!」
ビーモン「地獄へ落ちろ!!」
〇アマゾンの森
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