Night Mare

こーにゅ

エピソード2(脚本)

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〇郊外の道路
  あのあとメアは、男性のことについて、ぐるぐると考えていた。
  そして、あの時感じた違和感を、どうにも払拭できぬまま、日々を過ごしていた。
「うーーん・・・なにかひっかかる気がするんだけど・・・ 思いつかないわね・・・」
  メアは、その場に留まり、思考を巡らせている。
  すると、その背後から・・・
男性「わっ!!」
「ひゃぁっ!!?!」
男性「あはは、びっくりした?」
「・・・っ!! す、するわけないでしょうがぁ!!」
男性「めっちゃ飛び退いてたよ」
「うるさいわね!!って、あなた、こないだメアにいたずらしてきた・・・!!」
男性「・・・名前、メアっていうんだね」
「はぁ???」
男性「名前、覚えたよ、 ──メア」
「ちょっと・・・! 話逸らさないでくれる!?」
男性「ちゃんと聞いてるよ。 ・・・ふふ」
「なにが可笑しいのよ!!」
男性「ううん。なんでもないよ」
「まったく・・・!!このメアに対していたずらなんて、あるまじき行為なのに・・・ !」
男性「とっても気が強いんだね、メアは」
「・・・は?」
男性「羨ましいなぁ、僕も、メアみたいに、気持ちを強く持っていたいよ」
「な、なんの話・・・」
「って、ちょっと、また・・・!!」
「すぐどっかいくんだから・・・」

〇公園のベンチ
  次の日・・・
男性「おはよー」
「きゃあっ!? な、なんでいつも後ろから話しかけるのよ!!」
男性「あはは。 びっくりして、飛びのいてる」
「うっさいわね!!」
男性「そんなに怒ることないのになー」
「メアにとっては怒ることなの!!」
男性「・・・」
「だいたいあなたねぇ、メアと話してて突然いなくなったり、おちょくったり、ていうか後ろから話しかけたり・・・」
男性「これくらい誰にでもできるだろ」
「え?」
男性「お前が能無しなだけなんだよ」
「は・・・?」
男性「なんの役にも立たないくせに」
「はぁっ!?なによ!!バカにしてるの!?」
男性「・・・うぅ・・・」
「あなたねぇ!!メアが話してるときに、口を挟まないでくれる!?」
「って、ちょっと・・・またいなくなるし・・・!」
「急にいなくなるの辞めなさいよー!」
「まったくもう・・・! すごいフラフラ歩いてるじゃない、あんなのじゃ、すぐこけちゃうでしょ・・・」
  男性の体調がやや心配なメアは、男性のあとを追いかける
  男性が、建物の影に入っていくのが見えたメアは、男性のあとを追いかけ、男性が曲がった直後に建物の隙間を覗く。
  ──しかし
「え、どういうこと・・・?」
  確かに男性は、建物と建物の間の隙間にすうっと入っていったはずなのだが、その姿がまったく見えなくなっていた。
  建物の隙間の道は狭い一本道で、隠れられるような場所も見当たらない。
「・・・マジで意味わかんない・・・」

〇公園通り
  そのまた次の日・・・
「そもそも、寝てる人間にメアから関わるのが普通なのに、向こうからメアに話しかけてきてるって、どういうことなの・・・?」
「もしかして、あいつ、実は・・・」
男性「やっほ~」
「んやぁっ!!?」
男性「ふふ。今日も面白いリアクションだ」
「な、なにこれ!? 急に首がもさってした・・・」
男性「猫じゃらしだよー」
「はぁ!?あ、あんたねぇ・・・!!」
男性「絶対びっくりしてくれるだろうなって思ったよ」
「そんなのびっくりするに決まってるでしょーが!!!」
男性「なにか、考え事?」
「はっ・・・そうだ、あなた、どうしてメアに話しかけることができるのよ?」
男性「さぁー。わかんない」
「いや、わかんないって・・・」
男性「あれかな?夢の中だからじゃないかな」
「・・・え?」
男性「まぁ、僕もよくわかってないんだけどね」
「・・・」
「で、でも、普通夢を見てる人間は寝てるでしょ・・・?」
男性「さぁね。そうとも限らないんじゃない?」
「ど、どういうこと・・・」
「あっ・・・!もう、またいなくなる・・・!」
「けど、気になる情報があったわね・・・ 夢を見る人間が、寝てるとは限らない・・・」
「・・・どういうことかしら?」

〇大樹の下
  さらにまた次の日・・・
「今日こそ、あいつの謎を解き明かしてやるんだから・・・!」
「・・・そういえば、あいつ日中は何してるのかしら?」
「まさか、寝ながら生活してる・・・?いやいや、まさかそんなわけないわよね」
「なんか、そういう病気かなにかあるのかしら?その状態だと、メアとも話せるようになるのかしら?」
「つまり、日中あいつが活動してるときに、メアがいたずらしにいけば、いつもの仕返しができるかも・・・」
男性「メアーーッ!!」
  どんっ、と、男性はメアの背中を押す。
「ふぁああ!?!!」
  完全に油断しているときに男性に押され、メアは思わず、すてんっと転げてしまった。
「ちょっ、、ちょっと!!なにしてくれんのよ!!」
男性「メア、メア・・・メア!」
「ちょっと!メアの話聞いて・・!!」
男性「・・・メア」
「な、なによ、さっきから・・・メアの名前ばっか呼んで・・・」
男性「・・・」
「はぁ、もう、なんなの、一体・・・」
「メアのこと呼びまくると思ったら急に黙るし・・・ていうか!」
「そう、あなたいつも無表情で、何考えてるのかわかんないのよ!!」
「それでいつもメアのことおちょってるわけ!?ふざけないでよ!!」
男性「・・・メア?」
「・・・はぁ、もう・・・あなた、一体何が目的なの?まったく意味わかんない・・・」
男性「どこ、どこなの・・・」
「は?」
  突如、男性はメアの姿を見失ったように、ふらふらとさ迷いだす。
「え?え?」
男性「メアぁ・・・メアぁ・・・」
「メアぁ・・・・・・」
「・・・行っちゃったし・・・ メア、ずっとここにいるんだけど・・・」
「ホント意味わかんないわ・・・。まともに話せるときもあれば、意味わかんないことばっか言うときもあるし・・・」
「ふん、まぁいいわ・・・明日の日中は、あいつがなにしてるか、このメアが直接見に行ってあげる・・・!!」

〇開けた交差点
  メアは、男性が働いている職場の近くに行き、男性がどのような活動をしているか見ることにした。
「ふん、このメアにかかれば、誰がどこにいるかなんて、お見通しなんだから・・・」
「この辺りにいると思うのだけど・・・ あ、あれかしら?」
  メアの視線の先に、スーツを着た男性が、複数の、似たような格好の男に囲まれて、笑顔を見せながら話をしている。
「今月の君の営業成績はどうかね?」
男性「あー・・・まぁ、ぼちぼちですかね・・・ 後輩のほうが腕がよくって、僕なんかよりずっと営業成績がいいですね」
「おいおい、後輩に負けるなんて、情けないなぁ~」
「もう新人じゃないんだから、ちゃんときっちりやってくれないと困るよ~」
男性「は、はい・・・頑張ります・・・」
「いやいや、頑張りますなんて言葉誰だって言えるんだよ。もっと具体的な目標をたてて、しっかりやってもらわないとこっちもしても」
「そういえば君、前回も同じようなミスをしていたね?部長は同じミスを繰り返す人間が嫌いなんだ。ミスをしたのであればそのミスを」
「繰り返さないためにも自分の中で色んな面での反省点を列挙し一つずつ対策を書き出すんだ。生半可なものじゃなくて当然生産性のあ」
男性「は、はい・・・」
  男性の仕事場面の一部始終を眺めたメア。
(どうして、あんなにヘラヘラと笑ってるのかしら・・・)
(・・・やっぱり、あいつの考えてることはわかんないわね)
男性「あ、すみません、そろそろ僕、ちょっと行かないと・・・」
「ん?なんだね、君は上司のありがたい言葉を遮るのか?」
「そんなんだからいつまでも能無し社員ってのがわかんないんすよ・・・」
「ふん、それもそうか・・・まぁこんな使えない社会のゴミを雇ってるうちの人事も使えないがな」
男性「す、すみません!失礼します!」
(あ、あいつ一人になったわね。 これはチャンスだわ・・・!)

〇開けた交差点
  一人になった男性を追いかけ、メアは男性にぐんぐん近づく。
(いた、あそこだわ。 やたら逃げ足が早いんだから・・・)
(今までメアにしてきたこと、思い知るといいわ・・・!!)
  メアは、今まで男性がメアにしてきたように、「背後から」男性に近づく。
  男性は後ろを振り向くことなく、幸い、メアの存在に気づいてはいない。
  目と鼻の先に、あの男性がいる。
  メアは、ぎゅうっと握りこぶしを作る。
  ドキドキする、胸の高鳴りを抑えつつ、男性に悟られないよう、慎重に、ゆっくりと、近づいていく。
  そして・・・
「わぁっ!!!」
「うふふふ、驚いた!?驚いたでしょ~? このメアから、わざわざ会いに来てあげたんだから!」
「くすっ、驚きすぎて声も出ないかしら? あはは!」
「・・・」
「・・・え?」
  メアは、自分のいたずら直後にうっすら感じていた予感を、嫌でも痛感した。
  男性は、メアのいたずらに対し、まったくの無反応であった。
「え、ちょ、ちょっと・・・ ガン無視?嘘でしょ?」
  男性は、メアのほうに振り向くことなく、ひたすら前に進んでゆく。
  男性がリアクションをまったくくれなかったことに、メアは焦りや不安を覚えた。
「ちょっ、ちょちょ、待ってよ、そんなわけないじゃない、」
「メアたち、さんざんお話ししてきたのに・・・」
「ちょっと!!無視しないでよ!!」
「聞いてんの!!?」
「ねえってば!!!」
  メアは、声を荒げたり、目の前を邪魔したり、男性を叩いたりしたものの、まったく反応がない。
  そのうち、初めは強気に粘っていたメアだったが、だんだんと勢いが落ちてくる。
「・・・ねぇ、嘘、でしょ・・・」
「無視してるだけよね・・・?」
「・・・なんで、、なんでよぉ・・・」
「・・・こたえてよぉ・・・」
「ねぇったらぁ・・・」
  メアは、男性が一向に振り向いてくれないことに、著しい悲しみを覚え、その場で泣き崩れてしまった。
  一方、男性は、そんなメアのことなどお構い無く、さっさと前を歩いていってしまい、ついにメアには見えなくなってしまった。
  1人取り残されたメアは、しばらく1人で悲しみに暮れていた。
  ・・・だが、だんだんと、悲しみよりも、別の感情が沸々と沸き上がってきた。
「・・・絶対、聞こえてたでしょ」
「メアに、こんな惨めな思いさせて・・・」
「次会いに来たら、ただじゃおかないんだから!!!!」

次のエピソード:エピソード3

コメント

  • 夢の中…意味深ですね…🤔これからどうなるのか楽しみです☺️👏

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