悪魔のアリス

YO-SUKE

第4話 『犯人からの挑戦状』(脚本)

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〇清潔な浴室
  シャワーを浴びるアリスの足元では、洗われた血が排水溝に流れていく。
佐川アリス(ルーティンは大切だ。 それがないと殺しはただの衝動になる)
佐川アリス(ルーティンがあれば、殺しも仕事になる)

〇高級マンションの一室
佐川アリス(だからこうして記録を残すことも、大事なルーティンなのだ)
佐川アリス「今夜、6番目のターゲットを始末できた。 女の子にもケガはない」
佐川アリス「目隠しを受け入れてくれたので、無事に車で送り届けた」
佐川アリス「頭のいい子だと思う」
佐川アリス「玉岡真一の死体はいつものように処理した。 証拠が出ることはないだろう」
  アリスが取り出したノートには、様々なターゲットの個人情報が書いてある。
  アリスは6番目にある玉岡真一(たまおかしんいち)の名前の上にバツ印を入れた。
  アリスがノートをめくると、7番目のターゲットの箇所に近藤秀夫(こんどうひでお)のプロフィールが書かれている。
佐川アリス(誰からも裁かれず、罪を犯し続ける人間はまだいる)
佐川アリス(か弱い子供たちは大人の悪意に巻き込まれ、はけ口にされてしまう)
佐川アリス(だが、誰も手を差し伸べようとはしない。 だから──)
  アリスは立ち上がると、ビデオカメラの録音を停止する。
佐川アリス「あたしは、罪のない子供を守ると決めた」

〇警察署の入口
隆志「だからさあ、いいじゃん」
亀井綾子「ダーメ、警察がそう簡単に捜査情報を渡すはずないでしょ」
湊「とか言って、綾子さんは捜査なんかしてないくせに」
亀井綾子「なによー。怒るわよ」
佐川アリス「どうかしたか?」
亀井綾子「・・・あれ? アリスさんこそ何かありました?」
佐川アリス「え?」
亀井綾子「いえ、なんか何日も寝ていないような顔してるなって」
佐川アリス「・・・・・・」
亀井綾子「あ! それより聞いてくださいよ」
亀井綾子「この子たち、例の連続殺人犯の情報をよこせって、朝からしつこいんです」
湊「だって全然犯人わからないんだもん」
佐川アリス「昨日も言っただろ? 首を突っ込むなって」
湊「警察が頼りないから、俺らで捜査してんだろ」
佐川アリス「・・・・・・」
湊「あ、いや、その・・・ごめんなさい」
佐川アリス「警察が頼りないのは、否定しない」
湊「・・・・・・」
佐川アリス「でもあたしは違う」
湊「・・・うん。ごめん」
犬伏徹「アリスさん、ちょっといいですか?」

〇警察署の廊下
佐川アリス「二人目の遺体の身元がわかった?」
犬伏徹「ええ。近藤秀夫、48歳。 荒川で大工をやっている職人です」
佐川アリス「近藤、秀夫・・・?」
佐川アリス「まさか・・・」
犬伏徹「アリスさん?」
佐川アリス「遺族は?」
犬伏徹「はい、二日前に飲みに出かけたのを見送ったのが最後だと」
犬伏徹「気になるのは・・・」
佐川アリス「?」
犬伏徹「いえ、聞き込みに行った仲間の話だと、遺族はまるで悲しんでいる様子がなかったそうです」
犬伏徹「どうも家族に虐待していた男らしく・・・」
須藤清孝「お前たち、こんなところにいたのか!」
犬伏徹「どうしたんですか?」
須藤清孝「犯人からの伝言だ」
「!」

〇大会議室
須藤清孝「今朝、この動画がネットにアップされたんだ」
佐川アリス「いたずらとかじゃないんですか?」
須藤清孝「被害者の近藤の名前はまだどこにも出していないが、こいつははっきり近藤の名を口にしたんだ」
  須藤がパソコンを操作すると、動画の再生が始まった。
佐川アリス「!」
  突然のメッセージで驚かせてすまない

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