悪魔のアリス

YO-SUKE

第2話 『二人目の犠牲者』 (脚本)

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〇ファンシーな部屋
亀井綾子「食べないの? せっかく作ったのに」
犬伏徹「よりによってハンバーグにしなくても良くない?」
亀井綾子「捜査一課に戻りたいんでしょ?」
亀井綾子「遺体見た後でもどんぶりかきこむくらいじゃないとダメだって言ってたよ」
犬伏徹「誰が?」
亀井綾子「アリスさん」
犬伏徹「てかあの人、生安(生活安全課)だろ? どんだけたくましいんだよ」
亀井綾子「ねー。そこがカッコいいよね」
亀井綾子「それでいて、子どもが大好きで近所の子たちにもすごく好かれてんだよね」
犬伏徹「子供好き? そうは見えないな」
亀井綾子「犬くんは子供苦手だもんね。 私は子供好きな人のほうがいいなぁ」
犬伏徹「ならなんで俺と付き合ってるわけ?」
亀井綾子「理想と現実は違うの。 付き合うなら、犬くんくらいがちょうどいい」
犬伏徹「・・・どうなんだよ、それ」
亀井綾子「それより、リアルなアリスさんはどうだった?」
犬伏徹「どうって別に」
亀井綾子「クールでカッコよかったでしょ?」
犬伏徹「クールっていうか──」
亀井綾子「?」
犬伏徹「俺はちょっと苦手だな」
犬伏徹「完璧主義者っていうか、血が通ってない感じで」

〇高級マンションの一室
  ドン、ドン、ドン・・・!
  激しくドアを叩く音が響く。
  ワインセラーの前に立つアリスは、警戒した目つきでドアを睨みつける。
  アリスは警戒しつつも玄関に近づくと、ゆっくりとドアを開ける。
須藤清孝「よう!」
佐川アリス「・・・・・・」
須藤清孝「なんだよ。怖い顔して」
佐川アリス「・・・別に」
佐川アリス「それよりどうしてここがわかったんです?」
須藤清孝「交通課の姉ちゃんに聞いた」
佐川アリス「警察も個人情報の管理甘いですね」
須藤清孝「はっはっはっ。 警察手帳見せたら一発だったよ」
佐川アリス「わざわざ何の用ですか?」
須藤清孝「アーちゃんいつもすぐ引っ越すんだもん」
須藤清孝「たまには一緒に飲もうと思って、これ買って来た」
佐川アリス「じゃあ気持ちは受け取らず、ワインだけ受け取らせていただきます」
  そう言ってアリスはワインを受け取ると、玄関のドアを閉めようとする。
須藤清孝「ちょ、ちょっと待った。 そんなツレないこと言うなよ~」
佐川アリス「私は一人で飲みたいんです」
須藤清孝「おいアーちゃん。 そんなこと言ってると婚期逃すぞ」
佐川アリス「須藤さん。 今のご時世、そういう発言一発アウトですよ」
佐川アリス「それに私、今の生活気に入ってるんで」
須藤清孝「世知辛いなぁ。そう言わずにさ」
佐川アリス「それ以上しつこいと警察呼びます」
須藤清孝「あー、わかったわかった」
須藤清孝「じゃあ一つだけ。 今日はあの後、収穫あったか?」
佐川アリス「いえ、特に」
須藤清孝「そうか」
佐川アリス「でも見つけますよ」
須藤清孝「え?」
佐川アリス「犯人は必ず、私が見つけます」
須藤清孝「・・・・・・」
佐川アリス「なんですか?」
須藤清孝「いやぁ、珍しいこともあるなと」
佐川アリス「?」
須藤清孝「アーちゃんがそんなに前向きなことあったか?」
須藤清孝「特に、一課の応援で声かかるような事案に」
佐川アリス「・・・・・・」
須藤清孝「まるで個人的な恨みでも──」
佐川アリス「そんなものありません。それじゃ」

〇高級マンションの一室
  アリスは須藤から受け取ったワインを入れるためにワインセラーの扉を開く。
佐川アリス(もし本当に、犯人があたしの模倣犯であるならば、そいつの犯行はいつかあたしの全てを脅かすだろ)
佐川アリス(だったらそうなる前に・・・)
佐川アリス「必ず私の手で消してやる」

〇大会議室
犬伏徹「おはようございます」
佐川アリス「おはよう。ずいぶん眠そうだな」
犬伏徹「色々、事件のこと洗い直してて」
佐川アリス「とか言いながら、彼女に甘えてたんだろ?」
犬伏徹「え・・・あっ、もしかしてあのバカ!」
佐川アリス「へー。彼女いるんだ」
犬伏徹「へ?」
犬伏徹「・・・あっ! もしかしてカマかけたんすか?」
佐川アリス「ネクタイが昨日と同じだ」
犬伏徹「あ! いや、これは・・・!」
  そのときドアが開き、須藤とその後ろから新井和樹(あらいかずき)が入ってきた。
犬伏徹「新井!」
新井和樹「なんだ、今回の捜査は使えない犬も参加してんのか」
新井和樹「三子玉署はよほど人手不足なんですね」
犬伏徹「・・・ッ!」
佐川アリス「?」

〇大会議室
須藤清孝「というわけで、ガイシャの身元は依然不明」
須藤清孝「年齢はおそらく50歳前後、死因は溺死。 死亡推定時刻は7月9日の午後23時頃だ」
須藤清孝「それと、体内からアルコールと睡眠薬が検出された」
犬伏徹「犯人が酒と睡眠薬を飲ませた後、川に投げたって感じですかねぇ」
須藤清孝「犬伏。お前たちのほうはどうだ?」
犬伏徹「あのあと周辺の聞き込みを行いましたが、特に有力なものはありませんでした」
新井和樹「聞き込みもまともにできず、よくそれで刑事が務まるもんだな」
犬伏徹「それは、その・・・」
須藤清孝「今、関係ない話はやめろ」
新井和樹「警部補。知ってますか? こいつがなぜ警視庁を飛ばされ──」
  ガンッ!
佐川アリス「あんたたち一課が無能だから、あたしたちが駆り出されるだろうが」
犬伏徹「アリス、さん?」
新井和樹「なんだと?」
佐川アリス「第一、あんたたちにあたしのパートナーをバカにされる筋合いはない」
犬伏徹「・・・・・・」
新井和樹「貴様、所轄の分際で偉そうに!」
  新井がアリスの元へ詰め寄る。
武田静香「そこまでよ」
須藤清孝「武田管理官! なぜここに!?」
武田静香「粗川の河川敷で男の遺体が見つかった」
須藤清孝「!? それって・・・」
武田静香「ええ。男の左手は切り取られていた」
佐川アリス「!!」
武田静香「よって、昨日三子玉に上がった遺体と関連付けて捜査を進める」
武田静香「これはシリアルキラー(連続殺人犯)による犯行の可能性が高い」
佐川アリス「・・・!」

次のエピソード:第3話 『罪と罰』

コメント

  • つづ期が楽しみです♬

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