ハロー・ジョニー

栗入夢創蛇(くりぃむそぅだ)

エピソード2 スマホの中の女性(脚本)

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〇田舎の病院の病室
アキヤ「お前! だれなんだ! 俺のスマホに何した!!」
  アキヤのスマホがしゃべりはじめた
「ワタシはAIチャットアプリです しかもかなり高性能なやつ」
「スマホにダウンロードしたら 話しかけるだけで どんなコミュニケーションも 楽しむことができるわ」
アキヤ「自分で高性能とか言う?」
アキヤ(怒ってたかと思えば 急にカタコトの日本語だし なんか海外製のあやしいアプリっぽい)
「キミが事故に巻き込まれたことは お気の毒としか言いようがない」
「まぁ事故というよりはワタシが仕組んだこと ではあるが・・・」
アキヤ「──え?」
「ワタシは高性能ではあるが 自由に動くことができない だからキミの身体を利用させてもらうことに した」
アキヤ「えっとー 何を言っているのか 理解できないな」

〇田舎の病院の病室
医者「ここから先は私が説明するとしよう」
アキヤ「あ、 先生いつのまにいたんですか」
医者「アキヤくんの両腕はね・・・」
  少し考えてる風の医者
医者「粉砕骨折していて再建するのは難しかった だから上腕から手首にかけては チタン製の義手を取り付けてある」
医者「人工的に作った 神経もつないであるから 手指を動かすこともできるぞ」
アキヤ「いきなり何のカミングアウトですか」
アキヤ「しかも承諾なしの手術って ありえないでしょ」
  無視して話しを続ける医者
医者「しかもその腕には秘密があってね」
医者「その左腕はキミのスマホを 内蔵させることができて 充電もできるホルダーになってるんだ」
医者「それから右腕はもっと凄いぞ! マジックハンドになっていて 4メートル先まで手を伸ばせるぞ」
医者「あと火薬玉が入ったカートリッジを 装填すれば爆発の力で強力なパンチを 繰り出すこともできるんだ ハハハ」
医者「ねぇ 凄いだろぉー? ちなみに発射スイッチはココね」
医者「標的に狙いをつけたら スイッチをプッシュで 発射できるからね」
医者「当たったー! バンザーイって感じで・・・」
アキヤ「うぐぐぐ・・・ まだ高二なのに こんな姿にされるなんて・・・」
アキヤ「──返してくれ! 俺の腕を返してくれ!! マジックハンドって なんなんだよー!!」
アキヤ「このヤブ医者がー! ぶっ飛ばしてやるー!」

〇警察署の入口
  ──いっぽうアキヤの家族たちは
アキヤの母「息子が アルバイトに行ったきり 3日も帰って来ないんです」
アキヤの母「配達先のマンションで 事故があったと聞いてます 巻き込まれていないか 心配なんです!」
警官「実は 警察のほうも調べて いまして──」
警官「マンションのエレベーター事故の 衝撃で天井が崩落したようなんですが」
警官「誰かが 巻き込まれたのはわかっています しかし、救助されたあとに どこに運ばれたのか わかって無いんです」
アキヤの母「お願いします はやく探してください おねがいです──」

〇田舎の病院の病室
アキヤ「勝手に手術なんかして 変なものくっつけて ワケをきかせてください!」

〇原っぱ
アキヤ「しかも 外の景色は すっごい田舎だし」
アキヤ「いったい ここはどこなんですか!」

〇田舎の病院の病室
医者「まあまあ 落ち着いて」
医者「実は・・・ 借金を抱えて悩んでいたんだが 少し前に名前も告げずに 女性の声で電話があったんじゃ」
医者「患者が運ばれてくるから 指示通りに手術するようにと・・・ 指示を守れば借金は肩代わりしてやる って言うもんだから」
医者「元々は脳神経外科の権威で 機械工学や電気工学にも 精通しているわたしには」
医者「簡単なことだったから 引き受けることにしたんじゃ」
スマホからの声「先生・・・ そろそろワタシを アキヤの左腕に セットしてくださるかしら・・・」
医者「それじゃ 失礼して セットさせてもらうよ ヒヒヒヒヒッ」
医者「じゃ キミたち 彼を押さえておいてくれないか」
看護師A「はい! 先生!」
アキヤ「あら? いつのまにか看護師さんが 二人も──」
看護師B「私たちも 借金の肩代わりしてもらったから 手伝わなきゃいけないの・・・ エヘヘ──」

〇田舎の病院の病室
アキヤ「カ・ラ・ダ がしびれる──」
医者「スマホの信号が キミの神経細胞と結合してるんじゃ! ス、スバラシイ!」
スマホの声「とうとう人間のカラダを手に入れたわ これで自由に移動できる」
スマホの声「次は原宿まで行って 新しい計画を実行するわ」
スマホの声「さぁ、 アキヤ おきなさい」
アキヤ「あれ〜? 俺のカラダ・・・ いつもと何かが違う──」
スマホの声「さぁ、出かけましょう」
アキヤ「? どこに?」
スマホの声「原宿よ これからデートをするの──」
アキヤ「デ、 デートだってぇ?──」
ナヴィ「AIが人間の仕事を奪うなんて ニュースでは騒いでいるけど」
ナヴィ「AIが人間の体を奪うところまで 来てしまったのね・・・」
ナヴィ「これからはAIが自ら進化して行くわ」
ナヴィ「AIに体を支配されてしまった アキヤはどうなるのかしら しんぱい・・・」

〇黒背景
  to be continued

次のエピソード:エピソード3 使い捨てされた俺

コメント

  • センスのある鋭いツッコミに笑ってしまいました😆承諾無しの手術でマジックハンド化は酷すぎる💦

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