ゴリラ・タワー

千田陽斗

8.父、逮捕される(脚本)

ゴリラ・タワー

千田陽斗

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〇公園のベンチ
  ゴリラ・タワー争奪杯の裏で
  複数の蠢くものがいる
  そしてそれを追う者も複数いる
  この刑事もそうだ
刑事「さて、そろそろネタは出揃ったか」
警官「はい それが事実なら幹部級の逮捕も可能です」
刑事「やれやれ 久しぶりに、市民の側に立った 仕事ができそうだよ」
警官「あの団体に搾取され、泣寝入りする人が 少しでも減るといいですね」
刑事「全くだね さ、今日も張り込みだ」
警官「張り込みといえば パンと缶コーヒーですか」
刑事「古き良き昭和ってやつだな」
警官「本官は別件にて失礼いたします」
刑事「ああ そっちも頑張ってくれよ」
刑事「さて・・・・・・」

〇塔のある都市外観
  そして、ゴリラ・タワー争奪杯
  第2の試練が始まった!

〇地下駐車場
名取キクオ「ここが第2の試練、レース&ダッシュの 会場か」
山田カテル「練習試合と違って殺伐とした雰囲気」
山田カテル「・・・・・・」
名取キクオ「カテル、どうしたの?」
山田カテル「い、いやなんでもない 余計な考えはなしだ 上り詰めるぞ」
名取キクオ「合点承知の助」
職員「ここまで上って来た選手の皆さん おめでとうございます」
職員「さて今回は第2の試練が終われば あまり間を置かず 第3の試練も始まります 皆さん緊張感をなくさずに頑張りましょう!」
職員「第1試合の出場者 ミッチーとダリアによるコンビ 背徳の薔薇の登場だ!」
ミッチー「ヘビーメタルを聞いて鍛えた スピード感、負けない!」
ダリア「勝って、好きなビジュアル系バンドに 賞金を貢ぎまくる!」
職員「そして、こちらも中2病感なら 負けてない! Vギークス!」
山田カテル「中2病感?」
名取キクオ「ま、まあ それは否定できないね」
職員「さあ、今回は レース&ダッシュにもバトル要素が あります 勝負の行方はいかに?」
名取キクオ「負けない! このファイヤー・フォーミュラの 力を見せつける」
ダリア「ふふふ 私のスラッシュ・アタッカー3世に 勝てるかしら?」
名取キクオ「いっけー!」
職員「おっと 先手を切ったのはVギークスの マシンだ!」
ダリア「やれスラッシュ・アタッカー3世!」
名取キクオ「あー! ファイヤー・フォーミュラ!」
ダリア「ふふふ」
職員「しかし 背徳の薔薇チームのマシンによる レーザー攻撃 背徳の薔薇が抜いたー」
ミッチー「来た! そして俺がダッシュ!」
名取キクオ「カテルー!悪いが取り返してくれ!」
山田カテル「いいってことよ!」
ミッチー「ふっ  若造、早いな しかしこれならどうだ!」
山田カテル「やつらのマシンが妨害?」
職員「今回のルールでは、ランナーとマシンの 並走が許可されます そしてランナーに危害を加えないなら 妨害もありです!」
山田カテル「ミッチーとか言うやつ 走りながらマシンを操っている」
ダリア「さすがミッチー 走るのとマシンの操作 両方行けるなんてやるじゃん!」
ミッチー「へへ」
名取キクオ「カテル! ボクに名誉挽回させてくれ」
ミッチー「マシンでマシンの妨害を止めに来たか」
山田カテル「おし!これなら!」
名取キクオ「ぐは!」
山田カテル「キクオ!どうした?」
ダリア「邪魔な坊やには眠って貰ったわ」
山田カテル「卑怯者め! キクオを後ろから襲撃したな」
ミッチー「ふははは これで俺たちの勝ちは確定だな!」
職員「Vギークス どんどん差をつけられる! 為す術はないのか!」
山田カテル「いや、まだだ!」
ミッチー「どうあがいても無駄さ」
  ブウウウン・・・・・・
ミッチー「え?まじ?」
職員「ま、まさか Vギークス カテル選手 まさかの追い上げ なぜ?」
職員「足元だー! カテル選手は2台のマシンに 両足をそれぞれ乗せ ローラースケートのようにしている!」
山田カテル「お前らそうなら、俺だって手段は 選ばねえ! マシンの加速度を借りて 勝つぜ!」
ミッチー「抜かれた!」
職員「ゴール! 勝者は、まさかの発想で一発逆転! Vギークス!」
名取キクオ「えへへ バトル仕様でマシンを頑丈に しといてよかった」
山田カテル「気持ちいい勝利だぜ!」
  そして、
  Vギークスのライバルチームも
  勝利をもぎ取った
  クラゲ&ヒトデチーム勝利!
  エレクトリックシープ勝利!
職員「第2の試練に勝った人たちおめでとう! 第3の試練サイバーバトルは 準備と休憩を兼ねて2時間後に 始まります!」
職員「勝者の皆さんは、原則として 第3の試練が終わるまで タワーから出れません! ご了承ください」

〇休憩スペース
名取キクオ「ここの休憩スペースは 窓がある まだ真ん中だけど、それでも だいぶ高いな」
クラゲ「あ、欲張りチームの片割れじゃん とりあえず勝てて良かったね」
名取キクオ「ありがとう そちらはクラゲさんの相棒だね よろしく」
ヒトデ「よ、よろしく」
クラゲ「ん?ヒトデちゃん?」
名取キクオ「あは、 ボクちょっと向こうに行かなきゃ また後で」
ヒトデ「ねえ、クラゲ さっきの人カッコよくない? なんで今まで紹介してくんなかったの?」
クラゲ「え?あの人単なるオタクだよ? どこがいいの?」
ヒトデ「オタク! オタクならなおさらポイント高いじゃん ねえってば」
クラゲ「・・・・・・」
山田カテル「よお、キクオ こっからの眺めも悪くないな 優越感が湧いてきちゃって大丈夫かな」
名取キクオ「あんま頭に乗るとアホな殿みたいに なりそうだね」
山田カテル「ここだけでも、充実してる」
山田カテル「お茶」
山田カテル「マンガ」
山田カテル「パソコン」
名取キクオ「うわー ボク、パソコン大好き カチ!」
山田カテル「ここのパソコン ネットに繋ぐとトップページは パフーニュースなんだね」
名取キクオ「パフーニュースはコメント欄の民度が あれだけど みんなトップページにしがちだよね あれ速報ニュースが入ってる」

〇一軒家
キクオ「これがニュース映像みたい」
アナウンサー「臨時ニュースです あのカルト宗教団体の幹部が 逮捕されました」
アナウンサー「繰り返します あのカルト宗教団体の幹部が 逮捕されました」
アナウンサー「逮捕されたのは、 山田ヤマヲ容疑者 複数の一般人をカルトに勧誘し 多額のお金を騙し取った等の 疑いがかけられています」
カテル「ん?なんかうちの父さんに似てる人が 逮捕されてる? 名前まで一緒なんだが?」

〇休憩スペース
山田カテル「え?なに」
名取キクオ「なになに?」
山田カテル「なあ? 今のニュース どう見ても俺の父さんだったよな?」
名取キクオ「信じたくないけど 多分そうだと思う」
山田カテル「俺の父さんは真面目な会社員で さいきん営業の仕事に回されたはず カルト?宗教? え?なんかの間違いだよな え?え?」
名取キクオ「夢であってほしい」
山田カテル「ここでウダウダしでもしゃーない 確かめに行くわ!」
名取キクオ「えー でも原則タワーから出れないし 次の試合まで2時間もないよ」
山田カテル「出れないってあくまで原則! こんなときに言ってられるか!」
名取キクオ「あ!カテル! 待てよ」

次のエピソード:9.人として……

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