〇荒廃した街
岩本「よいしょ！よいしょ！」
佐々木「労働っていいな」
佐々木「こんなの短期のバイト以来だ」
岩本「そうだね」
岩本「僕も10年ぶりに働いてるよ」
ユーリ・エルファール「真面目に働いてるな」
岩本「はい！汗なんて久々に掻きました」
ユーリ・エルファール「おお、いいぞ！その調子だ！」
佐々木「向こうにいた時は 授業にも出ず、パチンコとスロットに明け暮れて仕送りも溶かしてました」
佐々木「ガールズバーに通っては 女の子に貢いでお金もなく もやしを毎日食べてたんです」
ユーリ・エルファール「半分ぐらい何言ってるか分からないけど 単語だけでお前がろくでもないことは 伝わってくるぞ」
ユーリ・エルファール「まともそうな顔して 一番やべえのお前だからな」
佐々木「もし、向こうの世界に帰れたら ちゃんと大学を卒業、就職して 親に恩返ししたいと思います」
ユーリ・エルファール「んなこと、当たり前だろうが！」
ユーリ・エルファール「いい歳して親泣かせるようことするんじゃねえ！」
ユーリ・エルファール「いい話にしようとしてるけど 誤魔化せんからな！」
佐々木「ひいいい！すみません！」
ユーリ・エルファール「とりあえず手動かせ どさくさに紛れてサボろうとするな」
岩本「俺も、無職になってから」
ユーリ・エルファール「何でお前ら、過去に浸りたがるんだよ！」
ユーリ・エルファール「とりあえず、行くけど仕事サボるなよ」
岩本「相変わらずの塩対応」
佐々木「相変わらずの鬼っぷり」
岩本「でも、言ってること正しいから 何も言えねえ」

〇屋敷の牢屋
シャルティア・グレーシア「グレーシア王国は 十権と呼ばれる合議制で 政治が行われます！」
シャルティア・グレーシア「ということで、午前の授業は ここまでにして休憩にします！」
シャルティア・グレーシア「またお昼の後でね！」
石井「授業なんてまともに受けたの どれぐらいぶりだろう」
ユーリ・エルファール「真面目に授業受けてるな」
石井「ユーリさんには感謝してます」
石井「実は僕、転校生であまり学校に馴染めず 友達がいなかったんです」
ユーリ・エルファール「なんか腹減ってきたな」
石井「でも、親を心配させたくなくて 無理にでも教室へ通っていました」
ユーリ・エルファール「シャルに何作ってもらうかな」
石井「誰とも打ち解けられず 体育で誰かと組む時はいつも一人」
ユーリ・エルファール「シャルの手料理は絶品だからなぁ」
石井「気づいたら学校行けなくなっていました」
ユーリ・エルファール「晩御飯も楽しみだな」
石井「なんとか高校には入ったものの そこでも馴染めずいつも１人」
石井「すみません、聞いてます？」
ユーリ・エルファール「いや、興味ないし」
石井「せめて、我々に もう少し興味持ってくださいよ！」
ユーリ・エルファール「なんで？」
石井「もっとコミュニケーション 大事にしましょうよ！」
ユーリ・エルファール「お前らには言われたくないんだよな」
石井「あんな可愛いフィアンセいて 順風満帆な人生を歩んでるあなたには 俺の気持ちなんて分からないんだ！」
石井「異世界来た時は人生やり直して 可愛い女の子と仲良くなれると思ってたのに！」
ユーリ・エルファール「そりゃそうだろ 世の中そんな甘くねえよ」
ユーリ・エルファール「向こうの世界で上手く行ってないのに 何でこっちで上手くいくと思ってんだよ？」
石井「痛いところを突いてきますね」
石井「リア充には僕たちの辛さなんて 分からないんですよ」
ユーリ・エルファール「りあじゅう？ また訳分からん言葉を使いやがってさ」
シャルティア・グレーシア「ユーリ、ご飯行こう！」
シャルティア・グレーシア「手作りでパン焼いたんだよ！」
ユーリ・エルファール「おう、そうか！」
ユーリ・エルファール「じゃあな」
シャルティア・グレーシア「またね！」
石井「・・・・・・」
石井「そういうところですよ！」
石井「これだから、どこの世界もリア充は！」