HEROSHI

米子(公式)

第3話 子の心人知らず!(脚本)

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〇渋谷駅前
通行人(どうしよう、見失っちゃった)
通行人(たしか帽子は黒で・・・)
「あの」
ひろし「黒い帽子の人なら 右のかどを曲がりましたよ」
通行人「え・・・あ」
通行人「ありがとうございます!」
通行人(すごい あの人なんで分かったの!?)
ひろし「ふっ」
ひろし「また一人 迷える者を救ってしまった」
ひろし「やべ、早く凛子のところ行かなきゃ」

〇アパレルショップ
ひろし「お、凛子これ似合うじゃん」
凛子「そう?」
凛子「なら着てみようかな」
ひろし「これもいいかも!」
凛子「・・・・・・」
ひろし「ん? どした?」
凛子「ううん」
凛子「なんか、最近嬉しそうだなって」
ひろし「さすがだな・・・」
ひろし「やっぱ凛子には分かるのか」
凛子「もしかして ショーで主役でももらえそうなの?」
ひろし「いや、そうではなくて」
ひろし「実はな」
ひろし「凛子だけに言うんだけと・・・」
凛子「うん」
ひろし「とうとう俺」
ひろし「ヒーロー的能力を 手に入れちゃったんだよね!」
凛子「へー・・・」
凛子「ま、まぁよかったね」

〇大きいショッピングモール
凛子「じゃあ、また連絡するね」
ひろし「気をつけてなー」
ひろし(よし、俺も帰ろ)
(──たすけて、だれか)
ひろし「小さい男の子の声・・・?」
(はやくしないと)
(死んじゃうかも)
ひろし(なんだこれ、いつもよりやばくないか?)
ひろし(声の位置は──随分遠そうだな)
(ママが・・・ぼくのママが!)
ひろし(迷ってる場合じゃない! 行くぞ)

〇黒

〇外国の田舎町
ひろし「いや・・・」
ひろし「ここどこだ!?」
ひろし「電車3本乗り換えてタクシーで40分って」
ひろし「遠すぎるだろ・・・」
(ここから出なくちゃ)
ひろし「・・・待ってろ、今行く」

〇飼育場
ひろし「おそらく位置はここだな」
ひろし(豚小屋だ もしかして監禁でもされてんのか?)
ひろし(犯人と鉢合わせになる 可能性もあるからな・・・)
ひろし(慎重に行こう)
(だれかいる?)
(おねがい、たすけて)
ひろし(もう声はすぐそこだ)
ひろし(・・・見たところ 不審な人はいなそうだけど)
ひろし「誰かいますかー?」
子豚「ブー」
ひろし「悪いな、豚。お前じゃないんだ」
ひろし「おーい! ヒーローが助けにきたぞー」
ひろし「もう大丈夫だから出ておいでー」
  おねがい、はなしを聞いて
子豚「ブ、ブヒ」
ひろし「なんだこの豚、やけに人懐こいなぁ」
ひろし「あのな」
ひろし「俺は困っている声を聞いて 助けに来たんだ」
ひろし「お前何か知らないか?」
子豚「ブ、ブー」
ひろし「なんて」
ひろし「・・・豚が知るわけないか」
  ぼくだよ
ひろし「は!?」
ひろし「豚、お前なのか?」
  え、お兄さん
  ぼくの声が聞こえるの!?
ひろし「えぇぇぇ!?」
子豚(すごい!)
子豚(人とちゃんと話したのはじめてだ!!)
ひろし「まじか・・・これ動物も範囲内なのか」
ひろし「えーと・・・じゃあ」
ひろし「君が困ってるってことだよな」
子豚(そう! たいへんなんだ)
子豚(ママが、どこかに連れていかれて)
子豚(食べられちゃうかもしれない!)
ひろし「うん、ママってずっと言ってたもんな」
ひろし「君の──ママ・・・かぁ」
子豚(もう会えないかもって)
子豚(うぅ・・・ぐすっ)
ひろし「お、落ち着け、大丈夫だから」
子豚(ほんとに!?)
ひろし(まずいな、これは嫌な予感がする)
ひろし「よぉし・・・」
ひろし「お兄さん作戦考えてくるから」
ひろし「ちょっと待っててなー」

〇外国の田舎町
ひろし「こういうとこってたしか 入り口に看板があるはず・・・」
  ノンストレス・自然肥育
  ●×養豚場
ひろし「ほら~~~~やっぱり~~~」
ひろし「どぉーすんだよこれっ」
ひろし「無理だよ もはや自然の摂理というか・・・」
ひろし「俺がどうにかできる話じゃないだろ」
ひろし「・・・やめだ、やめ!」
ひろし「あの豚には悪いが 終電なくなるまえに帰ろ」

〇古いアパート
  帰宅後

〇古いアパートの一室
ひろし「はぁ~疲れた」
ひろし「寝よ・・・」

〇古いアパートの一室
(うぅ・・・)
子豚(ママ、しんぱいだよ)
ひろし(・・・やめろ)
ひろし(俺に声を聞かせるな)
子豚(でも・・・)
子豚(ぼくもしっかりしなきゃ)
子豚(あの人)
子豚(”だいじょうぶ”って言ってくれたもん)
ひろし「・・・あーー!!」
ひろし「もう・・・くそっ」
ひろし「やれるだけやってみるか」

〇空
  翌日

〇外国の田舎町
養豚場の人「あれ、何かご用ですか?」
ひろし「あ、はい」
ひろし「養豚場の方ですか?」
養豚場の人「ええ」
養豚場の人「ここの豚は自分が世話してるんです」
養豚場の人「愛情持って大事に育ててるから うちのはおいしいですよ」
ひろし「あの・・・」
ひろし「実は、お願いがありまして」

〇飼育場
養豚場の人「めずらしいですね」
養豚場の人「生きてる豚を買いたいなんて」
養豚場の人「一頭分の肉の購入は たまにあるんですよ!」
養豚場の人「バーベキュー用とかでね」
ひろし「ははは・・・」
ひろし「豚好きの知人にプレゼントしたくて」
養豚場の人「飼育の手続き等は問題ないですか?」
ひろし「はい それは向こうがやるって言ってたんで」
養豚場の人「では、どの豚も健康状態には 問題ありませんので自由にお選びください」
子豚(・・・きてくれたんだね!)
ひろし「この子でお願いします。あと親豚も一匹」
ひろし「この子豚を連れたまま選ばせてください」

〇外国の田舎町
男性「あ! あなたが並野さんですか?」
ひろし「はい、連絡をくださった方ですね」
男性「ええ。昨日は驚きましたよ」
男性「まさか無償で豚を譲りたい、 なんて人がいるなんて」

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次のエピソード:第4話 ヒーローには救えない!

コメント

  • ヒーローの移動手段が電車とタクシーなの最高です😂😂
    いきなりいのちの教室始まって笑いましたが(笑えない)、なるほどヒーローの苦悩とはこういう事⋯⋯😭
    力があれば誰でも救えるなんて、そんなわけないですもんね。しかもひろしは何の力もないままという⋯⋯
    インスタントな正義を振りかざすよりも、答えのない答えを求めてあがくヒーロー……もう大好きなので、最後まで心して見届けたいと思います!😭😭

  • う〜ん、難しい。永遠のテーマですね。一人(一匹)を助けるなら全員助けろ。そうでなければただの偽善。でも個人で出来る事には限界があるワケで。更に全員助けてしまうと今度は食が危うくなってしまう。
    とあるマンガで「この目に止まる人なら何とか守れる」というのを思い出しました。

  • “正義”とは何か?
    さながら哲学を感じる深みのある回…ヒーロー作品には欠かせないエッセンスと真正面から向き合うテーマとして、まさか養豚場からのSOSを用いるとは😂
    とても大好きです🐷
    なにげに生真面目な人ほど精神的に追い込まれてしまう能力ですよね…
    様々な救いを求める声に対して、彼なりのゴール地点をどこに見出だすのか…最後までとても楽しみです🥹

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