HEROSHI

米子(公式)

第2話 さんだーそんの憂鬱!(脚本)

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〇水中トンネル
凛子「すごい!!  海の中みたい」
ひろし「お~! 大迫力だな」
ひろし(凛子、楽しそうだ)
ひろし(この前のことも謝れたし、来てよかった)
凛子「ね、イルカショーも見るでしょ?」
凛子「行こう!」
ひろし(それに・・・こんなに人がいるんだ)
ひろし(誰かしらヒーローの助けを 必要としている人がいるはず!)

〇水族館前(看板無し)

〇ショーの水槽
凛子「うわ、混んでるね。どこ座る?」
ひろし「あの端の方行ってみるか」
(困ったな・・・どうしたらいいんだ)
ひろし(ん?)
ひろし(野太い男の声・・・)
ひろし(だが、それっぽい奴はいない)
(ことは大きくしたくないし)
ひろし(ってことは)
ひろし(・・・心の声か!?)
ひろし(松田君の件以来 どこに行っても一向に聞こえないから)
ひろし(能力消えたかと思って焦ったぜ~)
凛子「この距離ならステージの様子も分かるね」
ひろし(声との距離感はなんとなく分かる)
ひろし(・・・これもエンパシオンと同じだ)
ひろし(この感じだと・・・だいぶ遠くだな)
ひろし(水族館の外か)
ひろし(許せ凛子、これもヒーローの宿命!)
ひろし「うぅっ」
凛子「どしたの?」
ひろし「猛っ烈な腹痛だ・・・」
ひろし「悪い、俺は離脱する」
ひろし「凛子・・・」
ひろし「最高の一日を」
ひろし「おくってくれよな」
凛子「えぇ!?」

〇商店街

〇スーパーマーケット
(店舗の外にも カメラつけた方がいいのか?)
ひろし(声の距離が近い)
ひろし(・・・あれ?)
ひろし(このスーパーって)
「え、ひろし? 久しぶりだな!!」
ひろし「さんだーそん!?」
三田村「・・・三田村な!?」
ひろし「そっか」
ひろし「ここってお前んちのスーパーか」
三田村「あぁ、今年親父から引き継いで 今は俺が店長」
三田村「なんとかやってるよ」
三田村「ひろしは?」
三田村(凛子ちゃんとは 続いてるんだろうな・・・?)
ひろし「ん・・・」
ひろし「お前の声だったのか!? これ」
三田村「はぁ? 俺しかいないだろ」
ひろし「あ、いや、」
ひろし「こっちの話。凛子も元気だよ」
ひろし「ところで、さんだーそん」
ひろし「何か困ったことでもあったのか?」
三田村「なんだよ急に」
ひろし「さっきまで暗そうな顔してたから」
三田村「そうか?」
三田村(久々に会ったひろしに 万引きの話してもなぁ)
ひろし「もしや」
ひろし「万引きとか?」
三田村「え・・・なんで分かるんだよ!?」
ひろし「そりゃお前」
ひろし「ヒーローだからに決まってるだろ」
三田村「・・・その通り ここ数か月商品が減ってて」

〇スーパーの店内
三田村「店内に監視カメラもあるんだが 決定的なシーンが映らないんだよな」
三田村(それだけなら まだよかったんだけど)
ひろし「しかも── それだけじゃないと見た」
三田村「ひろし。お前、すげぇな」
ひろし「何年友達やってると思ってんだよ」
三田村「実は・・・犯人の目星はついてるんだ」
三田村「近所に住んでる高一の男子 その子の親も知り合いだ」
ひろし「うわ、気まずいな~」
三田村「誤認逮捕なんかした日には 近所から干されそうだろ?」
三田村「だから、下手に動けなくって」
ひろし「・・・その子が店に来る時間帯は?」
三田村「平日の夕方 4時から7時くらいだな」
三田村「そんなこと知ってどうすんだよ?」
ひろし「そりゃもちろん」
ひろし「俺が万引きの証拠を掴むんだよ」
三田村「え?」
ひろし「任せとけって!」

〇空
  翌日

〇事務所
ひろし「そろそろ時間だな」
三田村「ひろし! モニター見てみろ。来たぞ」

〇スーパーの店内
「こいつが例の高校生だよ」
「大人しそうな子だけどなぁ」
「見ろよ。 同じ所、行ったり来たりしてるだろ?」
「ん?」
「なんか今ポケット触ったぞ」

〇事務所
ひろし「完っ全に怪しいな」
三田村「けど、決定的な証拠にかけるだろ?」
ひろし(でもこれ、もしかして)
ひろし(今の俺の力なら)
ひろし「俺、声かけてくる」
三田村「やめとけって」
三田村「今行っても無駄だ、証拠がない!」
ひろし「いや、あいつが本当に犯人なら」
ひろし「証拠は聞こえてくるはず」
三田村「はぁ?」
ひろし「とにかく、絶対大丈夫だ!」

〇スーパーの店内
「いらっしゃいませ」
ひろし「何かお探しですか?」
少年「え・・・いや、別に」
ひろし(頼む! 俺のヒーローパワー)
ひろし(困っている人の声を聞かせてくれ!!)
少年(なんだこの店員・・・?)
少年(急に近寄ってきて、まさか)
少年(ばれた?)
ひろし「お客さん!!」
少年「はい?」
ひろし「ちょっと一緒に事務所来てもらえます?」
少年「・・・・・・」

〇事務所
三田村「ひろし! 本当に連れて来たのか!?」
ひろし「あぁ。君はここに座って」
少年「こんなとこに呼び出してなに?」
ひろし「単刀直入に言うけど」
ひろし「さっき万引きしただろ?」
少年「はぁ!?」
少年「してねーよ」
ひろし「いや、それは嘘だな」
少年「なら俺が犯人って証拠あんの?」
「ひろし代われ」
三田村「こうなると思ったんだよ」
三田村「──俺は、ここの店長だ」
三田村「数か月前からの君の行いは知ってる」
三田村「今正直に話すなら まだ酌量の余地はあるぞ」
少年「だからぁ」
少年「知らないって!」
少年「なめてんの?」
三田村「もういい・・・ポケット見せてもらうぞ」
少年「どうぞ」
  ごそごそ
三田村「・・・何も、ないな」
少年「ははは」
少年「お前の顔ネットに上げとくよ」
少年「この店長は客を犯罪者扱いするってな」
三田村「くそっ・・・」
ひろし「三田村・・・」
ひろし「鞄、内側のポケットだ」
少年「は?」
ひろし「数学のプリントに包んである」

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コメント

  • あー、どっちかギリわからない塩梅のラストいいですね⋯⋯😭
    さんだーそんて何かと思ったら三田村😂😂 僕もお知り合いのニックネーム羨ましいです!😂😂

  • これは…小さな事件から徐々に大きくなっていくやつですかね…!
    すごく良かったです!
    というか、彼女さん放置(笑)
    それはそれで争いに発展しそうですね🤣

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