お地蔵様物語(脚本)
〇空
まだ地上に時間と言う概念が無くお釈迦様の故郷ルンビニも無かった頃──
大昔のインドに「ヤマ」と言う名前のバルドルのように光輝く美男子の神様が居ました
しかしこの神様
美男子の御多分に漏れず
早死にだった為‥
ヤミー「ヤマは今日死んだ」
と、妹の女神ヤミーが嘆き続けたので、より上位の存在によって時間が作られ
ようやくヤミーは兄を亡くした悲しみを少しずつ薄れさせ立ち直る事が出来たそうな
(結果
生物には寿命と言う物が出来たわけなのですが!!️)
ヤマは後のアッチの世界の名宰相、閻魔大王様でその分身の
地蔵菩薩様でもあります!️※諸説あり
閻魔様が地蔵様の事を❤️とか閻魔様が地蔵様を気にしてる説もある位なので同一人物で無くとも切っても切れない間柄みたいです。
〇昔ながらの一軒家
私「新婚の頃」
私「私は」
私「いつも思ってた」
私「何故」
私「何故ここの婚家の人達は 顔も手も足も無い ただの石を 「お地蔵さん」と呼んで 手厚く 拝んでいるのだろうと」
私「ねえ、やっちゃん」
私「昔、それって 顔あったの?」
旦那「無いよ?」
私「廃仏毀釈で壊されたとか〰️」
坂本龍馬の霊「はっくしょん!️」
私「何かこう、削られた〜とか、 恐ろしい 言い伝えとか無いの?」
旦那「無いよ?」
私「う〜ん‥」
私「義理の姉も私に優しく」
旦那の姉さん「毎月1日と15日の夜にはご飯をお供えしてお燈明を灯してね」
旦那の姉さん「お地蔵さんはピンチの時助けてくれる」
旦那の姉さん「アタシも若い時良く助けて貰ったわ」
私「お地蔵さんとの付き合い方を懇切丁寧に教えてくれた」
旦那の姉さん「でも祟られそうで何か怖い‥」
私(何したんだろ)
〇昔ながらの一軒家
私「それでも」
私「週末には花を供えたり」
私「毎晩お茶を供えたり」
私「月二回はご飯をお供えして お燈明を灯したり、」
私「お地蔵さんとの付き合い方も 徐々に慣れて行きました」
私(‥でも、やっぱりただの石にしか見えない‥)
〇空
私「まあ、釈然としない何かが残るんですが」
私「本地垂迹(神仏集合の一種の考え方)では、地蔵菩薩様は閻魔大王(ヤマ)の化身なので」
私「同一人物として話を進めます」
私「なお、この作品は特定の団体や宗教とは全く関係ない、単なる作者の趣味の範囲内の話なので、安心してお召し上がり下さい❤️」
私「さて」
私「先に仏様になられたお釈迦様の命を受け 地獄に落ちた人達を救う為に 自ら地獄住みを選ばれた地蔵菩薩様」
私「仏様に次ぐ霊格を持ち、 すぐにでも悟りを開き」
私「仏様になれるのが 菩薩様なのですが」
〇裁きの門
地蔵菩薩「全ての衆生を救う請願を果たさずば、私は菩薩界には戻りません」
彼の能力は先ず請願ありきで天から与えられた物なので、全ての人々が救われる、または彼自身がそういった事に興味が無くなったら
‥おそらくその能力は消えて無くなる事でしょう。(が、まず使命に嫌気が差して彼が諦める事自体有り得ない💧)
そうして彼は地獄の門をくぐり、
今も、衆生(人々)と共に地獄を含めた六道輪廻を旅しておられるのです
私「何と変わった、いや、殊勝な お人でっしゃろ💧」
〇空
数年後
私数年後「やって来ました法隆寺」
私数年後「ここには国宝地蔵菩薩立像が」
私数年後「これこそが彼の本当のお姿‥」
お前・・・
いつもワシに茶や花を供えているではないか‥
〇昔ながらの一軒家
旦那「あのお地蔵さんはね」
旦那「婆さんや母ちゃんや姉ちゃん、 代々の女達が手を合わせて 拝み続けて来たんだよね」
私数年後「それだけでも凄い事だと思う」
私数年後(私は一生涯ここを離れる事は無い──)
私数年後「だってお地蔵さんが居るのだもの──」
-完-
勉強になりました!!
お地蔵様は素晴らしい方ですね💦
わざわざ地獄にまで来て人を救うなんて!!
できた人、いや菩薩様なのでしょう。
私は信心深くもなく、こうしたことも詳しくないのですが、世の中は苦しみが多いからこそ、救済の教えもあるのでしょうね。素晴らしい作品ありがとうございますm(_ _)m
表紙のお地蔵様。
いいお顔ですねえ。
有難いことです。
南無南無
素晴らしい作品ですね!習慣が風習、そして信仰へと昇華していく姿を見ているようでした!
法隆寺の地蔵菩薩立像、素晴らしいですよね!きっと「お地蔵さん」も顔が無くてもステキなのでしょうね!