神様からの三行半

金平 旺大

第12話(脚本)

神様からの三行半

金平 旺大

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〇広い和室
淡雪「はい、卵焼きです」
ツクヨミ「また??」
淡雪「練習中なんで (∀`*ゞ)テヘッ」
ツクヨミ「それにしても、 シャワー浴びても その服で通すんだな」
淡雪「可愛いでしょ」
ツクヨミ「まぁ、 ゲーム好きとしては たまらん服装だな」
ツクヨミ「それに、 ちょっと見えてるし。 ・・何かとは言えないが・・」
淡雪「うわっ、 見えてました? 長いスカートしか履いたことが なかったから慣れないもので・・」
ツクヨミ「でも、 俺は前のほうが好きだけどな」
淡雪「え? そうなんですか?」
ツクヨミ「前の落ち着いた雰囲気のほうが 俺は好きだ」
淡雪「いや、そんな、 好きって言われても・・・」
ツクヨミ「服が、だよ。 淡雪にはそっちのほうが 似合ってた」
淡雪「そうですか? 私は、地味で目立たない自分に コンプレックスがありましたから、 こっちのほうが好きですけど・・」
ツクヨミ「なんだてっきり 自分の良さを活かして 服を選んでいるのかと思ってたよ」
淡雪「良さ、ですか? 神社に来る男性の反応を見つつ、 少しずつマイナーチェンジを していただけなんですけど・・」
淡雪「わかりました。 今は参拝客も増えていますので、 会社に戻れるようになったら 服を戻すことを検討します」
ツクヨミ「そうしてもらえると助かる」
淡雪「・・また明日から頑張りましょうね。 願いをバンバン叶えて ポイントを稼ぎましょう」
ツクヨミ「おぅ、頑張ろうな」
淡雪「では私は寝ますね。 おやすみなさい」
ツクヨミ「あぁ、おやすみ」
淡雪「・・卵焼き、どうでした?」
ツクヨミ「甘かったけど、 この前よりマ、・・美味しかったよ」
淡雪「良かった。 途中で砂糖が切れてしまったので 自信がなかったんですよ」
淡雪「今日はゆっくり眠れそうです」
ツクヨミ「砂糖がないほうが平和かもな」
ツクヨミ「あ、もう寝室に行ったか」
ツクヨミ「しばらく休みをもらってるから ゆっくり手伝うか・・」

〇神社の本殿
ツクヨミ「もうそろそろ集まったんじゃないのか?」
淡雪「いえいえ、 願いを叶えたポイントはあくまでも目安。 神様が帰ってこようと思うまでは 頑張って貯めていかないといけません」
ツクヨミ「へいへい、 今日もこき使われるのね」
淡雪「まだ四日目じゃないですか。 音を上げるには早すぎます」
ツクヨミ「音をあげたくなるような お願いを持ってくるのは誰なのかね」
コマ「・・・あの・・」
淡雪「男は黙ってお願いを叶える。 夫婦生活における潤滑油だと、親戚のおばさんが言ってました」
ツクヨミ「・・ずいぶんストレスが 溜まっていたみたいだね」
コマ「・・・あのぉ・・」
淡雪「おばさんとも全然会ってないなぁ」
コマ「あの (--〆)」
ツクヨミ「どうしたんだ、コマ」
コマ「あの、 私は何をすればよろしいでしょうか」
淡雪「コマさんは 変な霊が来たときにやっつけてください。 もし強かったら私たちを呼んでください。 飛んできますから」
コマ「飛んでいけるのは私の特技ですけど、 ・・まあ、いいでしょう」
コマ「最近は霊は来てませんし、 木霊も落ち着いています。 早めに帰ってきてください」
ツクヨミ「わかったよ。 じゃあ、行ってくるよ」
コマ「ツクヨミ様、 ちょっといいですか」
ツクヨミ「え、どうした?」
コマ「明日、久しぶりに タケハ様が帰ってきます。 なので、 明日は出かけないでほしいのです」
ツクヨミ「おー、そうか・・・」
ツクヨミ「いや、・・・」
ツクヨミ「明日は帰ってこないように言うんだ」
コマ「それは、タケハ様に言うのですか?」
ツクヨミ「そうだ。 今回は帰ってくるな、 そう言うだけでいい」
コマ「なぜでしょう。 少しだけですが、完成させたお札を 持って帰ってきたいと・・」
ツクヨミ「それのことじゃなくて、 淡雪のことだ」
ツクヨミ「あいつは淡雪のことが 好きなんだろ?」
コマ「・・私はよくわかりませんが、 好意を持っていることは確かかもしれません」
ツクヨミ「じゃあ、聞くが、 タケハは淡雪のどこに好意を抱いていると思う?」
コマ「それは・・・わかりません」
ツクヨミ「ずばり、 淡雪の清楚なところだ」
ツクヨミ「化粧っけがなくて、 服もシンプル。 眼鏡をかけても似合いそうな子。 離れていても兄弟だ。あいつの好みくらいはわかる」
ツクヨミ「・・今の淡雪はどうだ。 メイクもばっちり。 髪もあれだけ染めて・・」
ツクヨミ「それに見てみろ。 ちょっと下から覗いたら ・・・あれはパンツが見えるぞ」
淡雪「何かエロい目で私を見てましたけど、 行かないんですか」
ツクヨミ「あ、ごめん、行く」
ツクヨミ「だからだ、 絶対帰ってこさせるな。 あれを見たら全身石化して、もうお札を作りに行けなくなるぞ、わかったな」
コマ「そう、なのでしょうか? わかりました。 今回は帰ってこないように言っておきます」
ツクヨミ「少しずつ説得して 元に戻しておくから安心しろ」
淡雪「もう、何しているんですか。 朝の10時からは犬の散歩ですよ」
ツクヨミ「はいはーい、 今行きまーす」
コマ「ん~、 お寺に電話してみましょうかね。 ・・・はて、私の声は向こうの方に 届くのでしょうか?」

次のエピソード:第14話

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