発電所編パート4(脚本)
〇山奥のトンネル
〇走行する車内
葛城乙葉「あ、あのっ・・・」
橘宏美「ん、どうかした?」
葛城乙葉「今から行く発電所ってどういう所なんですか・・・?」
橘宏美「ごめん、俺も詳しくは・・・」
活動家「宝満電力って知ってますよね?あそこが建てようとしていた無人水力発電所です」
橘宏美「日本の施設なのに詳しいんですね」
活動家「まあ、こういう団体やってますから」
葛城乙葉「あはは・・・」
橘宏美「・・・で、宝満電力と言ったら」
活動家「ええ、昔に原発事故起こして解体された企業です。ほら、後にグループの重役とその家族が頭を潰された死体で見つかったっていう」
橘宏美「・・・闇の仕置人がやった、ってやつですね」
活動家「疑惑ですけどね」
活動家「で、今から向かう発電所は、原発事故の前に市と宝満が連携して建設が進んでた所で、多額の裏金が流れてたとか」
活動家「でも重要なのはそこじゃありません。なんと、この発電所・・・」
橘宏美「・・・何か、あるんです?」
活動家「・・・世界初の、全てのシステムをAIで制御する、完全な無人発電所として建設が進んでいたんです」
橘宏美「完全無人発電所・・・もうSFの世界ですね」
活動家「施設自体は完成、AIもプログラム完了。あとは試験的に動かすだけだったんですが・・・」
活動家「その段階で原発事故、あとは皆さんの知る通りです」
活動家「そして今から向かう発電所は、制御用のコンピュータとAIがそのまま残っているんです」
橘宏美「なら、少しばかり掃除して、起動の着火剤となる電力を入れれば・・・?」
活動家「ええ、動きます」
橘宏美「・・・で、その為のエンジニアさんと」
葛城乙葉「え、エンジニアなんて、そんな・・・」
橘宏美(・・・意外とかわいいな、彼女・・・)
活動家「・・・っと、見えてきましたよ」
〇湖畔の自然公園
〇巨大研究所
葛城乙葉「私達の街に、こんな施設があったなんて・・・」
橘宏美「灯台下暗し、近くの事ほどわからんもんさ」
活動家「よし、アンナベルさんから貰った鍵で開いた!!」
橘宏美「これで入れますね、その・・・」
活動家「・・・?どうかしました?」
橘宏美「いや、そういや俺、あなたの名前知らないなって・・・」
活動家「あ・・・」
活動家「はははっ、そういえばそうでした!!」
活動家「俺はボブです、改めてよろしく!!」
橘宏美「こちらこそ、ボブ!!」
葛城乙葉「ま、また置いてけぼりぃ〜・・・」
〇黒
〇薄暗い廊下
橘宏美「・・・へえ、雰囲気あるじゃん」
葛城乙葉「うっ、臭い・・・」
葛城乙葉「小学校にあった、ザリガニの水槽みたいな匂いがします・・・」
橘宏美「立地が立地だからね、多分ダム湖の匂いだよ・・・」
ボブ「よし・・・じゃあ、行きましょう。みなさん私の後ろについてきてください」
モブ「は、はい・・・!!」
〇黒
────予め施設の地図を持たされていたボブを先頭に、発電所組は施設内を進んでいった・・・
〇廃墟の倉庫
橘宏美「ここは・・・」
ボブ「地図では倉庫って事になってるけど・・・」
橘宏美「倉庫って言っても、ここ完全無人倉庫なんですよね。こんなだだっ広いのあったって仕方ないような・・・」
葛城乙葉「──────ッ!!!」
葛城乙葉「きゃああ!!」
橘宏美(むっ・・・胸が腕に当たって・・・!!)
葛城乙葉「なっ、何ですか・・・あの大きな・・・!!」
橘宏美「!!!!」
橘宏美「まさか新手のゾンビか!?」
ボブ「いえ、よく見てください。あれはただの機械ですよ」
橘宏美「・・・ああ、言われてみれば」
ボブ「見たところ重機だけど・・・まるでアニメに出てくるロボット。これは一体・・・?」
葛城乙葉「・・・あっ」
橘宏美「葛城さん?」
葛城乙葉「思い出しました、このマシンは”リクガニ一号”です!!」
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