発電所編パート2(脚本)
〇大会議室
────城南大病院
会議(カンファレンス)ルーム。
青野健次郎「本日は皆様にお集まり頂いた事を、まずは感謝します」
青野健次郎「ここにいる皆様は、それまでの探索の結果を集計し、身体、リーダーシップ、状況判断等特に優れていると判断された──」
青野健次郎「──いわば”エース探索者”です」
橘宏美(・・・あっ、葛城さんもいる)
橘宏美(あの子もエースだったんだ・・・すごいな)
青野健次郎「連日の停電を見てもわかるよう、現在この病院は電力の供給が不安定になっています」
青野健次郎「並びに食料に関しても通常の探索では全員分を賄う事はできず、病院内の貯蓄も磨り減る一方です」
青野健次郎「食と電力、この二つを早急に確保する必要があります。そこで・・・」
〇巨大研究所
〇大会議室
青野健次郎「宝満電力の水力発電所。これを起動させる事で電力を補う」
青野健次郎「そして────」
〇港の倉庫
〇大会議室
青野健次郎「中央市場の冷凍倉庫内にある、市場に降ろされる前の食料を確保する」
青野健次郎「これで、今現在病院の抱える問題は、当面の間は解決します」
青野健次郎「そこで、皆様エース探索者を二つの班に別けて、片方は発電所に、もう片方は倉庫に向かってもらいます」
青野健次郎「・・・プレッシャーをかけるようで申し訳ありませんが、ここにいる人々の運命はあなた方にかかっています」
青野健次郎「どうか、ご健闘を!!」
橘宏美「・・・・・・・・・」
橘宏美(こりゃ、大変な作戦になりそうだ・・・)
柳生花凛「ふふっ!!次の探索も一緒にがんばろーね オニーサン♡」
橘宏美「ちょっと待って花梨ちゃん、そうは言うけど次の探索も一緒って保証はないよ?」
橘宏美「もしかしたら別の班になるかも・・・」
柳生花凛「えー?そんな事ないわよ!!」
柳生花凛「だってぇ・・・♡あたしとオニーサンは運命の赤い有刺鉄線で結ばれてるんだから♡」
橘宏美「例えが怖いよッ!?なんだよ運命の赤い有刺鉄線って!?」
柳生摩耶「そっ、そうよ花梨ちゃん!!あまり宏美くんを困らせるような事は・・・」
柳生花凛「大丈夫大丈夫!!ママもオニーサンとちゃーんと繋がってるから!!」
橘宏美「実母をハーレムに組み込もうとしないでっ!?冗談じゃなかったらタダじゃすまないよそれ!!」
柳生摩耶「・・・・・・・・・・・」
橘宏美「ほらぁ、摩耶さんも困っちゃってるよ・・・」
橘宏美「それに俺は、花梨ちゃんとも摩耶さんともお付き合いはしません!!」
柳生花凛「えーっ!?なんでよ!?美少女と美女の両手に花よ!?」
橘宏美「そういう欲に身を任せた不誠実なやり方は日本じゃ必ず天罰を受けるって相場が決まってるの!!本人達の合意は関係なしにね」
橘宏美「それに・・・俺だって自分の身の程は弁えてるつもりだよ。だから俺はいくら身体が興奮しようとも・・・」
橘宏美「俺は花梨ちゃんのような未成年には手を出さない!!」
橘宏美「そんな甲斐性も無いから摩耶さんとそういう関係にもなったりしない!!」
橘宏美「それが、立場を弁えたちゃんとした人間の生き方ってもんですよ」
橘宏美「摩耶さんも、今の関係ならまだしも俺が娘さんを恋愛対象として見てたら母親として許せないでしょう?」
柳生摩耶「・・・・・・・・・」
柳生摩耶「・・・・・・・・・ええ・・・はい」
橘宏美(・・・あれっ?思ったよりウケ悪いな?)
橘宏美(子を守る母親として、娘に欲情するような男は許せないハズなんだが・・・おかしいな)
柳生花凛「・・・もうっ!!オニーサンのにぶちん!!」
アンナベル羽佐間「・・・・・・」
アンナベル羽佐間「『道徳や倫理というものは、必ずしも人生の豊かさを保証してくれるものではない』」
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