英雄親子は名誉を捨てる

筑豊ナンバー

8話「手段は人道的に選ぶ」(脚本)

英雄親子は名誉を捨てる

筑豊ナンバー

今すぐ読む

英雄親子は名誉を捨てる
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇巨大な城門
騎士B「止まれ」
不知火 白夜「第二騎士団のカイザーです。 囚人を移動するため開門の方お願いいたします」
騎士B「そんな話聞いてないぞ!!」
不知火 白夜「急遽決まったため調整できていないようですみませんね」
騎士B「なにをふざけた事を!!」
リンカ(このままじゎあまた牢屋に逆戻だぞ? さぁどう切り抜ける?)
不知火 白夜「あー後これを渡して欲しいと頼まれまして」
騎士B「これは!?」
  門番の騎士は渡された手紙を見るなり拳を握りしめ怒りを抑えながら白夜を睨んだ。
騎士B「通っていいぞ・・・」

〇草原の道
リンカ「一体どんな手を使ったのかな?」
不知火 白夜「簡単な話だ。あの門番の家族を人質にした。 さっき渡したのは家族が待っている場所を印した手紙だよ」
リンカ「どうして? 少なくともあの人の家族は関係ないだろ?」
アレックス・ワトソン「他に選択肢はあったか? あったんなら教えてもらいたいな」
リンカ「だけど!」
アレックス・ワトソン「綺麗事で全て解決するならそもそも戦争なんて言葉は存在しない。 あんたもわかってるはずだ」
リンカ「だけど・・・それじゃ先に進めないままじゃないか」
不知火 白夜「安心しろ。俺は理由もなく殺しや拷問はしない。寧ろ今からあの兵士には感謝されることになる」
リンカ「?・・・それってどういう意味?」

〇西洋風の部屋
騎士A「二人とも無事か!!」
騎士A「え!?」
少年a「お父さん!!誕生日おめでとう!!」
妻「あなた!おめでとう!!」
騎士A「な!なに!?」
妻「この子がどうしても「お父さんの誕生日は内緒で祝いたい!」って言うからカイザーさんって言う旅人さんに協力してもらったの!」
少年a「大成功だね!」
騎士A「なんだ・・・そんなことにだったのか・・・」
少年a「父さん?何で泣いてるの?」
騎士A「いや!何でもない」
騎士A「父さん今日は休むから!精一杯祝ってくれ!!」
少年a「うん!いっぱい準備してあるから楽しんで!!」

〇兵舎
  机の上に資料を並べて情報を整理する。
  学校の亡霊はミカの協力のおかげで対処できたが問題はなぜ亡霊が表れたのか。
   亡霊の姿は生徒と思われる。
  だが制服のデザインはひとつ前の物だ。
  
   現在使われている制服は、5年前に採用されたもの。
  少なくともあの亡霊は5年以上前からいたと言うことになるが、校内は管理人が定期的に見回りをしているはずだ。
  五年間も噂にすらならなかったのか?ありえない。
  恐らく誰かが何かしらの目的で作り出したのだろうがなぜ複数ある学校であの学校なのか、他と違うことは「英雄」が二人いる事だ。
  「裏切りのアサシン」不知火 白夜と「魔王殺しの英雄」ミカ。どちらも自身の希望で英雄である事を隠している。
  にも関わらず亡霊を産み出した何者かはそれを知っていた。
  犯人は二人を戦場で見た事のある軍関係者だろう。
  さらにあの二人に恨みをもっているとすれば「魔王軍」に所属していた残党の可能性が高い。
  資料の中で一つの紋章を見る。
   赤い目をした骸骨が紫の王冠を被っている物だ。
  これは魔王が使っていたものなのだが、最近は魔王教を名乗るテロリストが使っている。
  国中がこのテロリストにより恐怖に落とし入れられているのが現状で東軍はこれを殲滅しようと動いているが尻尾をつかめずにいた。
  勘が正しければ亡霊事件は魔王教が関係している可能性が高い。
クロ「魔王様よぉ・・・あんたが恐れてた事が起きちまってるぞ・・・」

〇西洋の街並み
リンカ「そんな?!魔王は倒したばずじゃあ?!」
  白夜が馬車を手配しているという村が見えたと思えば村の中央に魔王の旗が立てられていた。
不知火 白夜「あれは魔王じゃない。クソッタレの魔王教徒のクズどもだ」
  終戦とは平和を意味する言葉ではない。
  あくまで大規模な戦争の終わりを意味する言葉である。

次のエピソード:9話「戦後の恨み」

成分キーワード

ページTOPへ