英雄親子は名誉を捨てる

筑豊ナンバー

9話「戦後の恨み」(脚本)

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〇西洋の街並み
不知火 白夜「・・・馬車を手配した村はここであってるはずなんだが・・・」
リンカ「ホントにあってる?鈍りすぎて地図も読めなくなっちゃったんじゃ?」
アレックス・ワトソン「待て!あれはなんだ?」
  白夜が馬車を手配しているという村が見えたと思えば村の中央に魔王の旗が立てられていた。
リンカ「そんな?!魔王は倒したばずですよね?!」
不知火 白夜「あれは魔王じゃない。クソッタレの魔王教徒のクズどもだ」
不知火 白夜「少し見てくる。待ってろ」
  白夜は村の奥へ潜入していった。
   彼の実力なら問題ないだろう
アレックス・ワトソン「なあ?魔王って誰なんだ?」
リンカ「そうですね。あなたもこちらの世界 に来た以上知っておくべき事でしょう」

〇戦場
  かつて「東の国」と「西の国」は百年に渡る戦争を続けており、戦争に終わる気配はなくより激しくなっていく一方だった。
  そんなある日
  魔王軍が表れ第三勢力として「西の国」、「東の国」と敵対した。
  数は少ないものの、一人一人が強者揃いだった魔王軍はあっという間に「西の国」、「東の国」を追い詰めた。
  このままじゃ不味いと考えた両国は、休戦し魔王を倒すために強者を揃えた部隊「魔王討伐師団」を結成。
  魔王討伐師団は見事、魔王を打ち破ることに成功した。
リンカ「これがつい最近の出来事だ」
アレックス・ワトソン「じゃあその魔王討伐師団ってやつにあの娘は・・・」
リンカ「・・・そう言うことだよ」

〇教会内
  旗が立てられていた村にある古い協会に来てみると魔王協会と思われるカルト集団が集会を行っていた。
邪教徒「ああ。魔王様よ。我ら愚かな人類を滅ぼしたまえ」
邪教徒「我ら信者はあなたのため中性を誓った。あなたのため全てを捨てた。あなたのため・・・」
邪教徒「生け贄を捧げた」
不知火 白夜(こいつら・・・イカれてやがる)
  ここにいてもこれ以上情報は入ってこないし頭が悪くなりそうだ。他の情報を漁ろう。

〇荒廃した街
  協会を出ると村人達であろう老若男女大量の死体が転がっていた。
  生々しい赤い血が雨で流れ水溜まりを染めている。
  周辺は鉄の匂いが染み付いており鼻がどうにかなりそうだ。
不知火 白夜「あのグズども子供まで殺すのか?」
アレックス・ワトソン「なあ?これはあの薄気味悪い信者どもが殺ったのか?」
不知火 白夜「ああ。生け贄だといっていた」
アレックス・ワトソン「馬車は?」
不知火 白夜「無事だったが奴らが邪魔だ」
アレックス・ワトソン「問題ない。皆殺しだ」
  軍人時代、護衛していた村が襲撃を受け子供が大勢殺された事がある。
  敵の兵士は皆殺しにしたがそんなことをしても子供達は戻ってこない。
  その時見た地獄の用な光景がこの世界にもある。
  それも戦争による物ではなくテロリストによるにがってな犯行だ。
  許せるはずがない
不知火 白夜「あんた!魔法が使えたのか?!」
アレックス・ワトソン「いや。こんなの始めてだ。・・・だが目的のためなら」
  突然現れた魔方陣にゆっくりと手をのばす。この中に手を入れれば何が起こるのかはわからない。
  腕を失うことになるかもしれないし、最悪死ぬかもしれない。だが、説明できない自信が自然とアレックスを動かした。
アレックス・ワトソン「コイツは・・・」
  魔方陣からてを抜くと出てきたのはハンドガンm92fだった。
  軍人時代使っていた銃のひとつで何度も命を守られた銃でもある
アレックス・ワトソン「敵の数は?」
不知火 白夜「・・・30」
アレックス・ワトソン「蹴散らすぞ」

〇教会内
邪教徒「さぁこれで魔王様は復活し我々人類を滅ぼしていただけるでしょう!」
邪教徒「あの!教祖様!!」
邪教徒「どうしました?」
邪教徒「外を見てください!!」
邪教徒「なんだ!なぜ炎が!?」
邪教徒「なんだ!・・・これ?」
邪教徒「誰だ?貴様ら!!我々の邪魔をするつもりか?」
邪教徒「やれ!」
「殺ってみろ」

〇ヨーロッパの街並み
ラン「魔王教徒って知ってる?」」
  ランがオカルト好きなのは知っていたがまさか魔王の単語が出てくるとは思わなかった。
ミカ「いやぁ知らないねえ」
  魔王教徒の話しは聞いたことはあるが深くは知らない。
ラン「魔王を信仰してるんだけどやることが過激すぎるって話だよ」
  ランが通りすがりの人と肩をぶつけてしまった。
ラン「あっ!すみません!」
  だが反応はなくそのままいってしまった。
ラン「あれ?視界・・・が?・・・?」
ミカ「ラン!」
  肩を揺らすが反応がなく、肩から少量だが血が出ている。
ミカ「これって?!」
  振り返ったがさっきの人影はなく代わりに紙が落ちていた。
  紙には「毒はオリジナルの物だ。解毒薬は、俺がもっているものだけ、ほしけりゃ一人で、東部協会に来い。」と書かれている。
クロ「嫌な予感してつけてみれば・・・案の定だな」
ミカ「クロさん!」
ミカ「こいつは俺が面倒見てやる」
クロ「お前は行ってこい」
ミカ「・・・はい。ランをお願いします」
クロ「・・・ったく戦争はもう終ったってのに人間って怖いもんだな」

〇教会の中
ミカ「言われた通り来ましたよ!」
「よく来たな!」
  忍者刀が喉元めがけて振りかざされた。
  とっさに交わして反撃したが軽く交わされてしまった。
不知火 明花「クソ兄貴は元気か?「魔王殺しの英雄」様よぉ!」
  彼女のことは戦場で何度が見たことがある。
  白夜の妹「不知火 明花」だ。
ミカ「なぜあなたが!!」
不知火 明花「お前を殺せば兄貴は俺を殺しに来るだろ?」
ミカ「そんな理由であんなことをしたんですか!!」
不知火 明花「まあ、そう怒るなよ!もうお互いフリーなんだから。楽しもうぜ?」
ミカ「そんなに白夜さんが憎いんですか?!」
不知火 明花「ああ、そうさ!アイツは俺のすべてを奪った!主も家族も皆アイツに殺された!アイツが裏切ったから!」
ミカ「ッ!!」
不知火 明花「おら!どうした?魔王殺し!!さっさと俺を殺して見せろ!!」
ミカ「293」
不知火 明花「あ?」
ミカ「今まで殺してきた人の数です」
不知火 明花「それがどうした?」
ミカ「私はこの数を増やしたくない」
不知火 明花「偽善者が!もういい!殺してやる!!」
ミカ「殺さずに止めてみせます!」

次のエピソード:10話「求めていた者」

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