前科少女、冒険者になる

レモネード!

第七話 前科少女と警察官(脚本)

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〇中華料理店
レイ・トランクィリ「ウメェ!!!ウメェェェェ!!!」
リアーナ・エーコ「フフフ、それは良かったですわ」
レイ・トランクィリ「おい!これも持ってきてくれ!」
レイ・トランクィリ「気に食わねぇと思ってたけど勘違いだったぜ!!」
レイ・トランクィリ「お前は世界一良いやつだな!」
レイ・トランクィリ「うっめ!!」
リアーナ・エーコ「フフ、好きなだけ食べてくださいな」
リアーナ・エーコ(最期くらい・・・・・・たらふく食べてもバチは当たりませんわ)
レイ・トランクィリ「こっからここまで全部寄越せ!」
リアーナ・エーコ「ちょっとは加減してもよろしくてよ?」
レイ・トランクィリ「余計な心配だぜ!!!」
レイ・トランクィリ「これも持ってきてくれ!!」
リアーナ・エーコ(全く・・・・・・)
リアーナ・エーコ(でも、これから彼女には世界を救って頂くのですわ・・・・・・)
リアーナ・エーコ(これくらい・・・・・・)
リアーナ・エーコ(いえ、どんな代償も安いものですわ)

〇開けた交差点
レイ・トランクィリ「うぃ〜、食った食った!」
リアーナ・エーコ「私の財産が底を尽きそうですわ〜」
レイ・トランクィリ「わりぃな、確かに食い過ぎちまった」
リアーナ・エーコ「構いませんわ!私のお願いを一つ聞いていただけるのなら」
レイ・トランクィリ「願い?」
リアーナ・エーコ「・・・・・・・・フィアデスという古代の怪物をご存知?」
レイ・トランクィリ「知らねーよ、古代の怪物なんて、どっかの宗教の話か?」
リアーナ・エーコ「宗教・・・・・・確かに昔、フィアデスの言い伝えを残した宗教も存在しましたわね」
リアーナ・エーコ「ですが、フィアデスを賛美する宗教は存在しなかった」
レイ・トランクィリ「なんでだ?」
リアーナ・エーコ「人とは共存出来ない存在なのですわ」
リアーナ・エーコ「どんな終末論者も決して口にはしない・・・・・・」
レイ・トランクィリ「じゃあ食ったらあたしが初になるのか!」
リアーナ・エーコ「全く・・・・・・貴方には呆れますわ」
レイ・トランクィリ「そのフィアデス?ってバケモンをぶち殺せばいいんだろ?」
リアーナ・エーコ「ええ、ですが・・・・・・まだ貴方には力が足りませんわ」
リアーナ・エーコ「貴方、魔法は使えますの?」
レイ・トランクィリ「魔法は使えねぇ!」
リアーナ・エーコ「これからレイさんには自己強化魔法を覚えていただきますわ」
レイ・トランクィリ「炎とか雷とかじゃねーのか?」
リアーナ・エーコ「フィアデスに魔法攻撃は通じませんわ」
レイ・トランクィリ「じゃああたしとルモルで行くか」
リアーナ・エーコ「斬撃も効果は無い可能性が高いですわ」
レイ・トランクィリ「じゃあ何が効くんだよ!!」
リアーナ・エーコ「フィアデスはかつて2度、撃退されていますわ」
リアーナ・エーコ「一度目は魔法により、二度目は斬撃によりダメージを与え、別々の方法で封印した」
レイ・トランクィリ「二度目の時には魔法が効かなかったってことか」
レイ・トランクィリ「それで、打撃で戦うあたしに出番が来たわけだな!」
リアーナ・エーコ「そういうことですわ」
リアーナ・エーコ「フィアデスの耐性は"その攻撃"に対するものであって、"その現象"ではありませんわ」
リアーナ・エーコ「例えば、炎魔法に耐性はあっても、火自体に耐性はありませんの」
リアーナ・エーコ「レイさんの手刀は通じるので、安心して下さいな」
レイ・トランクィリ「おうよ!」
レイ・トランクィリ「化物だか何だか知らねーけど、ぶっ殺してやるぜ!!」
リアーナ・エーコ「レイさんには期待していますわ」
リアーナ・エーコ「私の難題を全て突破してみせたのですから」
レイ・トランクィリ「当たりめーだぜ!簡単すぎたくらいだな!」
リアーナ・エーコ「流石ですわ!本来、新米冒険者なんて下級に負けて増援を呼ぶくらいのもの」
リアーナ・エーコ「増援も無く中級を倒せるレイさんは一握りの逸材ですわ」
レイ・トランクィリ「あったりめーだろ!あたしは今まで一度も負けたことなんてねーからな!」
レイ・トランクィリ「・・・・・・いや、あれは負けか?」
リアーナ・エーコ「あら?レイさんは一度逮捕されていますが、その時の警察官とかですの?」
レイ・トランクィリ「あぁ、サッさんにはしてやられたぜ」
レイ・トランクィリ(ナントカって奴の前に、サッさんに一言文句言ってやりてぇな!)

〇荒廃した街
レイ(幼少期)「おらっ!!」
不良A「ひぃぃ!!もう勘弁してください!!」
不良B「オレ達あんたに逆らうつもりなんて無かったんです・・・・・・!」
不良B「ただすんげぇ腹減ってて・・・・・・」
レイ(幼少期)「ここにあるものは、ぜんぶあたしのもの!」
レイ(幼少期)「ぬすむヤツはぶっころしてやる!」
  レイは、蹲る不良達へ向け血まみれの拳を振り上げる。
不良A「ひぃぃぃ!!!・・・・・・あれ・・・・・・?」
レイ(幼少期)「はなせよ、ぶっころされてぇのか?」
サズ「人を殴っちゃダメだよ」
レイ(幼少期)「うっせぇ!」
サズ「げふっ!!」
レイ(幼少期)「あたしにさからうんじゃねー!」
サズ「君に逆らうつもりは無い!少し話を聞いてほしいんだ!」
レイ(幼少期)「はなし?メシくれんならかんがえてやるよ」
サズ「わかった、最高に美味い店に連れていくよ」

〇ラーメン屋のカウンター
レイ(幼少期)「うめぇ!!こんなうめぇもんはじめてくった!!」
レイ(幼少期)「おまえいいヤツだったんだな!!かんちがいしてたぜ!」
サズ(食い過ぎだろ・・・・・・行儀悪いし・・・・・・)
サズ(店主とお客さんの視線が痛い・・・・・・)
サズ「行儀悪いよ・・・・・・怒られちゃうよ」
レイ(幼少期)「うっめ!!」
サズ「皿は食うな!」
店主「オイ!!オメェふざけた食い方してんじゃねぇ!」
レイ(幼少期)「ウメェ!!!」
店主「オメェだよクソガキ!!」
  店主は、勢いよくレイの肩を掴んだ。
レイ(幼少期)「あ?テメェなんだ?」
店主「なんだじゃねぇ!!ふざけた食い方すんなら出ていけ!!」
サズ「す、すみま──」
レイ(幼少期)「あたしのメシをじゃまするヤツは、ぶちころす!!」
店主「がはっ!?」
客達「キャァァァァァ!!!」
レイ(幼少期)「うまかったぜー、ごちそーさん」
サズ「お、おい!待て!」

〇荒廃した街
サズ「待て!!」
レイ(幼少期)「んだようるせーな」
サズ「店主への暴行・・・・・・傷害罪だ」
レイ(幼少期)「しょーがいざい?なにいってんだ?」
レイの子分「帰ってきてらしたんですねぇ、レイさん」
レイの子分「おや?サツがおるようですが?」
レイ(幼少期)「ああ、コイツはサツっていうのか」
レイの子分「おいあんた・・・・・・レイさんには歯向かわない方がいいっすよ」
レイの子分「あんたらケーサツ如きに敵うお方じゃありませんので」
レイの子分「オラァッ!!」
サズ「っ・・・・・・!!」
  突如として迫った刃を、辛うじて躱した。
サズ「くっ・・・・・・やるしかないか・・・・・・」

〇荒廃した街
レイ(幼少期)「はらへった〜・・・・・・」
レイ(幼少期)「まあまあだな!」
レイ(幼少期)「でも・・・・・・」
サズ「はぁ・・・・・・はぁ・・・・・・」
サズ(何とか退けたが・・・・・・)
レイ(幼少期)「サツ、もっかいメシくわせろ」
サズ「は・・・・・・?」
レイ(幼少期)「くわせろっつってんだ!!!!」
サズ(もうこの子とは飯に行きたくね〜・・・・・・)
サズ(どうするか・・・・・・・・・・そうだ!!)
サズ「君、名前は?」
レイ(幼少期)「あたしはレイっていうらしい」
サズ「らしい・・・・・・?」
レイ(幼少期)「みんなレイってよんでる!」
サズ「両親はいないのか?」
レイ(幼少期)「りょーしん?」
サズ「いや・・・・・・なんでもない」
サズ「旨いものを食べたいって話だったな?」
レイ(幼少期)「ああ!!」
サズ「それなら、刑務所って所に行くといい」
レイ(幼少期)「けーむしょにいけばうまいもんくえるのか!」
サズ「ああ!毎日食えるぞ!」
レイ(幼少期)「おまえいいやつだな!!はやくつれてけ!!」

〇公園のベンチ
レイ・トランクィリ(結局、ムショの飯は記念日以外石みてーなもんだったな)

〇公園のベンチ
レイ・トランクィリ「ん・・・・・・」
レイ・トランクィリ「なんだこの煙」
レイ・トランクィリ「まあいいか・・・・・・」
レイ・トランクィリ「ん・・・・・・?なんか手紙が置いてあるな」
レイ・トランクィリ「ギルドの呼び出しか」
レイ・トランクィリ「ん・・・・・・?」
  手紙の隣で、伝書鳩が死んでいた。
  体は腐り、泡を吹いている。
レイ・トランクィリ「今日、なんか気分わりーよなー」

〇洋館の玄関ホール
レイ・トランクィリ「随分集まってんな・・・・・・」
サティ・メソエル「うぐっ・・・・・・おえっ・・・・・・」
レティシア・コーラル「なんか今日気分悪いよね・・・・・・」
レイ・トランクィリ「おい」
ルモル・フローリー「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
レイ・トランクィリ「おい!!!」
ルモル・フローリー「あっ、えっと・・・・・・なに・・・・・・?」
レイ・トランクィリ「なんだ?気分わりーのか?」
ルモル・フローリー「ええ・・・・・・朝から体調悪くて・・・・・・」
レティシア・コーラル「ルモルさんも・・・・・・」
レイ・トランクィリ「おい、お前も気分わりーのか?」
義正「拙者ももう年か・・・・・・」
レイ・トランクィリ(どいつもこいつも気分悪そーだな)
レイ・トランクィリ「あれ、あの変なのは・・・・・・」
オルドー・クラーク「みんな風邪でも引いてんのか?」
レイ・トランクィリ「お前は平気なのか?」
オルドー・クラーク「少し頭が痛てぇけど、大したことないぜ」
オルドー・クラーク「この装備の力だな!」
レイ・トランクィリ「へー、それは──」
レイ・トランクィリ「うおっ!?」
サティ・メソエル「うぅ・・・・・・もう嫌・・・・・・だから冒険者なんてなりたくなかったのに・・・・・・やめたい・・・・・・」
レイ・トランクィリ「お前・・・・・・えっとー・・・・・・」
レイ・トランクィリ「サティ!!お前どうしたんだ?」
サティ・メソエル「死にたい・・・・・・あの世には美味しいものがいっぱいあって・・・・・・みんながチヤホヤしてくれて・・・・・・」
サティ・メソエル「幸せ!!わたし幸せだよ!!楽しい!!」
サティ・メソエル「やだ・・・・・・帰りたい・・・・・・ママ・・・・・・パパ・・・・・・」
レティシア・コーラル「ごめんね、この子今朝からずっとこの調子で・・・・・・」
サティ・メソエル「わあぁぁぁぁぁん!!!レティシアぁぁぁぁ!!!」
サティ・メソエル「あう・・・・・・?」
レイ・トランクィリ「意味わかんねーことばっか言ってんじゃねーよ!!」
サティ・メソエル「あうあ?」
レティシア・コーラル「ごめんなさい、この子は片付けとくから・・・・・・」
レイ・トランクィリ「いや、コイツはおかしくねーのかもしれねぇ」
レティシア・コーラル「え?」
レイ・トランクィリ「周りの奴ら見てみろ」
冒険者A「アハハハ!!!!アハハハハ!!!みんな・・・・・・みんな死ぬんだ・・・・・・!!」
冒険者B「ああ・・・・・・誰か・・・・僕の体に蛆虫が・・・・・・こんなに・・・・・・こんなに沢山・・・・!!」
冒険者C「あああああぁぁぁぁぁぁ!!!!」
サティ・メソエル「うるさいっ!!!うるさいっ!!!うるさいっ!!!!!」
レイ・トランクィリ「ほらな、みんなおかしくなっちまってる」

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コメント

  • レイさん……食べ物にホイホイ釣られるのは幼少時から変わらずww それが彼女らしさとも言えそうですし、ヒトとしての本質なのかもしれませんねw

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