英雄親子は名誉を捨てる

筑豊ナンバー

7話「表っズラの平和」(脚本)

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〇暖炉のある小屋
アレックス・ワトソン「先生、いじめは無いですよね?」
不知火 白夜「ええ、もしあったとしても自分が許しません。たとえ上級国民でも徹底的にしばきます」
アレックス・ワトソン「それは安心ですね!うちの娘がおかしな方向に進みそうな時があったらよろしくお願いします」
  リンカの仲裁により勘違いによる殺し合いは回避できた後、今は百夜が借りているぼろ宿に身を隠している。
  二人は生徒の保護者と担任に当たるためかまるで家庭訪問のような緊張感はありつつも親しげな会話を始めた。
アレックス・ワトソン「いやぁ~斥候ってもうできればやりたくないですよねぇ~」
不知火 白夜「ばれたらそのまま囲まれて終わりですもんそりゃ誰もやりたがりませんよ! こんな役割!!」
  二人は殺しあっていたとは思えないほど意気投合し、だんだん話がずれていく。
リンカ「二人とも!仲良くなるのはいいけどここからどうやって逃げるのかは決まったの?」
不知火 白夜「安心しろ。すでにては打ってある。 後は少し待って出るだけだ」

〇ファンタジーの学園
ミカ「どうしよう・・・」
  学校に教科書を忘れてしまった。
   置き勉が白夜先生に見つかったら間違いなく殺される。
  どうにかして、持ちか帰らないと。学校まできたのはいいが校門は閉まっていた。
クロ「なにやってんだ?」

〇城の廊下
クロ「全く。英雄様が忘れ物とはな」
ミカ「魔王軍最強の男が東軍に転職してるとは思いませんでしたよ」
  この男はかつて倒した魔王の部下。そのなかでも最強と言われた魔王軍総帥、「不死の死神」クロ・カインズだ。
  終戦後、彼はその実力から東軍からスカウトされ今で東軍最強の一角として平和のためにじんりょくしている。
クロ「念のため言っとくが俺は今の生活を気に入っている。お前に敵意はないし危害を加えるつもりもない」
ミカ「気に入ってるわりには目の光が昔より減ってるんですけど?」
クロ「・・・」

〇教室
ミカ「あった!」
  探していた教科書とノートを回収できた。
  後は帰るだけだ。
ミカ「クロ!要はすんだから帰ろ!!」
  クロとコンタクトを取ろうと振り返った瞬間大鎌が降り降ろされてきたため反射的にすんでのところで横へ転がり込んで交わす。
  すぐに立ち上がり周囲を確認しながら武器をとりだす。
  魔法陣から取り出した一本の刀の刃先はクロではなく、もう一人のこの場に”『いた』”者の方向へ向けた。
???「助けて・・・」
クロ「すまん!発見が遅れた!」
クロ「こいつが俺の目的だ。悪いが協力してのらうぞ『魔王殺し』!!」
ミカ「了解。指示に従います!」
クロ「コイツはもう人間じゃない。器を失って魂だけになった亡霊だ」
クロ「通常攻撃はきかないがお前の妖刀『世斬り』なら有効のはずだ。 防御は任せろ!お前は真っすぐ突っ込んで一撃で方をつけろ!!」
ミカ「了解!!」
???「・・・ころして」
クロ「今だ!前へ!!」
???「ころしてころしてころしてころしてころしてころしてころしてころしてころしてころしてころしてころしてころしてころして」
  目標との距離を一歩詰めるたびに彼女の痛み、苦しみ、孤独が妖刀を通して伝わってくる。
  いたい
       たすけて
  どうしてわたしが  だれかきて
   みんなは? もういや  ころして
  たすけてたすけてたすけて
  距離を詰めて間合いに入った瞬間、刀を振り上げる。
ミカ「よく耐えましたね。 もう大丈夫です」
  刀を振り下ろした瞬間彼女は笑った。
???「ありがとう・・・」
クロ「終わりか・・・」
クロ「いやーお前がいて助かった。ありがとなー」
ミカ「・・・私がいなかったらどうするきだったんですか?・・・まさか!!」
  亡霊を倒すのが目的だったようだが彼には亡霊を倒すすべはない。まさかと思うがクロは・・・
ミカ「私の教科書をが教室にあったのはあなたがしくんだからじゃ!?」
クロ「何のことだ?身に覚えがないなぁ~」
ミカ「とぼけないでください!」
クロ「そんなことより」
ミカ「そんなことって・・・」
クロ「なんであんな一瞬で俺を信じた?」
クロ「俺とお前は元々敵同士で直接やりあったなかだろ?そんな奴にかばうためとはいえ攻撃されたってのにお前は・・・」
ミカ「だってあなたとは」

〇中世の街並み
アレックス・ワトソン「殺しあう理由がないだろ?」
  門までの道中武器を向けあった直後だというのにやたら仲良くなった二人に理由を聞いてみると不思議そうにそうこたえた。
リンカ「まあ喧嘩されても困るけど・・・そんなものなのかい?」
不知火 白夜「そもそも信用できるかできないかは目を見ればわかるだろ?」
リンカ「うーん・・・やっぱり僕は軍人じゃないからわかんないな」
アレックス・ワトソン「軍人以前に常識だろ?」
リンカ「言っとくけど二人の常識はずれてるからね」
不知火 白夜「そろそろ黙れ。門番にみられるぞ!」
騎士B「とまれ!これより持ち物検査を実施する!」

次のエピソード:8話「手段は人道的に選ぶ」

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