タイムトラベルにまつわるエトセトラ

タトネ

Ep6:並列回路(脚本)

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〇本棚のある部屋
仏斗「タイムトラベル、してみたいよな」
健介「また、いつものヤツが始まったか」
仏斗「でも、タイムパラドックスは恐ろしいよな」
健介「その話前にもされたような気がするなあ」
仏斗「お前、それ”デジャヴ”じゃないか?」
健介「その話も前にした気がする・・・」
仏斗「まあ、いいだろう。 とにかく、タイムパラドックスだ」
健介「何がまずいんだっけか? そのタイムパラドックスは?」
仏斗「結果と原因、つまり因果がひっくり返るので、世界の原則が乱れる──」
仏斗「──つまり、世界が崩壊するんだ」
健介「でも、そんな簡単に世界って崩れるものなのか?」
仏斗「そうなんだよ、 いいところに気づいたね、君」
健介「少しイラッとするな。その口調は」
仏斗「えーと、まあそうだ 世界はそんな簡単に壊れないよ、多分」
健介「壊れないなら、どうなるんだ?」
仏斗「・・・・・・並行世界が生まれる!」
健介「並行世界?」
仏斗「そう、ここと限りなく似ている、別の世界だ」
健介「それと、世界が壊れないことの関係はあるのか?」
仏斗「過去を変えた時点で世界が二つに分岐するんだ」
仏斗「例えば、俺がタイムマシンを作った世界をA世界としよう」
仏斗「で、そのタイムマシンで健介が過去に向かい、過去の俺を殺す」
健介「また俺が殺人鬼にされるのか・・・」
仏斗「殺した後、健介は現代に戻ってくるのだが、そこには俺はいない」
健介「まあ、過去で殺しちゃってるからな その頃は墓の中だろうね」
仏斗「つまり、俺が生きてタイムマシンを作ったA世界とは別のB世界に健介は来たわけだ」
健介「ちょっと待ってくれ、 俺は時間移動しかしてないんだろ?」
健介「なんで別世界に来ちゃってるんだ?」
仏斗「だから、並行世界なのさ」
仏斗「健介が俺を殺した瞬間、世界は二つに分岐して、二つの並行世界になったんだ」
仏斗「俺が生きてる世界A、そして健介が俺を殺した世界B・・・」
健介「仏斗が生きてるのがA世界、死んで墓石になってるのがB世界ってことね」
仏斗「俺を殺した健介にとっては、すでに俺は死んでいる人間なわけだからさ」
仏斗「健介にとって正しい未来は、俺が死んでいるB世界になるってことさ」
健介「だから、現代に帰ろうとするとB世界の現代にたどり着くわけか」
健介「なんとなく・・・わかった気がする」
仏斗「並行世界を作ることで、世界に生じる矛盾を解消し──」
仏斗「タイムパラドックスによる世界の崩壊を防げるんだ」
健介「・・・ん? 俺が過去に行った後のA世界はどうなる?」
仏斗「さあ?」
健介「ここまで長々と説明しておいてなげやりだな」
仏斗「まあ、健介も帰ってこないしタイムマシンの実験は失敗扱いになるんじゃないか?」
健介「実験結果を聞きたかったわけじゃないんだが・・・」
仏斗「そうやって、並行世界ができていくことでタイムパラドックスは防がれるんだけど」
仏斗「このままだと無限に世界が増え続けることになるよな?」
健介「確かに。 大丈夫なのか?それで?」
仏斗「だからさ、俺は思うんだ」
仏斗「増えすぎた並行世界を間引くために──」
仏斗「神は、意図的にタイムパラドックスを起こすんじゃないかって」
健介「意図的・・・に?」
仏斗「そうだ、 不要な並行世界を崩壊させるために」
仏斗「あえて過去に未来人を送り込むとかして、タイムパラドックスを引き起こして──」
健介「──不要な世界を、”間引く”のか」
仏斗「このことに俺が気づいてしまった時点で」
仏斗「きっとこの世界も不要だと判断され、”間引き”されることになるだろう」
健介「・・・まさかっ!?」
未来人「コンニチハ、ミライカラキマシタ」
  そして世界は崩壊した。

次のエピソード:Ep7:其の世界

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