タイムトラベルにまつわるエトセトラ

タトネ

Ep5:繰り返す日々(脚本)

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〇公園のベンチ
仏斗「タイムトラベル、してみたいよな」
健介「また、いつものヤツが始まったか」
仏斗「なんか、このやりとり前にもしたような気がするな?なんて思ってるんじゃないか?」
仏斗「それが、”デジャヴ”だ!」
健介「いや、気がするとかじゃなくて明らかにこの導入は何回もしてるからね」
仏斗「それもそうだな」
健介「で、デジャヴって結局何なんだよ」
仏斗「自分が経験したことがないことを、今経験しているはずなのに──」
仏斗「なぜか、過去に経験したことがあるように感じてしまうことだ」
健介「えーと、実際には初めてってことだよな?」
仏斗「そうだ。 初めてなのに初めてじゃない気がする──」
仏斗「そんな感覚を、 ”デジャヴ”と呼ぶんだ!」
健介「へえ、そんなことあるのか」
仏斗「え、お前はデジャヴの経験ないのか?」
健介「いや、特にないと思うな・・・」
健介「普通はあるものなのか?」
仏斗「少なくとも俺は何回かあるな」
健介「へぇ、例えばどんなのがあったんだ?」
仏斗「初めて買ったお菓子のはずだけど、口に入れたらなんか食べたことある気がしたとか」
健介「絶対それ前に買ったこと忘れてるだけだろ」
仏斗「昼飯食べてる最中に『あれ、今日昼飯2回目じゃね?』って思ったり」
健介「認知症の爺さんかお前は!」
仏斗「冷蔵庫に入れてたはずのプリンが、食べてないのに無くなってたりとか」
健介「ただの物忘れ激しい人じゃねぇか!」
仏斗「まあ、最後のは冗談としてもだ」
仏斗「”デジャヴ”って、実は失われた未来の記憶なんじゃないかって思うんだ」
健介「失われた・・・ってどういうことだ?」
仏斗「未来の記憶を持ったまま過去に移動すると、タイムパラドックスが起きるだろ?」
仏斗「だから、過去にいくためには記憶を消去する必要があるんじゃないかって」
健介「また、壮大な話が始まったな・・・」
仏斗「記憶を消すことによって、因果律の歪みをギリギリ許容範囲に抑えるとか──」
仏斗「記憶を代価に、因果の補正が働くとか そういう理由があるんじゃないかって」
健介「最近、新しい漫画でも読み始めたのか?」
仏斗「・・・・・・」
仏斗「つまり、デジャヴは消えた記憶の断片なんじゃないかってことだよ」
健介(スルーしやがったよこいつ)
仏斗「つまり、デジャヴを経験してないお前は紛れもなく現代人なワケだが、」
仏斗「数多くのデジャヴを経験している俺は実は未来人なんじゃないか!?」
健介「そんな無茶苦茶な・・・」
仏斗「その証拠に、今朝俺の部屋で自分で書いた記憶のないメモを見つけたんだ」
健介「は?・・・メモ? 何が書いてあったんだ?」
仏斗「聞いて驚くなよ・・・」
仏斗「『今日俺は未来人に会った』 そう書いてあったんだ」
健介「待って、何だかわからないけどすごい嫌な予感がする!!」
仏斗「お、もしかして”デジャヴ”か? お前も未来人だったのか!?」
健介「デジャブとかそう言うのじゃなくてこれは・・・!」
  その瞬間、周囲はまばゆい光に包まれた!
未来人「こんにちは、未来から来ました。 君が仏斗くんかな?」
  そして世界は崩壊した。

次のエピソード:Ep6:並列回路

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