〇時計台の中
山田カテル「お、ヤブル なんやかんやでチーム組めたのか」
才馬ヤブル「まあな」
タカシ「はじめまして　タカシです」
山田カテル「おう ヤブルはちょっと性格は悪いけど よろしくな いやー、ヤブルにも友達が出来て よかった！」
才馬ヤブル「フッ うるせーよ」
山田カテル「じゃ、俺行くわ 次の対戦楽しみ ま、100万円はおれが頂くがな」
タカシ「今のは？」
才馬ヤブル「幼なじみってやつさ 俺を嫌ってんのかなんなのか 読めねーやつだが」
タカシ「彼　戦闘能力は高いの？」
才馬ヤブル「ああ　喧嘩はおれの次に強い 頭は悪いがな」
タカシ「なるほど インプット完了」
才馬ヤブル「この街はなにもかもがインチキだ この争奪杯もそう それを暴露するためにも まずは勝たねーとな」
タカシ「そうでなくちゃ やりがいがないと言うもの！」
職員「さあ、おまたせしました 第２試合は Ｖギークス　VS　エレクトリックシープ」
名取キクオ「Vギークスです！」
山田カテル「よろしくー」
タカシ「エレクトリックシープのタカシだ」
才馬ヤブル「チーム名は単なる思いつきだが こっちはパワーだけじゃなく 頭脳もピカイチ とくとご覧あれ」
職員「さあ第２試合は、別ステージでの 戦いになります」

〇地下の避難所
山田カテル「ここが第２ステージ？」
名取キクオ「薄ら寒い場所だ」
職員「試合はすでに始まっています しかし両者はまだ ステージを捉えるので精一杯 探り探りです」
名取キクオ「これは？コントローラー？ そうか、これでゲームのパズルを 解くのか」
山田カテル「おし、俺はできるだけ進んで 出口までの糸口を探るわ」
名取キクオ「糸と言えばこれだ これでお互いの体を繋げば 迷子にはならない」
山田カテル「よしパズルを解いたら 糸を引っ張って知らせてくれよ」
名取キクオ「分かった カテルは先へ」
山田カテル「さて、」
山田カテル「こうやって花びらで目印しとけば バカな俺でも迷うまい 出口は・・・・・・ あっちか！」
山田カテル「それにしても、随分かかるな キクオ、パズルは解けたか？」
山田カテル「しかも相手チームの気配が全然しねえな」
山田カテル「!?」
山田カテル「糸が・・・・・・ 切れてやがる！」
山田カテル「なんか嫌な予感 戻らなきゃ」
才馬ヤブル「キクオくんはさすが天才プログラマーだ さ、ポイントをいただこうか？」
名取キクオ「い、いやだ 絶対渡さない」
名取キクオ「いざとなればこのハリセンで・・・・・・ こちらから君たちチームの ポイントを奪うことだって可能だ！」
才馬ヤブル「やってみろよ！」
名取キクオ「うっ」
才馬ヤブル「おら！」
名取キクオ「ダイレクトアタック！ ルール違反じゃないか！」
山田カテル「ヤブル！ 何してやがる!?」
才馬ヤブル「スーパーヒーローのお出ましか 手応えのねえオタク殴っても つまらねえし丁度いいぜ」
才馬ヤブル「俺に勝てたら、大人しく退こう」
名取キクオ「カテル！挑発に乗っちゃだめだ！」
キクオ「タカシくん！なぜボクを 羽交い締めにするんだ？」
タカシ「フフフ 俺もただの優等生じゃないってことさ」
山田カテル「くそが！」
才馬ヤブル「フッ　手加減すんなよ 勝ちてえんだろ？」
山田カテル「ったりめーだ！ でも今のはキクオの仕返しだ これ以上はやるつもりはねえ ゲームに戻れ」
才馬ヤブル「おめえよ 昔からそうだな　 俺に説教じみたこと言ってよ その価値観はどこから来てる？」
タカシ「カテルくんの話は聞かせてもらったが 君はお坊さんかなんかなのか？」
山田カテル「はあ？なんの話だ？」
才馬ヤブル「おめえはよお能天気すぎんだよな 俺は知ってるんだよ この街のカラクリも 貴様の父親のこともな」
山田カテル「父さんがなんだ？ 父さんは真面目に仕事して 俺を育ててくれたんだ！ バカにするな」
才馬ヤブル「フッ せいぜい、そう思ってろ！」
タカシ「ヤブル、そろそろ時間だ」
山田カテル「なんだ？」
才馬ヤブル「ゴリラ・タイムのはじまりか」
職員「おーっと、これは大変です！ 制限時間まであと３分 ここからはステージに ゴリラが投入されます！」
アレックス「ウゴブオオ ギャギャー！」
山田カテル「やべえ、ゴリラが 迷路を破壊しながら暴走している」
山田カテル「キクオ大丈夫か？」
名取キクオ「なんとか とにかく出口まで行かなきゃ」
山田カテル「でもゴリラが暴れていて 何がなんだか・・・・・・」
山田カテル「分かった！キクオ むしろ突っ込むぞ！さあ！」
名取キクオ「え、ええ〜？」
アレックス「ウギャボー ウギャボー」
名取キクオ「そ、そうか！」
山田カテル「ちょっと危なかっしいが ゴリラさんが壁を壊してくれてるから」
名取キクオ「むしろゴールまで一直線！」
山田カテル「やった！クリアだ！」
名取キクオ「おし！」
職員「なんと制限時間ぎりぎりで クリアしたのはVギークス！ エレクトリックシープは パズルを解き始めるのが 遅かった！」
　　Vギークスに負けた
　　エレクトリックシープは
　　敗者復活戦で、再浮上
　　ヤブルのルール違反は、
　　今回は気づかれなかった

〇小さい会議室
　　ここは選手控室
山田カテル「なんとか勝てたぜ それにしてもヤブルの野郎 友達ができてちったあマシになったかと 思えば」
名取キクオ「カテルっていつもそうだよね ヤブル君のことも、結局は 救おうとしている」
山田カテル「い、いやあ　普通にムカつくときも あるけど でも、小さいころから知ってるし 奴には悪に染まり切ってほしくないってか」
名取キクオ「なるほどね」
クラゲ「お二人とも、おめでとうございます」
名取キクオ「突然びっくりした」
山田カテル「やあ、君 今度はレース＆ダッシュだけど 次は負けないよ」
クラゲ「前から聞きたかったんだけど あなたたちは何のために勝とうとしてるの」
名取キクオ「ボクはカテルの夢を応援してるよ」
クラゲ「夢？どんな夢なの？」
山田カテル「とある女のコがいてさ 俺その子と水族館に行きたいんよ 水族館に行くための条件が 100万円の指輪なわけ」
クラゲ「はあ？なにそれ？ くっだらない あんた騙されてんじゃないの？」
山田カテル「騙されてるとか、絶対そんなことないから サクラちゃんはミステリアスだけど 素直でいい子なんだよ」
クラゲ「サクラちゃん！分かった！ スコラスコラ大学の丸山サクラね どんな子かは知らないけど めっちゃモテる子じゃん！」
クラゲ「そう！そのサクラちゃんには すでに他の男がいて あんたは弄ばれてんのよ そんな不埒な男の夢なんか つぶしてやるから！」
山田カテル「なにそんな怒るの？ 君の言ってること根拠ないじゃん」
クラゲ「とにかく私はあなたたちには 負けません！」
山田カテル「行っちゃった」
名取キクオ「二次元じゃない女のコって 実にフクザツだ」
　　こうして、バトルを通じて
　　交錯する思い
　　夢の奪い合いに、人々は揺れる
　　明日はどっちだ？
　　
　　つづく