第六話 前科少女と壊れた町(脚本)
〇女性の部屋
サティ・メソエル「ん・・・・・・」
サティ・メソエル「目・・・・・・覚めちゃった・・・・・・」
サティ・メソエル「・・・・・・ミルク、飲もうかな・・・・」
〇ダイニング(食事なし)
サティ・メソエル「・・・・・・また、レティシアに助けられちゃったな・・・・・・」
サティ・メソエル「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
サティ・メソエル「なんで・・・・・・レティシアはわたしに優しくしてくれるんだろ」
サティ・メソエル「わたしは・・・・・・レティシアが好き」
サティ・メソエル「だけど・・・・・・嫌い」
〇学校の廊下
サティ・メソエル(期末テスト・・・・・・わたしの順位は)
サティ・メソエル「2位・・・・・・か・・・・・・」
サティ・メソエル(また2位・・・・・・どうせ1位は)
女子生徒「レティシアちゃん凄いなー!満点なんて!」
レティシア・コーラル「ありがとう!」
サティ・メソエル(レティシア・コーラル・・・・・・)
サティ・メソエル(テストはいつも満点、それに運動神経も抜群で明るい優等生)
サティ・メソエル(わたしには遠い存在だな)
レティシア・コーラル「サティさん!」
サティ・メソエル「えっ、あ、はい!」
レティシア・コーラル「良かったら一緒に帰らない?」
サティ・メソエル「あ、あっ・・・・・・うん」
〇ゆるやかな坂道
サティ・メソエル(き・・・・・・緊張する・・・・・・)
レティシア・コーラル「サティさん」
サティ・メソエル「な、なに?」
レティシア・コーラル「私ね、あなたのこと・・・・・・尊敬してるの」
サティ・メソエル「え・・・・・・!?・・・・・・な、何言ってるの・・・・・・?」
サティ・メソエル「ば、ばかにしてるだけならやめてよ」
レティシア・コーラル「違う違う!私は氷魔法が苦手だから、得意なサティのことを尊敬してるの!」
サティ・メソエル「レティシアさんは他の魔法全部出来るじゃん・・・・・・氷魔法だって凄いし」
レティシア・コーラル「私はそんなに立派じゃないよ、ただ人より少し魔法が得意なだけ」
サティ・メソエル「少し・・・・・・」
サティ・メソエル(それなら・・・・・・わたしの氷魔法だって、人より少し得意なだけ・・・・・・)
レティシア・コーラル「ねえ!私と友達になってよ!」
サティ・メソエル「と、友達!?」
サティ・メソエル「な、なんで?」
レティシア・コーラル「もっとサティさんのこと、知りたいって思ったから!」
レティシア・コーラル「ダメかな?」
サティ・メソエル「そ、そんなことない・・・・・・よろしくね・・・・・・」
〇ダイニング(食事なし)
サティ・メソエル(レティシアは頼りになって、優しくて・・・・・・わたしには勿体ないくらいの、大切な友達・・・・・・)
サティ・メソエル(だけど・・・・・・)
サティ・メソエル(合わないなって感じるときもある・・・・・・友達なのに・・・・・・守ってくれるのに・・・・・・)
サティ・メソエル「わたし・・・・・・最低だな・・・・・・」
サティ・メソエル「うぅ・・・・・・っ・・・・・・」
サティ・メソエル「・・・・・・・・・・・・?」
サティ・メソエル「なんの音・・・・・・?」
レイ・トランクィリ「わ、わりぃ・・・・・・」
レイ・トランクィリ「ベッド・・・・・・割っちまった・・・・・・」
サティ・メソエル「え・・・・・・・・・」
レイ・トランクィリ「金がねぇんだ・・・・・・弁償は勘弁してくれ・・・・・・!」
サティ・メソエル「あ、わ、わかった・・・・・・」
レイ・トランクィリ「サンキュー!お前良いやつだな!」
レイ・トランクィリ「じゃ、あたしは帰るわ!またな!」
サティ・メソエル「あっ・・・・・・ちょ・・・・・・!」
〇洋館の玄関ホール
数日後・・・・・・
レイ・トランクィリ「おう!今日の任務は・・・・・・」
レイ・トランクィリ「って、お前またいるのかよ!」
リアーナ・エーコ「今日はちょっと用事がありましたの〜」
レイ・トランクィリ「用事?なんだそれ」
リアーナ・エーコ「レイさんに危険度中級の任務なのですが」
リアーナ・エーコ「今回は二人で行ってもらいますわ〜」
レイ・トランクィリ「へー、別に中級なんて一人でもいいくらいだぜ」
リアーナ・エーコ「私もそれを考えたのですが、どうしても今回の任務に参加したいという方がいまして」
レイ・トランクィリ「どいつだ?」
リアーナ・エーコ「この方ですわ!」
義正「何もこのような者を同伴させずとも、拙者一人で充分この任務を果たして──」
リアーナ・エーコ「この任務は元よりレイさんの任務ですわ」
義正「むう・・・・・・足は引っ張るでないぞ」
レイ・トランクィリ「はっ、お前がな」
リアーナ・エーコ「今回は異国の事件ですわ!転移の魔法を行いますので、お二人はこちらに」
リアーナ・エーコ「着いた後、詳しい場所は義正さんからお聞きになってくださいな」
〇城下町
レイ・トランクィリ「ひでぇ天気だなぁ・・・・・・」
義正「一年間ずっと・・・・・・この町には雷が降り注いでおる」
レイ・トランクィリ「一年間!?・・・・・・どうりで誰もいないと思ったぜ」
義正「拙者も元は・・・・・・この町の武将・・・・・・大滝様の家臣であった・・・・・・」
義正「だか・・・・・・この雷を起こす悪しき魔物に挑み・・・・・・命を落とされた・・・・・・」
レイ・トランクィリ「そうか・・・・・・」
レイ・トランクィリ「・・・・・・・・義正!かの敵を討つぞ!」
義正「・・・・・っ!」
義正「そうだな・・・・・・必ずやかの魔物を討ち、町に平和を取り戻す」
義正「それが我が主の願い・・・・・・!」
〇屋敷の大広間
レイ・トランクィリ「いや〜、建物の中は快適でいいなぁ」
義正「酷い雨漏りをしておると思うが・・・・・・」
レイ・トランクィリ「ムショくらいだな、問題無しだ!」
義正「お主は強いな・・・・・・」
義正「報告によると、奴の縄張りはこの先だ・・・・・・覚悟は良いか?」
レイ・トランクィリ「おう!」
義正「お、お主、突然何を投げておる!?」
レイ・トランクィリ「この方が手っ取り早いぜ!!」
〇屋敷の大広間
壁が崩れたその瞬間、途轍もない威力の電撃が二人を襲った。
レイ・トランクィリ「うおっ!?」
雷獣「グルルル・・・・・・」
義正「雷獣・・・・・・!!我が主の仇・・・・・・!」
義正「うりゃあぁぁぁぁぁぁっっっ!!!」
レイ・トランクィリ「ジジイ!避けろ!!」
義正「っ・・・・・・!拙者には構うな!お主はお主自身の身を守れ!」
義正「他に気を回していて勝てる敵では無いぞ!」
レイ・トランクィリ「ったく、死んでもしらねぇぞ!!」
義正「ぐあああっっっ!!!」
義正は勢いよく吹き飛ばされ、壁に叩きつけられる。
レイ・トランクィリ「ぐっ・・・・・・鬱陶しい・・・・・・近づけねぇぜ」
レイ・トランクィリ「っ!!!」
雷獣「効かぬ、我の豪雷の前には貴様の攻撃など届かぬわ!」
レイ・トランクィリ「あの金髪と似た喋り方だな・・・・・・ムカつくぜ」
レイ・トランクィリ「よっと!」
目にも止まらぬ速度の斬撃を、レイは躱してみせる。
レイ・トランクィリ「はっ!遅ぇぜ!」
レイ・トランクィリ「いくら雷が邪魔くさくても、組付きゃ殴れるだろうが!!」
レイ・トランクィリ「おらっ!!」
レイは雷獣に組付き、関節技をかける。
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悩めるサティさんとお構いなしのレイさん、これもまた対極的で……ベッド破壊してそのまま立ち去るレイさん、これはちょっとヒドすぎですよねww