灰色の世界

空ノ宮葵

青(脚本)

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〇空
あおい「──やあ」
  声がした。
  柔らかな声。
  わたしは意識を声の方に向けた。
  青髪の少女と目が合う。
  彼女はにっこり笑った。
  ──人がいる。
  誰もいないと思っていた街に。
  わたししか知らないはずの街に。
  音もなく突然現れた。
  どこから現れた?
シラユキ「だれ・・・?」
  他人がこわい。
  他人とは関わりたくない。
  今すぐ逃げ出したいのに。
  できなかった。
あおい「そっか、忘れちゃったんだね」
  忘れた・・・?
  彼女とは初対面のはず。
  いや、でも大切な人だったような・・・。
  わからない。
あおい「本当は覚えてて欲しかったな〜なんて でも会えてうれしいよ、シラユキちゃん」
シラユキ「あ・・・」
  何かが頬を伝う。
  これは、なんだろう?
  わからない。
  とまらない。
あおい「助けに来たよ」

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