第12-2話『合宿2日目午後』(脚本)
〇遊園地の広場
三好優弥「遊園地があったのか」
宇喜多羽彩「何年ぶりだろう」
三好水葉「楽しみ!」
蒼村優「絶対お化け屋敷には入りませんからね」
三好水葉「まあお化け屋敷より怖いところいったしね」
三好優弥「はいはい」
蒼村優「ならよかった」
三好双葉「遊園地かぁ 昔はみんなでよく来たなぁ」
三好優弥「そうだな」
〇観覧車のゴンドラ
〇遊園地の広場
三好優弥「なんだ、今の?」
三好水葉「お兄ちゃん大丈夫?」
三好双葉「あ、、、」
三好優弥「そんなことより早く行こうぜ」
三好水葉「そうだね」
〇ジェットコースター
三好優弥「高いな!」
宇喜多羽彩「楽しい!」
三好水葉「高い!」
蒼村優「すごいすごい!」
三好双葉「楽しい」
〇遊園地の広場
宇喜多羽彩「まさか、水葉は高いのが 苦手だったなんて知らなかった」
三好水葉「昔から高いのは苦手なんです」
宇喜多羽彩「そうなんだ! あの怖い物なしの水葉も 怖いものあったか!」
三好水葉「当たり前じゃないですか」
宇喜多羽彩「そむらちゃんがジェットコースター好きなのも意外だった」
蒼村優「よく言われます 運動があまり出来ないので こういうアトラクションが好きなんです」
宇喜多羽彩「じゃあたくさん乗ろうか」
蒼村優「はい!」
三好水葉「よし、頑張ろ」
〇暗い廊下
蒼村優「お化け屋敷には入らないって 言ったじゃないですか!」
宇喜多羽彩「まあまあ」
三好双葉「心霊スポット行ってると 若干抵抗なくなるから不思議」
三好双葉「きゃー」
蒼村優「きゃーーーー」
〇遊園地の広場
宇喜多羽彩「いろいろ回ってたら もう夕方になっちゃったね」
三好水葉「次でラストにしましょうか」
三好双葉「そうだね」
宇喜多羽彩「晩御飯の準備もしないとダメだし」
蒼村優「じゃあ次は観覧車にしましょう!」
蒼村優「それなら怖くない」
宇喜多羽彩「そうだね!」
三好水葉「お、おう」
〇観覧車のゴンドラ
三好優弥「たまにはこういうのも悪くないな」
宇喜多羽彩「最後はやっぱり観覧車だよね」
三好優弥「癒されるな」
宇喜多羽彩「みんな疲れちゃったから ここならゆっくりできるしね」
三好優弥「高いからまた水葉の意識 遠くなってそうだけど」
三好優弥「まあ、ちょうどいい休憩になるだろ」
宇喜多羽彩「そうだね」
三好優弥「ていうか、何で隣に座ってくるんだ?」
宇喜多羽彩「いいじゃん別に」
宇喜多羽彩「昔さ、、よく水族館とか遊園地 イトコに連れてきてもらったの」
三好優弥「仲良いんだな」
宇喜多羽彩「でもね」
宇喜多羽彩「死んじゃった」
三好優弥「好きだったのか?」
宇喜多羽彩「どうして?」
三好優弥「いや、何となく」
宇喜多羽彩「今思うとただの憧れだったのかなって」
宇喜多羽彩「分からなくなっちゃった」
三好優弥「そんなことあるんだな」
宇喜多羽彩「笑っちゃうよね」
宇喜多羽彩「この前までは それが初恋だと思ってたんだから」
三好優弥「別に悪いことじゃないだろ」
宇喜多羽彩「確かに」
宇喜多羽彩「ねえ、優弥」
三好優弥「ん?」
三好優弥「水葉からだ」
三好優弥「はいはい いいぞ、それで」
宇喜多羽彩「なんだって?」
三好優弥「いや、何か晩御飯は バーベキューでいいかって」
三好優弥「何でこのタイミングで」
三好優弥「それで、羽彩はなんか 言おうとしてなかったから?」
宇喜多羽彩「何でもない」
〇観覧車のゴンドラ
蒼村優「仲良く1年生組で一緒か」
蒼村優「こんなの小学生の時の 塾の旅行以来だね」
三好双葉「そうだね、懐かしいね」
三好水葉「・・・・・・」
蒼村優「水葉?」
三好双葉「水葉?」
三好水葉「おにいちゃん?」
三好水葉「今日の晩御飯は バーベキューでいいよね?」
三好水葉「うん! わかった!」
蒼村優「水葉、どうしちゃったの? 急に電話かけて」
三好水葉「ごめんごめん」
三好水葉「ちょっと急に気になっちゃって」
三好双葉「水葉」
〇お化け屋敷
三好優弥「やっぱバーベキューだよな」
三好水葉「昨日はカレーだったからね」
宇喜多羽彩「合宿の醍醐味だよね」
上杉遼羽「今日は病院の管理人にも 挨拶してきたから疲れたぜ」
「お疲れ様です」
三好双葉「いつもいろいろしていただいて ありがとうございます」
上杉遼羽「俺、こういうの好きだからいいよ」
上杉遼羽「遊園地は楽しめた?」
三好双葉「はい、おかげさまで ジェットコースター5回乗れました」
宇喜多羽彩「充実してたよ」
上杉遼羽「来年もまた来たいな」
宇喜多羽彩「そうだね!」
三好双葉「絶対来ましょうね」
蒼村優「でも、遊び疲れちゃいました」
宇喜多羽彩「今晩はぐっすり寝れそうね」
蒼村優「はい!」
宇喜多羽彩「優弥はあまり疲れてなさそうね」
三好優弥「まあな」
三好水葉「お兄ちゃんはタフですから」
宇喜多羽彩「うん」
三好優弥「水葉?」
三好水葉「ん?」
三好優弥「いや、何でもない」
〇豪華な部屋
宇喜多羽彩「はい、コーヒー」
三好優弥「もう寝る前なのにコーヒーか」
宇喜多羽彩「私あまりカフェイン効かないんだよね」
三好優弥「俺も」
宇喜多羽彩「水葉?」
三好水葉「私も飲みますね」
宇喜多羽彩「あ、うん」
三好優弥「優と双葉は?」
三好水葉「もう寝ちゃってる」
三好優弥「良い子は寝る時間だぞ」
三好水葉「いつまで子供扱いしてるの? もう高校生だよ」
三好水葉「お兄ちゃん、夜食作ってあげようか?」
三好優弥「お、いいのか?」
三好水葉「”宇喜多先輩”、手伝ってください」
宇喜多羽彩「あ、うん」
三好優弥「今、『宇喜多先輩』って言ったか?」
〇貴族の部屋
三好水葉「先輩」
宇喜多羽彩「どうしたの? 怖い顔して」
三好水葉「これ以上、お兄ちゃんに 干渉するのやめてもらえませんか?」
宇喜多羽彩「干渉って、、そんなつもりないんだけど」
三好水葉「いえ、最近、先輩が お兄ちゃんを詮索してるって知ってます」
宇喜多羽彩「そんなつもりは」
三好水葉「迷惑なんです」
三好水葉「お兄ちゃんをそっとしといてください」
三好水葉「最初は仲の良い友人程度にしか 思っていませんでしたけど 度が過ぎてます」
宇喜多羽彩「じゃあ、せめて理由を教えてよ」
三好水葉「えっと」
宇喜多羽彩「優弥が記憶を失ってるのは知ってる」
三好水葉「気付いてたんですね」
宇喜多羽彩「私も優弥は2年前に会ったことあるからね」
三好水葉「・・・・・・そうだったんですか」
宇喜多羽彩「何でダメなの?」
三好水葉「それは、、」
宇喜多羽彩「優弥が前に立ちくらみしたのも 関係してるんでしょ?」
宇喜多羽彩「あとあの空き部屋」
三好水葉「言いたくありません」
宇喜多羽彩「答えられないなら 私はこのまま優弥と今まで通り 接するからね」
三好水葉「何で、羽彩先輩はお兄ちゃんに そんなにこだわるんですか?」
宇喜多羽彩「・・・・・・」
宇喜多羽彩「優弥のことが多分好きだから」
宇喜多羽彩「前までは仲良くできる 少し気になる男子だったけど」
宇喜多羽彩「この前、優弥が私を男の人から 助けてくれたとき ”好きになってる”って気付いたの」
宇喜多羽彩「男女関係なく平等に接してくれるし 意外な気遣いできるぐらい優しいし 少し天然で面白いし!」
宇喜多羽彩「もしかしたら2年前から 惚れていたのかもね」
三好水葉「・・・・・・」
三好水葉「何となく分かってました」
三好水葉「羽彩先輩の様子が全然変わったって」
宇喜多羽彩「だから、お願い」
三好水葉「・・・・・・」
三好水葉「絶対黙っててくれますか?」
三好水葉「もちろん、お兄ちゃんの前でも 知らないふりをしてください」
宇喜多羽彩「うん」
三好水葉「じゃあ、話します」
三好水葉「これだけは覚えておいてください」
宇喜多羽彩「何?」
三好水葉「もし、宇喜多さんによって お兄ちゃんが苦しむことになったら」
三好水葉「私はあなたを一生恨みますし あなたに何するか分かりません」
宇喜多羽彩「水葉」
三好水葉「分かりましたね?」