第五話 前科少女vs化蜘蛛(脚本)
〇洋館の玄関ホール
ギルド受付「・・・・・・自動車と家畜の損害が確認されました」
ギルド受付「今後このような損害行為を行った場合、除名処分になる可能性があります」
レイ・トランクィリ「わーったわーった、悪かったよ」
レイ・トランクィリ「それで、今回の任務は何だ?」
ギルド受付「危険度中級の化蜘蛛を討伐しに行っていただきます」
レイ・トランクィリ「中級ってことは、今回も仲間がいるのか」
ギルド受付「ええ、今回の目的地は距離があるため、我々の方でお送りします」
「おーい!レイ!」
レイ・トランクィリ「・・・・・・?」
オルドー・クラーク「俺だよ!オルドー・クラークだ!」
オルドー・クラーク「お前も化蜘蛛討伐の仲間なんだな!よろしくな!」
レイ・トランクィリ「よろしく」
サティ・メソエル「わたし・・・・・・蜘蛛にぐるぐる巻きにされて・・・・・・死ぬ・・・・・・咬まれて・・・・・・死ぬ・・・・・・」
レティシア・コーラル「よろしくね!レイさん、オルドーさん!」
レイ・トランクィリ「お前かよ・・・・・・!また飯の話しやがって!」
サティ・メソエル「ひっ・・・・・・!!」
レイ・トランクィリ「お前みたいなナヨナヨした奴は嫌いなんだよ!!戦う気あんのか?あぁ!?」
サティ・メソエル「うあぁぁぁん・・・・・・レティシアぁぁ・・・・・・」
レティシア・コーラル「まあまあ、レイさん・・・・・・」
レティシア・コーラル「サティはこう見えても結構凄いんですよ!」
レイ・トランクィリ「はっ、じゃあ今日はお手並み拝見だな」
〇センター街
サティ・メソエル「死ぬ・・・・・・中級の魔物なんて・・・・・・死ぬ・・・・・・!」
レティシア・コーラル「大丈夫だって!頑張ろう!」
オルドー・クラーク「心配しなくても俺がちゃちゃっと片付けちまうからな!」
オルドー・クラーク「クルーザーに乗ったつもりで安心しろよ!」
レイ・トランクィリ(・・・・・・くるーざーってなんだよ)
レティシア・コーラル「向こうの方、凄い糸が張ってあるね」
レイ達の視線の先には、住宅街を覆い尽くす程の巨大な蜘蛛の巣があった
サティ・メソエル「ひぃぃっ!!・・・・・・虫は嫌・・・・・・」
レティシア・コーラル「サティは虫以外もダメでしょ!さっさと行こう!」
レティシアは、サティの腕をグイグイ引っ張っていく
サティ・メソエル「やだぁぁぁぁ!!!!」
レイ・トランクィリ「なんだコイツら・・・・・・あたしたちも行くか」
〇センター街
レティシア・コーラル「何これ、霧かな?」
サティ・メソエル「うぅ・・・・・・何か臭い・・・・・・」
レティシア・コーラル「蜘蛛の体臭か口臭じゃないかな!?」
サティ・メソエル「蜘蛛の・・・・・・お・・・・・・おえっ・・・・・・」
オルドー・クラーク「お、おい!!引っ掛かっちまった!外してくれ!!」
レティシア・コーラル「サティ、大丈夫?ほら、水飲む?」
サティ・メソエル「う・・・・・・うん・・・・・・レティシア優しい・・・・ありがと・・・・・・」
オルドー・クラーク「お、おい・・・・・・」
レティシア・コーラル「待たせてごめんね!・・・・・・はぁっ!」
レティシアの魔法陣から放たれた炎は、辺りの糸を焼き払っていく。
オルドー・クラーク「サンキュー!」
レイ・トランクィリ(・・・・・・蜘蛛の巣だらけで動きづらいな・・・・・・)
レイ・トランクィリ「レティシア、この糸全部焼き払え」
レティシア・コーラル「それは流石に無理だよ・・・・・・」
レティシア・コーラル「とりあえず、邪魔になりそうな糸は焼き払ってみるけど」
サティ・メソエル「ひぃぃぃぃっっっ!!??!?」
レイ・トランクィリ「あ、なんだ?」
サティ・メソエル「あ・・・・・・・・・・・・」
サティ・メソエル「あ・・・・・・・・・・・・あ・・・・・・あそっ・・・・・・」
サティの指差す先を見ると、そこには・・・・・・
化蜘蛛「・・・・・・・・・・・・!」
レイ・トランクィリ「デカいな!」
レイ・トランクィリ「先手必勝!!」
レイ・トランクィリ「オラッ!!」
化蜘蛛「キシャァァァ!!!」
レイの投げた岩は、化蜘蛛に届く寸前で糸に絡め取られてしまった。
レイ・トランクィリ「チッ・・・・・直接ぶん殴れちゃ話は早いんだが」
レイ・トランクィリ「おい!そこの!」
サティ・メソエル「は、はいっ!?」
レイ・トランクィリ「お前じゃねぇ!!もう一人の女だ!」
レティシア・コーラル「私ね!何をしたらいい?」
レイ・トランクィリ「あたしは一直線にあの蜘蛛に突撃する、お前はあたしの前にある糸を焼き払え!」
レイ・トランクィリ「それと、注意も引きつけろ!!」
サティ・メソエル「あ、あのさっきはごめ──」
レティシア・コーラル「そんなの無茶よ!違う作戦にしましょう!」
レティシア・コーラル「もう行ってる!?」
レイ・トランクィリ(よし、このまま距離を詰めれば!)
化蜘蛛「キシャァァァァ!!!」
レイ・トランクィリ「うおっ!?」
化蜘蛛の前脚で切られたレイの腕には、血が滲む。
レイ・トランクィリ「チッ、まあ問題ねぇ!!」
レイ・トランクィリ「うおっ!」
レイ・トランクィリ「おい!引きつけろ!!」
レティシア・コーラル「そう言われても・・・・・・!」
レティシア・コーラル「こっちも手一杯なの!」
化蜘蛛「シャァァァァ!!!」
レイ・トランクィリ「っ!?」
レティシア・コーラル「レイさん!!」
化蜘蛛「キシャァァァ!!!」
オルドー・クラーク「オラァァッッ!」
化蜘蛛「シャァァァ!!」
オルドー・クラーク「クソッ!効かねぇ!!」
レティシア・コーラル「オルドー!本部に増援要請を!!」
オルドー・クラーク「お、おう!」
サティ・メソエル「ほ、ホントに死ぬ・・・・・・!に、逃げよう!!」
レティシア・コーラル「何言ってるの!戦うよ!!」
サティ・メソエル「わ、わたしも・・・・・・!」
化蜘蛛「シャァァ・・・・・・!」
レティシア・コーラル「サティ!危ない!!」
レティシア・コーラル「うあぁぁぁっっ!!!」
レティシア・コーラル「っ・・・・・・あ・・・・・・」
サティ・メソエル「レ・・・・・・レティシア・・・・・・なんで・・・・・・」
サティ・メソエル「なんでわたしなんか・・・・・・!!」
レティシア・コーラル「たい・・・・・・せ・・・・・・な・・・・・・」
レティシア・コーラル「とも・・・・・・だち・・・・・・だ・・・・・・から・・・・・・」
サティ・メソエル「ど・・・・・・どうしよう・・・・・・ち、治癒魔法・・・・・・」
レティシア・コーラル「わた・・・・・・し・・・・・・は・・・・・・いい・・・・・・から・・・・・・」
レティシア・コーラル「レイさ・・・・・・を・・・・・・」
サティ・メソエル「で、でも・・・・・・!」
レティシア・コーラル「ちめい・・・・・・しょう・・・・・・じゃ・・・・・・ないから・・・・・・」
サティ・メソエル「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
サティ・メソエル「・・・・・・・・・・・・わかった」
サティ・メソエル「レイさん!!・・・・・・?」
サティ・メソエル「あれ?どこに・・・・・・?」
レイ・トランクィリ「おい馬鹿蜘蛛!!目ぇ離してんじゃねぇぞ!!」
化蜘蛛「シィィィィ!?」
レイ・トランクィリ「サティ!!さっきの氷魔法で蜘蛛の動きを止めろ!!」
サティ・メソエル「む・・・・・・無茶だって・・・・・・」
レイ・トランクィリ「ダチの死を無駄にすんのかこの馬鹿!!」
化蜘蛛「キシャァァァ!!!」
サティ・メソエル「させない・・・・・・!!」
化蜘蛛「ギャ!?」
サティの放った氷魔法は、化蜘蛛の脚に直撃した。
ほんの一瞬・・・・・・化蜘蛛の動きが止まる。
レイ・トランクィリ「その脚、切り落としてやるぜ!!」
レイの手刀は、瞬く間に化蜘蛛の脚全てを切り落とした。
レイ・トランクィリ(蜘蛛は腹が柔らかくてウメェ・・・・・・つまり・・・・・・)
レイ・トランクィリ「弱点なんだろ!!!!!」
化蜘蛛「ギャァァァァァァァァ!!!!」
化蜘蛛の腹はグチャグチャになり、力無く地面へ落下した。
レイ・トランクィリ「よっと!」
レイ・トランクィリ「圧勝だったな!」
レイ・トランクィリ「って・・・・・・死んだ奴いるんだったな・・・・・・悪ぃ・・・・・・」
レティシア・コーラル「死んでないから・・・・・・」
サティ・メソエル「うああああぁぁぁぁぁん!!!」
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戦闘を通じてサティさんの心持ちに少しだけ変化が……と感じさせてくれる今話でしたね!蜘蛛の柔らかい部分(と味)を日々の生活で知るレイさん、何というか、スゴイデスネーww