第四話 前科少女と落ちこぼれ(脚本)
〇開けた交差点
レイ・トランクィリ「雨・・・・・・鬱陶しいぜ」
レイ・トランクィリ(ここが待ち合わせ場所だったっけか・・・・・・)
レイ・トランクィリ(ん・・・・・・あいつ・・・・・・)
ボルド「・・・・・・・・・・・・」
レイ・トランクィリ「こんな雨の中、あいつ馬鹿か・・・・・・?」
メサ「あなた、もしかして冒険者?」
レイ・トランクィリ「ああ、レイだ」
レイ・トランクィリ「よろしくな!!」
メサ「私はメサ、あそこにいる彼はボルド」
メサ「ボルドは私の彼氏なの、よろしくね」
メサ「それで、今日の任務だけど──」
レイ・トランクィリ「待て待て!あいつ彼氏かよ!?」
レイ・トランクィリ「服買ってやれよ!」
メサ「ボルドはあの格好が好きなの」
メサ「それで職を失って、今は冒険者って感じね」
レイ・トランクィリ「はぁ・・・・・・変な奴もいるんだな」
ボルド「君が今回の仲間か、よろしくな!」
レイ・トランクィリ「私はレイ、よろしく」
ボルド「こんな格好でごめんね〜」
「お待たせしました、皆さんが今日の仲間ですね」
ルモル・フローリー「私はルモル、よろしく」
〇川に架かる橋
レイ・トランクィリ「それで・・・・・・今日の獲物は魔人だったっけか?」
ルモル・フローリー「ええ、強大な敵なので気をつけましょう」
ボルド「魔人・・・・・・おっかねー・・・・・・」
レイ・トランクィリ「あたしの前で金の話してんじゃねぇぞ!!ぶち殺されてぇのか!!」
ボルド「えっ、な、なんだよ・・・・・・!?」
メサ「レイさん!ボルド君は金欠じゃ無いわ」
レイ・トランクィリ「知らねぇよ!!!あたしは金欠なんだよ!!」
ルモル・フローリー「黙って」
レイ・トランクィリ「ああんっ!?」
ルモル・フローリー「この魔力・・・・・・魔人が近くにいる」
ルモル・フローリー「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
レイ・トランクィリ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
炎魔人「グルル・・・・・・」
レイ・トランクィリ「いたぞ!!」
炎魔人「ナニモノダ!」
炎魔人「キサマ・・・・・・」
レイ・トランクィリ「っ・・・・・・!」
レイ・トランクィリ「そんなノロい魔法当たらねーよ!」
ルモル・フローリー「はぁぁっ!!」
炎魔人「グォォォ!!??」
目にも止まらない斬撃が、炎魔人を切り裂く。
だが、傷は浅く大したダメージにはなっていない。
炎魔人「グオォォォ!!!」
ボルド「うあぁっ!?」
メサ「うぅ・・・・・・」
ボルド「よくもメサを!!」
メサ「許さない!!」
炎魔人「グオォォォ!!」
ボルド「くっ・・・・・・」
レイ・トランクィリ「あたしを忘れるなぁぁ!!!」
レイ・トランクィリ「オラァァ!!」
炎魔人「グォ!?」
レイ・トランクィリ「まだまだぁぁ!!」
レイは、炎魔人に向けて次々に投げつける。
炎魔人「グオォォォ!!??」
レイ・トランクィリ「もう球がねぇ・・・・・・!どこかに・・・・・・!」
レイ・トランクィリ「あった!」
???「ブヒィィィ!!!」
レイ・トランクィリ「おい!逃げ・・・・・・チッ、直接殴るしかねぇか!」
炎魔人「グオォォォ!!??」
レイの拳を受け、炎魔人の体は大きく仰け反った。
レイ・トランクィリ「今だ!!」
ルモル・フローリー「はあぁぁぁぁぁ!!!」
ルモルの一撃が、炎魔人の首を切り落とした。
炎魔人「ギアァァァァァァァ!!!!!」
レイ・トランクィリ「やったな!」
〇開けた交差点
帰り道
レイ・トランクィリ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
ルモル・フローリー「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
レイ・トランクィリ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
ルモル・フローリー「・・・・・・貴方の家はどこ?」
レイ・トランクィリ「見りゃ分かるだろ、家ねーんだよ」
ルモル・フローリー「じゃあどこに寝泊まりしてるの?」
レイ・トランクィリ「あっちの公園」
ルモル・フローリー「公園?ホームレスなの?」
レイ・トランクィリ「だから家はねーよ、ダンボールも持ってねぇからな」
レイ・トランクィリ「草と虫食って、眠くなったら寝る!」
ルモル・フローリー「女の子が・・・・・・いや、人間が・・・・・・?」
ルモル・フローリー「お、お風呂も当然入ってない・・・・・・?」
レイ・トランクィリ「風呂なんて出所してから一度も入ってねーよ」
ルモル・フローリー「だから何だか臭うのね・・・・・・」
ルモル・フローリー「私の家に案内する、着いてきて」
〇貴族の応接間
ルモル・フローリー「ここよ、寛いでいってね」
レイ・トランクィリ「中々良い家じゃねぇか、親が金持ちなのか?」
ルモル・フローリー「両親とも騎士よ」
ルモル・フローリー「だから私も騎士になりたかったんだけど・・・・・・落選しちゃって」
レイ・トランクィリ「ふーん」
レイ・トランクィリ「飯!」
ルモル・フローリー「それより先にお風呂に入ってきて、右手突き当りにあるから」
〇露天風呂
レイ・トランクィリ「はーっ、風呂は気持ちいいな!」
レイ・トランクィリ「一人で入る風呂は開放的だぜ!!」
レイ・トランクィリ「ムショの風呂は混んでたからな・・・・・・」
レイ・トランクィリ「腹減ったし上がるか・・・・・・」
〇貴族の応接間
レイ・トランクィリ「さっぱりだぜ!」
ルモル・フローリー「それなら良かった、ご飯出来てるから」
レイ・トランクィリ「うめェ!!!」
レイ・トランクィリ「こんな美味いもん食ったの初めてだ・・・・・・最高だぜ!」
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内向的で悩みやコンプレックスを抱えるルモルさん、粗雑なレイさんとは対極的ですね。レイさん、目先の欲にしか意識が向かわず、ルモルさんの話すらマトモに聞いていないとはww