第二話 前科少女、冒険者試験に挑む(脚本)
〇洋館の玄関ホール
レイ・トランクィリ「ここがギルド本部・・・・・・思ってたよりずっと豪華じゃねぇか!」
レイ・トランクィリ「もしかして冒険者ってめちゃくちゃ儲かるんじゃねぇか!?」
レイが周囲を見渡すと、受付口と思われる所に、高そうなスーツに身を包んだ男がいた
レイ・トランクィリ「おい!お前が受付か?あたしは冒険者になりにきた!」
ギルド受付「・・・・・・そうですか、ではこちらの契約書にサインか拇印をお願いします」
レイ・トランクィリ「どれどれ〜」
レイ・トランクィリ(何だこれ・・・・・・乙だの甲だのわけ分からねぇことが書いてある・・・・・・)
レイ・トランクィリ(ほとんど分からねぇが・・・・・・死んでも責任は取らないって感じか・・・・・・?)
レイ・トランクィリ「それなら問題無しだ!・・・・・・ぼいんってなんだ?」
ギルド受付「親指をここに付けてから、ここへ押して下さい」
レイは深く考えず、契約書に拇印を押した
ギルド受付「・・・・・・受理しました・・・・・・では、こちらに個人情報をお書きください」
レイ・トランクィリ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
ギルド受付「お書きしましょうか?」
レイ・トランクィリ「頼んだ!」
レイ・トランクィリ「名前はレイ・トランクィリ・・・・女・・・・・・年は15っと・・・・・・」
ギルド受付「お名前はレイ・トランクィリ、性別は女性、15歳でお間違いないですね?」
レイ・トランクィリ「あぁ、完璧だ!!」
ギルド受付「・・・・・・受理しました・・・・・・」
ギルド受付「・・・・・・・・・・・・」
レイ・トランクィリ「・・・・・・・・・・・・」
ギルド受付「・・・・・・・・・・・・」
レイ・トランクィリ「おい!さっさと仕事よこせよ!!」
ギルド受付「・・・・・・まだトランクィリ様は冒険者ではありません」
レイ・トランクィリ「あぁん!?どういう意味だ!!契約書書いただろうが!!」
ギルド受付「・・・・・・5日後に冒険者認定試験を実施します・・・・・・それに合格した者が冒険者になることが出来るのです」
レイ・トランクィリ「5日後だぁ!?じゃあそれまであたしはどうやって稼げばいいんだよ!?」
ギルド受付「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
レイ・トランクィリ「無視してんじゃねぇぞ!!!」
レイ・トランクィリ「っ・・・・!・・・・・・テメェ!!」
ギルド受付「これ以上暴力行為を行うのなら、試験資格を取り消します」
レイ・トランクィリ「っ・・・・舐めやがって・・・・・・!」
レイ・トランクィリ(だけど・・・・・・冒険者になれないのは困るな・・・・・・それに、先に手を出したのはあたしだ・・・・・・)
レイ・トランクィリ「わかったよ・・・・・・5日後な」
〇公園のベンチ
レイ・トランクィリ「はぁ・・・・・・」
レイ・トランクィリ「土砂降りかよ・・・・・・クソが・・・・・・」
レイ・トランクィリ(飯もそうだが・・・・・・家が無いと大変だな)
レイ・トランクィリ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
レイ・トランクィリ「とりあえず草でも食うか・・・・・・」
レイ・トランクィリ「美味くねぇなぁ・・・・・・ムショの飯みたいだ・・・・・・」
レイ・トランクィリ「雨のせいで虫もいねぇし・・・・・・」
レイ・トランクィリ「ん・・・・・・あれは・・・・・・」
レイ・トランクィリ「家畜じゃねぇか!!」
レイ・トランクィリ「武器は・・・・・・」
レイ・トランクィリ「小せえけど悪くねぇ、飯だ───」
レイ・トランクィリ「・・・・・・・・・・・・家畜食い殺したら犯罪か・・・・・・」
レイ・トランクィリ「ムショの刑務官共もあたしを信じて送り出してくれたんだ・・・・・・」
レイ・トランクィリ「もう罪は犯さねぇ!!腹の減りくらい我慢してやる!!」
レイ・トランクィリ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
レイ・トランクィリ「この木食うか・・・・・・」
〇洋館の玄関ホール
レイ・トランクィリ「やっと5日経った・・・・・・長かったぜ」
レイ・トランクィリ(結構いるけど、やっぱり柄の悪い奴らが多いな)
レイ・トランクィリ「それにしても、ほとんど男だな・・・・・・」
レイ・トランクィリ「あたし以外の女は・・・・・・見たところ・・・・・・」
ルモル・フローリー「・・・・・・・・・・・・」
サティ・メソエル「うぅ・・・・・・わたし死ぬんだ・・・・・・」
レティシア・コーラル「だいじょーぶ、サティは強いから合格出来るよ!」
レイ・トランクィリ「3人・・・・・・あたし含めて4人か」
???「おい!戦闘服も来ていない奴が何の用だ!」
レイ・トランクィリ「あ・・・・・・?お前誰だよ」
オルドー・クラーク「俺はオルドー・クラーク!!」
オルドー・クラーク「かの名家クラークの跡取り息子だ!!」
レイ・トランクィリ「は?クラーク家とか知らねぇよ」
レイ・トランクィリ「それにお前こそ格好おかしいだろ」
オルドー・クラーク「ふふん、俺の装備に嫉妬してるのか・・・・・・」
レイ・トランクィリ「は?馬鹿か?」
オルドー・クラーク「まさか・・・・・・俺の装備の凄さを知らないのか・・・・・・」
オルドー・クラーク「それならば、特別に教えてやろう!」
オルドー・クラーク「俺の装備はどんな環境にも耐えうる優れものなのだ!」
オルドー・クラーク「それが例え宇宙空間でもな!ハーッハッハ!」
レイ・トランクィリ「なんだコイツ・・・・・・」
「まもなく冒険者認定試験を開始します」
「参加者の方は広間にお集まり下さい」
レイ・トランクィリ「お!思ったより早かったな!」
〇けもの道
冒険者認定試験参加者であるレイ達は、係員の後を追って深い森の中に入っていく。
レイ・トランクィリ(なげぇなぁ・・・・・・いつまで歩かせんだよ・・・・・・)
サティ・メソエル「死ぬ・・・・・・このままじゃわたし・・・・・・死ぬ・・・・・・」
サティ・メソエル「魔獣に食べられて・・・・・・内臓をほじくり出されて・・・・・・骨も残らない・・・・・・」
レイ・トランクィリ「うっせーぞ!!飯の話すんじゃねー!!」
レイ・トランクィリ「こちとら腹減ってんだよ!!!魔獣より先にお前を食い殺すぞ!!」
サティ・メソエル「ひっ・・・・・・す、すみません・・・・・・」
サティ・メソエル「レティシアぁぁ、・・・・・・怒られたぁ・・・・・・うぅ・・・・・・」
レイ・トランクィリ(うぜー・・・・・・嫌いなタイプだぜ)
レイ・トランクィリ(つーか、まだかよ!)
レイ・トランクィリ「おい!い──」
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冒険者試験、次々と現れる変じ……いや、少々癖のある登場人物の方々ですねww 粗雑な癖のレイさんとどう影響を及ぼし合うのか楽しみです。