孤独を愛する神様 過ちの記憶

スカーレット

エピソード2(脚本)

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〇海底都市
  私、神森優華が人間を滅ぼしてから数日が経った。日が経つのはあっという間で、その間私は世界を駆け回っていた。
神森優華「だけど、それももう終わり」
  魔術『追憶の花園』
  目の前にあったビルなどの建物がすべて植物に飲み込まれ、跡形もなく消えていく。

〇森の中
  これまでと同じように、その地域にあった植物により、街は消えた。
神森優華「やっと一息つけるな・・・」
  これまでは都市の破壊と並行して人間が絶滅させた生物を生き返らせたりしていた。もちろん地球温暖化の問題なども解決した上で。
  これは全部地球の指示なんだが、正直ものすごく疲れた。
  もうやることも何もないし、休むか。でも何をしよう?
  と悩んでいると、地球から提案された。
  『どうせなら、家族の様子でも見に行ったらどうだ?』
神森優華「え? 家族に何かあったのか!?」
  『いや、特にはないが。だが心配なのだろ? 一度でも見に行ってくるといい。会わずともよい。様子を見るだけでも。
神森優華「・・・たしかに心配だが。正直家族を捨てた私にそんな資格があるとは思えない」
  『見るだけなら問題はないだろう』
神森優華「・・・でも・・・・・・わかった」
  私が言える立場じゃないのは理解してるけど、何かあったあとでは遅い。一応近くに食料や飲料水にできる川などを用意したけど。
神森優華「心配だ・・・」
  『心配なら早く行くといい。間に合わないうちにな』

〇森の中の小屋
  私は急いで空を飛んで、かつての我が家に来た。家は前とは違う環境にいい木製だ。
  周りには果物や川もある。私は物陰に隠れて家族の様子を見る。どうやら無事なようで、ホッとする。
  そうだ、どうせ来たなら荷物を回収しておこう。どうせこれから一人なんだから暇を潰すのにはちょうどいいだろう。
  荷物を回収し終え、家族の確認もできたし帰ろうと思って気付かれないように部屋を出たら、庭で二人が話し合っていた。
  私は急いで物陰に隠れた。どうやら話しているのは私の妹の優子と、父親らしい。少し聞き耳を立ててみる。
  物陰から覗いてわかったが、どうやら愉快な話ではないようで、沈痛な面持ちで話している。
優子「ねぇお父さん、お姉ちゃんはどうなったのかな?」
  !? どうやら私の話をしているようだ。
お父さん「俺にもわからない。ただ、あの子だけいなくなってたのはたしかだ」
優子「お姉ちゃん、なんか思い詰めてたしね」
お父さん「あぁ。力になれず、本当に情けない」
優子「お父さんが気にすることじゃないよ・・・」
  どうやら私のことを心配しているらしい。たしかに黙って居なくなったら心配するか。なんか、申し訳ない・・・
  私が二人の様子を見ていると、家から女性と青年が現れた。私の母親と兄の優太だ。
優太「父さん、優子、大変だ!」
  なにやら慌てているようだ
優太「優華の荷物が一つもないんだ! さっきまであったのに!」
  あ、たしかさっき回収したんだったな。もしかしてこれ、やばい?
母「もしかしたら、近くに優華がいるのかもしれないわ!」
母「急いで探しましょう!」
  そう言って家族は私を探し出した。
  うっ・・・なんか面倒なことになったな。どうやら二人組で探しているようだし、はぐれることもないだろう。
  心配だけど、一度離れるしかないな。
  あ、そうだ。どうせならやってみたかった魔術をやってみよう。
  魔術『空間転移』

〇けもの道
  あの家からけっこう離れた場所に、私は転移した。どうやら上手くいったようだ。
  発動させたのはラノベなどでよく見る『転移』の魔術。ぶっつけ本番だったがどうにかなった。
  それにしても、これからどうしよう。家族の確認もできたし、やることがなくなってしまった。
神森優華「これからどうしようか・・・」
  『新しく人類を生み出すのはどうだ?』
神森優華「ひゃ!?」
  突然話しかけられたから、変な声が出てしまった。
神森優華「急に話し掛けるのはやめてくれ・・・」
  『それはすまなかった』
神森優華「まぁ別にいいが。ところで、人類を生み出すって、君は人類を憎んでいたんじゃないのか?」
  『我が憎んでいるのは人間だけだ。そもそもあのような人物ではなければ、私はいても良いと思う』
神森優華「人間じゃない人類ってなんだ?」
  『そなたが読んでいた本にもあっただろう。エルフやドワーフだったか? ああいった生態系を維持してくれる人類は我も欲しい』
神森優華「そうなのか・・・」
  なるほど。エルフやドワーフならいいのか。どうせなら他にも魔族や獣人も欲しいな。
  不思議とやる気が湧いてくる。よし、次の目標は新しい人類と、その住処作りで決まりだ!

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