第12話 奇襲を凌いだら観光と旅館で愛を深めて(前編)(脚本)
〇古いアパートの一室
・・・いつの間に眠ってしまった様だ。まだ皆眠っているのかな?いや、ミドリは起きている。
真樹「うわっ」
窓の外を魔物が囲んでいる。金色、赤色、青色のキノコが合わせて20体程いる。
翠「きっと・・・あのきから・・・でてきた」
万年樹から追いかけてきたのか、いつの間に見つかったのだろう。
翠「ぼくが・・・せいいき・・・はったから・・・あんしん」
真樹「聖域・・・そのおかげで家にモンスターが入れないのか」
しかしどうしよう、このままでは家から出られない・・・。
翠「ぼくに・・・まかせて」
!!家の周りを囲んでいたキノコ達がいなくなった。
翠「あのきまで・・・もどした」
すごい・・・転移魔法も使えるなんて。ミドリのおかげで危機を脱した。
真樹「ありがとうミドリ、おかげで皆助かったよ」
想里愛「ふわぁ・・・真樹さん、おはようございます♪」
咲桜里「真樹お兄ちゃん、おはよ♪」
真樹「おはよ♪」
ソリアとサオリも起きた。さーて朝食はどうしようかな。
想里愛「すぐに出発するのですか?」
真樹「そうだね、道が混んでると思うし早めに行こう」
咲桜里「サオリ、トイレ行ってくる!」
サオリはミドリを抱きかかえてトイレへ向かった。どこでも一緒なんだな・・・。
〇古いアパートの一室
真樹「ソリア、目を閉じて♪」
想里愛「は、はい・・・♪」
朝のチューを堪能する。口に広がる仄かな甘みは・・・初恋の味。(哲学)
想里愛「えへへ・・・♪」
朝から甘い雰囲気に部屋が包まれる。お・・・トイレから戻ってきた様だ。
真樹「みんなおなかは空いてる?」
想里愛「あたしはまだ大丈夫です♪」
咲桜里「サオリも大丈夫だよ♪」
翠「ぼくも・・・だいじょうぶ」
真樹「そっか、じゃあ朝食は抜いてお昼に食べ放題に行こうか。(フードバトラー顔)」
「!?」
みんな驚いている。何を驚いているのか理解できない。フードバトラーとしての自覚が足りないのではないだろうか。
僕はコーヒー牛乳50本を4分30秒でフードアウトした後の大林尊の顔つきで皆を見る。
想里愛「そ、そうですね!うんとお腹を空かせれば美味しく食べられますね♪」
ソリアが話を合わせてくれる。ありがとうソリア。
咲桜里「おにーちゃん、食べほーだいには何があるの?」
サオリが興味津々で尋ねる。
真樹「牛や豚や鶏の焼肉、お寿司、鍋料理、たこやき、煮物、ヤサイ、デザート、アイス、ドリンクバーがあるよ」
翠「おみせの・・・なまえは?」
真樹「スタミナ次郎・・・焼肉屋だよ」
想里愛「お昼ご飯が楽しみですぅ♪」
咲桜里「サオリもうんとおなかすかせる!」
会話を挟みつつ、僕はソリアの服を着せてあげる。今日はワンピースを着てもらった。清楚で可憐な僕の天使が顕現する。
真樹「サオリも今日新しい服買おうね」
咲桜里「ありがと、おにーちゃん♪」
真樹「ソリアにも新しいの着て欲しいな」
想里愛「真樹さん・・・♪いろいろな服を試着しちゃいますね♪」
翠「・・・・・・」
うっ・・・ミドリが視線で訴えかけている。
真樹「ミ・・・ミドリにも服着て欲しいなぁー」
翠「うん・・・」
真樹「あ、ミドリ。これから祈るんだけど僕の家に来たいって祈ってね」
皆で精霊の人形の前で祈る。無事僕の部屋へ転移する。
〇車内
真樹「じゃあ、車に移動しよう」
想里愛「はーい♪」
さっそくみんなで乗り込む。4人乗りがちょうどいい。後ろにもう1人乗れるかな・・・。いつか精霊さんが乗るかもしれない。
真樹「にぎやかで楽しいね♪」
咲桜里「みんなで遠足だー♪」
想里愛「そうですね、楽しいです♪」
翠「わくわく・・・」
みんな休日を満喫している様だ。こんなにぎやかな旅も良いと僕は思う。
真樹「そうだ、年が明けたし5分程神社で初詣に行こうか」
想里愛「神社や初詣とは何ですか?」
真樹「神社は神様を祀る所だよ、初詣は1月1日に神様に願い事をしに行く事だよ」
咲桜里「そうなんだ、サオリもはつもーでする♪」
翠「ぼくも・・・いく」
幸い通り道に神社があるのでさっそく寄る事にした。
〇神社の本殿
真樹「着いたね、けっこう人がいるね」
翠「にぎやか・・・」
真樹「あの建物の箱に小銭を入れてから願い事をするんだよ」
翠「サオリがさいしょにお願いするー♪」
何をお願いするのかな・・・僕のお願いはもう決まっている。いや、少し変わったかな。
咲桜里「お願いしたよ♪」
想里愛「次はあたしがお願いしてきます♪」
真樹「はーい♪」
翠「・・・」
ミドリは温かい瞳で皆を見守っている・・・気がする。
想里愛「お願いしてきました♪」
翠「ぼく・・・おねがい・・・する」
次は僕か、なんか初詣って気分が高揚すると言うか・・・ワクワクするなぁ。ん?何か騒がしいぞ。
翠「あ、あ・・・」
咲桜里「かわいー!」
ソリアは声にならないぐらい驚いていて、サオリが誰かを褒めている。一体何が起きたんだ?
真樹「あれ・・・?」
いつのまに知らない子が賽銭箱の前に立っている。ミドリは何処に行ったのだろう。
想里愛「真樹さん、その子がミドリちゃん・・・です」
咲桜里「そーだよ、ミドリかわいいー♪」
サオリが可愛い女の子に抱きついている。
翠「呪いが・・・呪いが解けたー!」
すごくはしゃいで喜んでいる。この子がミドリなのか・・・?
翠「神社の神様ってすごいね!諦めてたけど今日まで生きてて良かったー♪」
真樹「そ、そっか。呪いが解けて良かったよ!」
想里愛「うんうん、良かったです♪ミドリちゃん可愛いですね」
翠「神社の神様ありがとー!」
〇神社の本殿
うんうん、初詣に来て良かった。なんだろうこの違和感は・・・あ、ミドリが服を着てないや。
真樹「ちょ、ちょちょっと!僕の上着大きいから羽織ってよ」
翠「え?ぼく・・・あ!み、見えちゃった?」
真樹「あ・・・僕はさっき気付いたから・・・少ししか見えてないよ」
想里愛「あたしも驚いてて気付くのが遅れてしまいました」
咲桜里「サオリも気付かなかった~」
翠「み、皆すぐ気付いてよ~」
恥ずかしそうに両手で上着をギュッとするミドリ。瞳の色は翡翠の様だ。
その翡翠の中でも珍しい濃くて深い青色の瞳が僕を見つめている。髪も蒼穹が広がった様な純粋な青色だ。
真樹「お人形さんみたいに可愛いね」
想里愛「そうですね♪でもあたしが一番ですよね?」
微笑んでいるがソリアの見つめる瞳は笑っていない。
真樹「もちろんソリアが一番だよ♪」
想里愛「よかったです・・・真樹さん大好き♪」
僕はダンジョンより深い深淵を垣間見た気がした。
咲桜里「真樹おにーちゃんサオリも可愛がって~!」
サオリが抱きついてくる。頭を撫でてあげる。
真樹「そろそろ移動しようか?」
想里愛「そうですね、ドライブ楽しいです♪」
咲桜里「ソリアお姉ちゃん、真樹お兄ちゃんの隣で良いな~♪」
翠「ボクも助手席に行きたいな~」
〇車内
助手席争奪戦が繰り広げられじゃんけんを教えた所ソリアが勝った。じゃんけんさえも跳ね除けるソリアに愛の深さを感じた。
想里愛「さ、行きましょ♪」
車に向かう時、ソリアが僕の右手を握ってくれる。
サオリとミドリは僕の左手を取り合っているがサオリが勝った様だ。ミドリのふくれっ面も可愛い。
真樹「まだ朝だし道空いてるね」
想里愛「そうですね、この前デパートに行ったときはもっと混んでいましたね」
想里愛「・・・真樹さんとデパートデート、ドキドキして楽しかったです♪」
真樹「僕もドキドキして楽しかったよ♪」
皆で車に戻る、さぁ旅館に向かおう。
咲桜里「真樹お兄ちゃん、旅館にはどんな施設があるの?♪」
真樹「食べ物屋さんや服屋さん、それに今だと旅館のすぐ近くで縁日の屋台のお店もやっているそうだよ」
想里愛「縁日の屋台知ってます、検索しました♪」
翠「ボクにも縁日の屋台教えて~」
僕はスマホで画像検索し写真をミドリに見せる。これはたこ焼き屋かな。
翠「この丸い穴で何を焼いてるの?」
真樹「これはたこ焼きだね、タコの足を具にして焼く食べ物なんだよ」
おっと信号が青になったので運転に集中する。
咲桜里「お兄ちゃん、どんどん道が混んで来たね。すごーい♪」」
想里愛「二人でデパートに出掛けた日もこんな感じでしたね♪」
真樹「そうだね、今日は混んでるね。デパートの日もこんな感じだったね♪」
ミドリは疲れたのかサオリに膝枕してもらって眠っている。車の心地良い揺れが眠りを誘うのはよく理解る。
少し道を間違えてしまい遠回りになってしまっている。今は海辺を走っている。水面が太陽の光で輝いて綺麗だ。
〇海岸線の道路
真樹「あ、ここ綺麗だね~」
咲桜里「サオリ・・・着くまで休んでるね」
サオリも眠り始めた。普段車に乗らないだろうから疲れやすいのかもしれない。朝も早かったからな。
真樹「ソリアは眠くない?」
想里愛「あたしは大丈夫ですよ、まだまだ元気です♪」
水面より眩しい笑顔を見せてくれる。ソリアのおかげで日々に幸せを感じる。こんな日々が続いて欲しい。
〇超高層ビル
真樹「都内に入ったね、もうすぐ着くよ♪」
想里愛「着いたらサオリとミドリちゃんを起こしますね♪」
たまに赤信号の時に手を握る。暖房で暖まるよりソリアの温もりで暖まりたいので大歓迎だ。
〇巨大ドーム
想里愛「真樹さん、あの珍しい建物は何ですか?♪」
真樹「東京ホームだね、野球の試合をしたりイベント会場として利用されているよ」
〇東京全景
想里愛「真樹さん真樹さん♪あの高い建物は何ですか?♪」
真樹「スカイスリーだね、世界で3番目に高い建物なんだ。今夜にでも皆で天空からの景色を見に行こう♪」
想里愛「ぜひ今夜にでも見に行きたいです♪真樹さんとならどこにだって一緒に行きますよ♪」
旅館に着いてからが楽しみだ。まずは昼食を済ませたほうが良いだろうな。朝食を食べていないからね。
〇温泉旅館
真樹「あ、旅館に着いたよ~」
僕は駐車場に車を泊める。さすが高級旅館だ、玄関から従業員が出迎えに来ている。
女将「ようこそお越しくださいました。お荷物をお持ち致します」
咲桜里「ふわぁ・・・もう着いたんだ~」
翠「ぼく、もっと眠っていたかったよ~」
二人共起きたようだ。部屋に着いたら皆で休む事にしよう。
真樹「これから部屋に案内してもらうから皆着いてきてね」
想里愛「はい、真樹さん♪」
咲桜里「うん、お兄ちゃん♪」
翠「うん、わかった!」
〇旅館の受付
みんな元気よく返事をしてくれる。駐車場も充分広いが、旅館の内部はもっと広い。
17階まで客室があり僕達の客室は17階の一番高級な部屋だ。今回は無料だが4人で宿泊するには20万円はかかるだろう。
真樹「人数が一人増えましたが、別料金はかかりますか?」
女将「お子様の人数は3名様でございますね。料金へは影響致しませんのでご安心ください」
皆ホッとした顔をしている。僕もホッとした。こんな高級な旅館で追加料金は払えるわけがないのだ。
女将「お部屋へご案内致します。足元にお気をつけください」
咲桜里「わぁ、ひろ~い!」
翠「ボクのいた場所と同じぐらい広いね」
想里愛「あたし迷子になりそうなので、真樹さん手を繋いでください♪」
真樹「うん、任せて!」
僕は喜んでソリアの手を繋ぐ。サオリも迷子になるそうなのでもう片方の手を繋ぐ。ミドリが頬を膨らませている。
従業員の方が案内してくれるので部屋までは迷わないはずだが・・・確かに広くて迷いそうだ。
想里愛「エレベーターで17階まで直通で行けるんですね」
女将「はい、利便性向上を図る為改装させて頂きました」
翠「すごい、後ろ側がガラスになってて景色がよく見えるよ♪」
咲桜里「ほんとだ、すごく高いね!」
想里愛「真樹さん、あたしが落ちないようにしっかり抱きしめててください♪」
真樹「うん、任せて!」
僕はソリアを後ろから抱きしめる。んほぉぉぉ、良い匂ひいぃぃぃ。はっ、本能を剥き出しにしてしまった。
そして体感30秒程で17階へ到達する。充分に景色と甘い匂いを堪能する事ができた。そして部屋に到着し・・・。
女将「ごゆるりとおくつろぎください、失礼致します」
真樹「ちょっと休む?」
想里愛「そうですね、お部屋広いですね♪」
咲桜里「わぁ!ベランダにお風呂があるよ!」
翠「さすが高級な旅館・・・ボクの予想以上だよ」
〇露天風呂
蒼穹の広がる上空を17階から眺める。ベランダは植林の木陰が所々にあって少し寒いが露天風呂が温めてくれるだろう。
夜空を見るのも楽しみだ。
真樹「みんなお腹空かない?焼肉食べに行こうか!」
想里愛「はい♪どこまでも真樹さんにお供致します♪」
真樹「ソリアは旅館で一番可愛い店員さんだよ♪」
僕はソリアをほめて頭を撫でる。
想里愛「えへへ♪嬉しいです♪」
咲桜里「サオリ、いっぱい焼肉食べる♪」
翠「ボクもいっぱい食べるぞ♪」
〇焼肉屋
みんな朝食を抜いたから食べる気満々だ。さっそく1階まで降りる。あった、スタミナ次郎だ。
元旦なのに営業しているなんてなんて素晴らしい店舗なんだ・・・。
真樹「お客さん、僕達だけみたいだね」
想里愛「そうですね!真樹さんの言っていた通り、家で過ごしている方が多いのですね」
店員さんに案内されさっそく4人でテーブル席に座る。旅館だからだろうか、店員さんは浴衣を着ている。
床はヒノキになっていて足元が掘り炬燵になっている。4人とも足を伸ばしてもぶつからない広さがある。
真樹「何分コースにしようかな~♪」
咲桜里「真樹お兄ちゃん!120分コースにしよ!」
翠「ボクも120分コースが良いと思う!」
想里愛「あたしもゆっくり食べたいから120分コースが良いです♪」
真樹「決まりだね、よーしいっぱい食べるぞ~♪」
僕は牛カルビと牛プルコギ少々と豚タンとキムチをお皿に盛っていく。
ソリアは野菜にプチトマトとコーンを添えている・・・これが乙女の食事か。
サオリはタコ焼きに包み焼きスパゲティにチャーハンだ。カルビも取ってきている、いいね~。
ミドリはお寿司をとっている、海老にサーモンか。どちらも美味しそうだな。
〇焼肉屋
「頂きまーす♪」
美少女3人が微笑ましく食事をする中、フードバトラー真樹はその箸を休めない。
豚タンと牛カルビが焚火のような激しい焔に包まれて焼けていく。僕はキムチも焼く。温野菜ならぬ温キムチだ。
ついでに網にもОNキムチだ。ソリアは焼肉用の野菜も焼いている。サオリはタコ焼きをなぜか焼いている。
二度焼きとは通だな・・・。ミドリは包み焼きスパゲティを焼いている。激しい焔が食卓を包む。これはしゅごい。
想里愛「真樹さんすごい♪2分で焼肉を全部食べちゃうなんて♪」
真樹「ふふ、残りの焼肉を1種類ずつソリアにもあ~んって食べさせちゃうぞ♪」
僕は甘い匂いのしそうな口元へ豚タンと牛カルビと牛プルコギを運ぶ。
想里愛「あ・・・トロけるように柔らかいお肉ですね♪」
咲桜里「真樹お兄ちゃん、店員さんが牛タンを無料サービスで置いていったよ♪」
翠「ボクも牛タン食べたい♪」
僕は急いで豚タンと牛カルビとキムチを取って来てから牛タンを焼く。
やはり牛タンが至高の焼肉だ。焼肉と言えば牛タンだと僕は思っている。
「美味しい~♪」
皆初めて食べる牛タンに舌鼓を打つ。塩を一振りして食べる牛タンは美味しい。タレも悪くないが、塩が肉本来の旨味を味わえる。
真樹「焼肉のタレをかけても美味しいよ♪」
僕は肉を焼きつつ小皿にタレを注ぐ。牛タンをいっぱい焼いて食べる。
そもそもお店の料金自体がホテル料金に含まれていて無料だという。とてもありがたい。
サオリはたこ焼きとチャーハンと牛カルビをおかわりしている。ソリアは鍋料理を食べている。
僕も食べようと思っていた所だ。ミドリは牛タンを食べている。牛タンがおかわりし放題なのでさっそく注文する。
真樹「僕も鍋料理を持ってこようかな♪」
想里愛「あたしも真樹さんとおそろいで鍋料理食べてます、美味しいですね♪」
咲桜里「サオリは牛カルビ食べてるね♪」
翠「ボクは牛タンを食べてるね♪」
みんな食べたいものをひたすら食べる。フードファイターとしての誇りが芽生えてきたようだ。
サオリはカルビの脂がこたえてきたのか、鍋料理を食べるようになった。
翠「ボクは牛タンならいくらでもお腹に入りそうだよ♪」
みんなで牛タンや鍋料理や焼きキムチを食べる。アイスも持ってきた。溶けてきた頃にみんなで食べる予定だ。
味は王道のチョコとバニラだ。
想里愛「アイス溶けてきましたね♪真樹さん、あ~んして食べさせてください♪」
ソリアが甘えてくれる。あたしもあたしもとサオリとミドリも便乗してきたので、みんなにアイスをあ~んして食べさせる事にする。
ソリア、サオリ、ミドリの順にあ~んして食べさせてあげた。
想里愛「真樹さんと食べあいっこするの楽しいです♪」
真樹「嬉しいな♪僕も楽しいよ♪」
ラブラブな会話を楽しみ残りの時間を過ごしていく。アイスやデザートを中心に食べた。
蜜柑やグレープフルーツも美味しかったが、チョコケーキも美味しかった。
「ごちそうさま~♪」
〇旅館の和室
さて食べ終わったし次はどこに行こうかな?
咲桜里「真樹お兄ちゃん、あたしお腹が苦しいから客室に戻って休むね~・・・」
翠「ボクも苦しい・・・客室で休んでるね」
真樹「ソリアはどうする?」
想里愛「あたしは大丈夫ですよ♪一緒に縁日かスカイスリーに行きたいです♪」
真樹「一緒にスカイスリーに行こう♪」
〇タクシーの後部座席
旅館の玄関に着くとタクシーが数台待機している。
旅館の従業員「お客様お出掛けですか?サービスでタクシーを無料でご利用頂けますので是非ご利用ください」
僕とソリアはタクシーに乗り行き先を告げる。距離は近く、すぐにスカイスリーが見えてくる。
実は予約してチケットを購入していたので行列に並ぶ事無く登頂できる。
僕はソリアとのデートに余念は無い。タクシーは駐車場に待機してもらう事にした。
〇地下駐車場
想里愛「駐車場が暗くて少し怖いです・・・」
ソリアが不安そうにしている。
真樹「大丈夫だよ、僕に任せて!」
僕はソリアを優しく抱きしめてから頭を撫でる。
想里愛「はい♪」
そう!この笑顔が見たかったのだ。さっそく建物の1階に着く。
〇デパートのサービスカウンター
想里愛「わぁ!広い建物ですね♪」
真樹「そうだね!人もいっぱい居るからはぐれないようにしなきゃね♪」
そう言って僕はソリアの手を繋ぎ搭乗口に向かう。
想里愛「お店の数が多いんですね♪デパートの時よりもすごいです♪」
真樹「そうだね、1日かけても全部のお店を回るのは難しいかもね♪」
〇施設の展望台
話している内に搭乗口に着く。予約していたおかげで並ばずにエレベーターに乗れた。
チケットを渡した時にパンフレットをガイドのお姉さんにもらう。
スカイスリーのガイド「お待たせ致しました~」
想里愛「わぁ、きれい・・・♪」
300メートルを超す高さから見る夜景は黒の世界と星の様に輝く光の調和が見事だ。サオリやミドリも連れて行きたかったな。
真樹「きれいな夜景だね♪」
想里愛「そうですね♪真樹さんと一緒に同じ景色を見られてあたし幸せです♪」
真樹「夜景も綺麗だけど、ソリアは夜景の100万倍綺麗で可愛くて大好きだよ♪」
想里愛「真樹さん・・・♪」
周りの視線など全く気にせず二人の世界に入る二人。
真樹「僕達の宿泊している旅館もどこかにあるのかな?♪」
想里愛「真樹さん、先に旅館を見つけたほうが今夜1つお願いを聞いてもらえるの・・・してくれませんか?」
真樹「いいよ~、どっちが先に見つけられるかな~?♪」
〇寂れた一室
(場面は急に何かのインタビュー風の画面に切り替わり目にモザイクのかかった成人男性が映る。)
その直後の瞬間を目撃したHМ氏は、当時の出来事を鮮明に語る。
真樹「えぇ僕は見ました。一瞬だけ彼女の柔和で優しく愛らしい顔が・・・」
真樹「僕がゲームセンターの〇ニマロッタで6000枚ハイベッドした時よりも真剣な勝負師の目と顔つきに変わっていたのを・・・」
いえ、嬉しいですよ?彼女の愛の深さを感じる事ができたのですから・・・。全てのソリアを受け入れる事が愛だと僕は思うのです。
(場面はまたスカイスリーの夜景に戻る。)
〇街の全景
真樹「う~ん小さすぎてどれが旅館だか理解らないなぁ~」
想里愛「とても綺麗な夜景ですね♪そうですね、どの光があたし達の泊まっている旅館なのでしょう・・・」
どこに旅館はあるのだろうか・・・今夜お願いを1つ聞いてもらえるのは大きい。
ソリアにどんなお願いをしようか考えつつ、僕は旅館を探さずソリアをじっくり見つめ続ける。
決してやましい気持ちは無い。
純粋な愛情である。
「あ!真樹さん見つけました!あの大きな池と小さな光は旅館の池と屋形船の灯びです!」
真樹「あ、ほんとだ!ソリアすごいね!」
嬉しそうに喜ぶソリア。感情を抑えられないのか僕に抱きついてくれる。それほど嬉しいのだろう。
どんなお願いでもしっかり聞かないといけないな。
真樹「おめでとう♪どんなお願いでも聞くからね♪」
想里愛「はい!ありがとうございます♪」
その後もう少し上に登り400メートル超えの夜景を二人で見た。部屋の青い照明が幻想的に二人を包む。
想里愛「サオリとミドリちゃん、もうお腹落ち着いたかな・・・」
真樹「そうだね・・・そろそろ旅館に戻ろうか♪」
周りに客が居なかったので、目を閉じた彼女に唇を重ねて抱きしめる。一瞬の甘い時を過ごす。
真樹「・・・いつもありがとね♪」
想里愛「えへへ・・・真樹さんありがとうございます♪」
〇エレベーターの中
手を繋いでエレベーターに乗り駐車場までゆっくり戻って行く。
〇タクシーの後部座席
待機しているタクシーに乗り旅館まで戻りサオリとミドリの待つ客室まで帰るのだった。
〇旅館の和室