無自覚馬鹿はもっと馬鹿

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〇本棚のある部屋
フレイズ「はぁ・・・部屋中のいちこちゃんの髪の毛を集めてブラシを作ってたら」
フレイズ「いつの間にか一週間が経っていたわ・・・」
  ※いちこの祖母の髪の毛
フレイズ「いちこちゃんブラシの肌触りと香りと味を楽しむのはとっても有意義な時間なんだけどね?」
  ※いちこの祖母の髪の毛
フレイズ「やっぱり現物と一緒に居たいわ!」
フレイズ「離れてる時間の方が長いなんてそんなの間違ってる!」
フレイズ「学校に来たら家から追い出すとまで言われたから」
フレイズ「良い子にして待ってたけど・・・」
  ※全然良い子ではない
フレイズ「もう我慢できないわ!突撃しちゃいましょう!」
フレイズ「それもずっと居座れる方法でね・・・」
フレイズ「フフッ待っててねマイハニー♡」

〇教室
甘姫いちこ(悪寒がする、絶対フレイズさんのせいだ)
甘姫いちこ(また私で気持ち悪い妄想でもしてるんだろう)
甘姫いちこ(居ても居なくても厄介だな)
甘姫いちこ(これもう存在ごと消すか、暗殺計画立てるか)
甘姫いちこ(魔法じゃ敵わないけど油断させれば案外楽勝そう)
甘姫いちこ(手作りのクッキーに毒を混ぜたり)
甘姫いちこ(急に抱き着いて動揺したところをナイフで刺したり)
甘姫いちこ(ベッドのシーツ裏にびっしり針を仕込んでおいたり・・・)
甘姫いちこ(あ、なんか楽しくなってきた)
甘姫いちこ(大嫌いな学校がフレイズさんのせいで楽しくなってきた、解せない)
  ガラガラッ
フレイズ「皆さんおはようございま〜す」
フレイズ「今日からいちこさんの担任を務めます不レ野いずこです♡」
甘姫いちこ(前言撤回、何一つ楽しくない)
生徒「うおおおセクシー美人教師だ!!」
生徒「教育受けててほんとに良かった!!」
生徒「でもなんで甘姫さん限定?」
生徒「なんか怪し〜w濃密な関係だったりしてw」
フレイズ「チッうるさい猿共が、これだから学校は嫌いなのよ」
フレイズ「いちこちゃん、別室で二人きりの特別授業を始めましょ♡」
フレイズ「教科は勿論保険の実技よ♡」
甘姫いちこ「暴言と淫行で初日からクビになってくれればありがたいんだけど」
甘姫いちこ「そもそもなんで採用されたんだ、見るからに危険人物なのに」
フレイズ「私にかかれば人を誘惑するなんて容易いことよ」
フレイズ「甘い声色と潤んだ上目遣いでねだれば校長はイチコロだったわ」
甘姫いちこ「高校選び間違えたな」
甘姫いちこ「色ボケジジイのいる学校は学校と名乗らないでほしい」
フレイズ「あら、相手が誰であろうと同じことよ」
フレイズ「常人の理性を崩壊させてしまう罪な存在、それが私なの」
甘姫いちこ「罪の自覚があるなら消えてくれないかなぁ」
フレイズ「でもあなたはなかなか私になびいてくれないのよね・・・」
フレイズ「そこがまた燃えるのよ!教育し甲斐があるわ!」
甘姫いちこ「じゃあせめてまともな授業をして下さい」
フレイズ「あら、保健だって人生において大切な授業よ」
甘姫いちこ「今そういうのいいから5教科のどれかにして下さい」
フレイズ「ん〜どれが一番楽しいかしら」
フレイズ「いちこちゃんの好きな教科は?」
甘姫いちこ「社会。この世の理不尽さと闇を理解できるから」
フレイズ「じゃ社会で決まりね!」
甘姫いちこ「贔屓が凄い」

〇教室
フレイズ「──ファイア星は赤かった」
フレイズ「初めて辿り着いた別の星から我が星を見て」
フレイズ「我々ファイア族はそうしみじみと呟いたの」
生徒「ファイア星って何だよ」
生徒「その台詞「地球は青かった」のパクリやん」
生徒「これ社会で合ってる?絵本の読み聞かせでは?」
フレイズ「黙らっしゃい下民共!!」
生徒「うわびっくりした」
フレイズ「その気になればこんなちっぽけな星いつでも滅ぼせるのよ!!」
生徒「その年で厨ニ病かよ、残念美人だな」
甘姫いちこ(言われ放題でウケる)
フレイズ「まったく、授業を続けるわよ」
フレイズ「ファイア星の赤、良いなぁ、カッコイイなぁと思うのと同時に」
フレイズ「我々は他にも赤い星があることを疎ましく思ったの」
生徒「は?意味不」
生徒「心狭すぎやろ」
フレイズ「赤い星は宇宙に一つだけでいい」
フレイズ「他は塵となり我々の引き立て役となればいい」
フレイズ「そんな自己中心的な思想で赤い星を次々と滅ぼしていったわ」
生徒「赤い星くん可哀想」
生徒「地球青くて良かったー」
フレイズ「でも次第にエスカレートして赤以外も滅ぼし始めたの」
フレイズ「ちなみに今月の破壊予定は地球、火星、月、太陽辺りだったわ」
生徒「何してくれてんねん」
生徒「死刑死刑!!誰か家庭科室から包丁持ってこい!!」
生徒「いや皆落ち着いてこれ作り話だから!?」
フレイズ「皆が怒るのは当然よ、でも仕方のないことなの」
フレイズ「ファイア族はとにかく暴力的で自己中心的な性質で」
フレイズ「何でも自分の言う通りになると思っているし」
フレイズ「一度熱が入ると制御できずに暴走してしまうの」
甘姫いちこ(だからストーカー行為も平然と行うのか)
フレイズ「決して許してくれとは言わないわ」
フレイズ「でもせめて・・・理解してほしい」
フレイズ「私も地球の良さを理解するよう努力するから」
フレイズ「今後は互いに楽しい生活を送りましょう」
フレイズ「それが今の私にできる精一杯の罪滅ぼしよ」
甘姫いちこ(ほんと何様のつもりだよって感じだな)
フレイズ「ってわけで私はいちこちゃんとイチャイチャ同棲生活を楽しむわ♡」
生徒「うおおやっぱ濃密だった!」
甘姫いちこ(1ミクロンも反省してないし)
甘姫いちこ(腹立つな、殺してやりたいな)
甘姫いちこ(・・・でも殺したらフレイズさんと同類に成り下がる)
甘姫いちこ(ここは正義のヒーローとして最善の選択をしよう)
甘姫いちこ「フレイズ・・・じゃなくていずこ先生」
甘姫いちこ「期待していませんでしたが、なかなか面白い授業でした」
甘姫いちこ「ファイア族と人間、傷つけ合っていては何もかも損なうばかりです」
甘姫いちこ「適度な距離感で共存し合い、バンバン利益を生み出しましょう」
フレイズ「い、いちこさん・・・!!」
フレイズ「なんて素晴らしいまとめなのかしら!!皆さん盛大な拍手を!!」
生徒「なんかよく分かんないけどいいねいいねー」
生徒「多様化社会バンザーイ」
  パチパチパチパチ
甘姫いちこ「いやーどうもどうも」
フレイズ「今の有難いお言葉は教室の神棚に飾っておくから毎日拝むように!」
甘姫いちこ「いやそこまでしなくても」
フレイズ「それからいちこさんの成績表はオール5、内申点は100点満点よ!」
フレイズ「もう教えることは何もないから授業に出なくていいわ!」
甘姫いちこ「明らかに贔屓が凄い」
フレイズ「気分が良いから今日はこれで終わり!皆さんさようなら〜!」
生徒「っしゃあ!ばいばーい!」
フレイズ「さっいちこちゃんおてて繋いで帰りましょ♪」
フレイズ「そうだ、放課後は寄り道に限るわよね」
フレイズ「駅前のクレープ全種類制覇しちゃいましょっか!」
甘姫いちこ(フレイズさんのせいで着実に学校が楽しくなってきてる、解せない)
  つづく

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