拾ったぬいぐるみの声を聞いてしまった女

アマリモノ

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〇女の子の部屋
まゆみ「ねぇ、ホントに帰っちゃうの?」
まゆみ「ほら、今日は朝まで一緒にって・・・」
タケシ「わりぃ!」
タケシ「リカがさ、最近疑り深くなってるんだ」
タケシ「俺はできるだけ、お前とのカンケー を続けたいんだよ」
タケシ「まゆみは、アイツよりも聞き分けのいい子だろ?」
まゆみ「分かった。また、今度ね」
まゆみ「ひとりじゃ処理しきれないよ、こんな量」
まゆみ「そうだ!」
まゆみ「みんな〜出ておいで〜」
まゆみ「一緒に食べよ」
まゆみ「作りすぎちゃったからね」
  わぁ!ごちそうだぁ!
  ママぁ、ありがとぉー!
  パーチーだねぇ!
まゆみ「めしあがれ!」
  この子たちは「保護ぬいぐるみ」
  ゴミ捨て場に放置されていたものを
  私がたまらず回収したのだ
  彼が
タケシ「痛々しいからやめろよ!」
  と、いうので、さっきまで押し入れに隠れてもらっていたのだけど
  ママはアタチたちの恩人なのにねぇ!
  みんなを「必要だ」ってゆってくれた!
まゆみ「じゃなきゃあ、今ごろボクたちは!」
まゆみ「なんてね」
まゆみ「私ひとりじゃ、ちっともご飯が減らないや」
まゆみ「・・・虚しいなぁ」
まゆみ「ラ、ラジオが勝手に?」
まゆみ「これもゴミ捨て場にあった、もう使えないモノのハズだけど」
  この声が聞こえるか!?
  あんたは最低だな!
  被害者ぶってるが!
  あんただって立派な加害者だろ!
まゆみ「なんなの、この番組・・・!」
まゆみ「そんなこと」
まゆみ「ちゃんと分かってるよ!」
  彼には恋人がいるのに
  私は
まゆみ「いつまでもすがりついてる」
まゆみ「だって耐えられないんだもん」
まゆみ「誰からも必要とされないなんて」
  俺たちがいるだろ!
  これ以上、自分を傷つけるのはやめろ!
  寂しくて眠れない夜があるのなら!
  その気持ちをささやけ!
  打ち明けろ!
  ぶちまけてくれ!
  いつでもあんたの言葉を待ってる!
  だって俺たちは!
  あんたが必要としてくれなきゃ!
  存在できないんだから!
まゆみ「また動かなくなっちゃった」
まゆみ「なんか変な内容だった・・・」
まゆみ「でも、どうしてかなぁ」
  これからも変わらずやってくるだろう
  今日みたいな苦しい夜は
  彼ではなく
  この子たちを抱きしめて
  歯を食いしばって耐えよう
  そう思えた

コメント

  • セフレいたことないけどこの子の気持ちはよく分かります😭じーんときました。

  • 静かに前向きで、ささやかに誰かの助けになるような、良いお話でした。良い読後感が残ります。

  • タケシさんとの関係性を含め、まゆみさんって自己評価と自己肯定感がかなり低い人なのだろうと感じてしまいました。だからこそのぬいぐるみの存在なのでしょうね。ラジオを通しての声、ステキな展開ですね!

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